彼に食って掛かられる
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食って掛かられるシリーズ。「お気に入りの玩具」の続き。ギャグ。
※今回軽く裏要素含みます。宗次郎に少しちょっかい出されるので注意。
「名無しさーん。」
「はぅあっ!?!」
「なんですか。奇声なんて求めてませんけど。」
ありえない。ありえない。ありえない。部屋で書き物してたらノックもなしにいきなり宗次郎が入ってきた…!
「~~!!」
「いちいち大袈裟だなぁ…」
「な、なんなんですか!?」
「用事ですよ、用事。」
「そうじゃなくて、デリカシーって知ってます!?」
「は?」
「…は?」
『は?』ってどういうこと?なんで勝手に入ってきた宗次郎の方がこんなに堂々としてるわけ。理不尽極まりない。
何だそれ?みたいな顔してる。こっちがは?なんですけど…
「名無しさん如きに注意を払えと?」
「なにその言い草。酷っ。」
「あれ?何か隠しました?」
「!こ、これはなんでもっ!」
やばい!机に慌てて覆い被さった。しかし、なんてこと。背後から覗き込んでくる。
「見えないじゃないですか。」
「見なくていいから!」
「文?」
「あっち行って!」
「どうせ大それた内容なんてないでしょ。名無しさんの頭の程度なら知れてます。」
「なんだとこのっ…」
顔を上げかけた時だった。耳元がぞわりと総毛立ち、私の体は強張る。
「…っ、ちょっ…!」
「んー?」
「なに、…?」
「別に?何もしてませんけど。」
きょとんとした様な表情で見下ろす彼。何だったんだろう、さっきの感触は。
そう思っていると視界の隅で宗次郎の頭が動いた。え?と横目で追っていると、うなじ辺りに視線を感じた。
「…そ、宗次郎?」
「……」
振り向こうとする私の耳元を生暖かい空気が襲った。
「ひ、……っ!」
宗次郎がふー…っと、息を吹きかけたのだった。
「っ、んっ…」
「…ひょっとして」
確信したかのような宗次郎の声が聴覚を襲う。
耳を塞ぎたい。けどこの書面を隠している手を外したら宗次郎に見られてしまう。それは嫌だ。
「馬鹿っ、や…!」
「…名無しさん、耳、弱いんですか…?」
「…?そんなの知らな、い…」
あ、また。耳元で囁かれてぞくぞくとした感じが背中を駆け上る。
「ふーん…」
…なんだか探り当てた喜びというかそんな感じの笑顔だこの人。なんか企んでる声だこれは。
「じゃあ…これは?」
「!…っ!」
や、やだやだやだ。
「っ…ん、ぅ…」
「あ、しっかり反応しますね。」
「…ひゃ…っ…」
つー…っと宗次郎の指が耳の輪郭を滑っていく。何度も、何度も。
「…っ」
「……」
「!んぅ、っ」
「……」
「…っ、あ…」
「……隙ありっ。」
へ?隙?は?
……ああああああっ!!
「ひ!!卑怯者ー!!!」
なんてこと!さーっと、いとも簡単に、私の書面は奪い去られたのだった。
「ふふ、油断禁物ですね。」
「油断なんてしてないもん!油断させられたんです!」
「どっちですか。」
「私だってわかんない。」
もうどっちでもいい。そりゃ支離滅裂にもなるよ!
「…ひょっとして。」
「?」
急に宗次郎がはっとした顔をしてきた。なに、なんなの。
「手紙ですか?これ。」
「……そうです。」
ああああ…終わった、はあ。けなされるんだ。馬鹿にされるんだ。晒し物にされるんだ。
無念を感じて溜息をついたが、目の前の強者はまじまじと私を見つめるのだった。
「…?」
「名無しさん。」
「はい?」
「…ひょっとして。」
「はあ?」
「これ、四乃森さんに?」
真っ直ぐな瞳で聞かれる。
「…………」
「…………」
「……はあ、まあ。」
「…そうなんですか。」
「はい…」
「…恋文、というやつですか。」
「…………はい。」
じっくり一言一言問われると、答えてて恥ずかしくなってきた…
「ああ、そうなんですね。」
「…じっくり言わないでください、照れます、居たたまれないです…」
「ああ、そうなんですか。」
「そうでしょ普通。」
「ああ、そうなんですね。」
あーあ、宗次郎に見られるなんて。
「もうやだ…」
「ああ、そうなんですか。」
「………あの、なんか上の空っぽくないですか?」
「ああ、そうなんですね。」
「……」
?なんだ?どうしたんだろ?
「……あ、これ返しときます。」
「へっ?えっ?」
取り上げられてもう戻らないと思ってたそれは再び私の手元へ。
「へ?返してくれるの?」
「いらないならその辺に貼り付けときますけど。」
「そ、それはやだ。」
慌てて手紙を後ろに隠した。
「せいぜい玉砕に向かって頑張ってください。」
「読んでないじゃん、わかんないじゃん。」
「わかりますよ。名無しさんの知能なんてたかが知れてますから。」
あれ、デジャヴ…
「駄目だったら何か美味しいもの買ってあげますよ。」
「本当!?よし、頑張ろう。」
「本当に馬鹿ですね。」
「え?……!だって、美味しいものって言うから、つい!」
…あれ、なんかいつもの宗次郎に戻った?
…にこにこと得体の知れない笑顔、うん、いつもの宗次郎だ。
「甘味処でそうだなぁ、名無しさんの大好きな苺のパフェでも。」
「頑張る!」
「…馬鹿ですね。」
想い、ひとひら
戸惑う強者。
※今回軽く裏要素含みます。宗次郎に少しちょっかい出されるので注意。
「名無しさーん。」
「はぅあっ!?!」
「なんですか。奇声なんて求めてませんけど。」
ありえない。ありえない。ありえない。部屋で書き物してたらノックもなしにいきなり宗次郎が入ってきた…!
「~~!!」
「いちいち大袈裟だなぁ…」
「な、なんなんですか!?」
「用事ですよ、用事。」
「そうじゃなくて、デリカシーって知ってます!?」
「は?」
「…は?」
『は?』ってどういうこと?なんで勝手に入ってきた宗次郎の方がこんなに堂々としてるわけ。理不尽極まりない。
何だそれ?みたいな顔してる。こっちがは?なんですけど…
「名無しさん如きに注意を払えと?」
「なにその言い草。酷っ。」
「あれ?何か隠しました?」
「!こ、これはなんでもっ!」
やばい!机に慌てて覆い被さった。しかし、なんてこと。背後から覗き込んでくる。
「見えないじゃないですか。」
「見なくていいから!」
「文?」
「あっち行って!」
「どうせ大それた内容なんてないでしょ。名無しさんの頭の程度なら知れてます。」
「なんだとこのっ…」
顔を上げかけた時だった。耳元がぞわりと総毛立ち、私の体は強張る。
「…っ、ちょっ…!」
「んー?」
「なに、…?」
「別に?何もしてませんけど。」
きょとんとした様な表情で見下ろす彼。何だったんだろう、さっきの感触は。
そう思っていると視界の隅で宗次郎の頭が動いた。え?と横目で追っていると、うなじ辺りに視線を感じた。
「…そ、宗次郎?」
「……」
振り向こうとする私の耳元を生暖かい空気が襲った。
「ひ、……っ!」
宗次郎がふー…っと、息を吹きかけたのだった。
「っ、んっ…」
「…ひょっとして」
確信したかのような宗次郎の声が聴覚を襲う。
耳を塞ぎたい。けどこの書面を隠している手を外したら宗次郎に見られてしまう。それは嫌だ。
「馬鹿っ、や…!」
「…名無しさん、耳、弱いんですか…?」
「…?そんなの知らな、い…」
あ、また。耳元で囁かれてぞくぞくとした感じが背中を駆け上る。
「ふーん…」
…なんだか探り当てた喜びというかそんな感じの笑顔だこの人。なんか企んでる声だこれは。
「じゃあ…これは?」
「!…っ!」
や、やだやだやだ。
「っ…ん、ぅ…」
「あ、しっかり反応しますね。」
「…ひゃ…っ…」
つー…っと宗次郎の指が耳の輪郭を滑っていく。何度も、何度も。
「…っ」
「……」
「!んぅ、っ」
「……」
「…っ、あ…」
「……隙ありっ。」
へ?隙?は?
……ああああああっ!!
「ひ!!卑怯者ー!!!」
なんてこと!さーっと、いとも簡単に、私の書面は奪い去られたのだった。
「ふふ、油断禁物ですね。」
「油断なんてしてないもん!油断させられたんです!」
「どっちですか。」
「私だってわかんない。」
もうどっちでもいい。そりゃ支離滅裂にもなるよ!
「…ひょっとして。」
「?」
急に宗次郎がはっとした顔をしてきた。なに、なんなの。
「手紙ですか?これ。」
「……そうです。」
ああああ…終わった、はあ。けなされるんだ。馬鹿にされるんだ。晒し物にされるんだ。
無念を感じて溜息をついたが、目の前の強者はまじまじと私を見つめるのだった。
「…?」
「名無しさん。」
「はい?」
「…ひょっとして。」
「はあ?」
「これ、四乃森さんに?」
真っ直ぐな瞳で聞かれる。
「…………」
「…………」
「……はあ、まあ。」
「…そうなんですか。」
「はい…」
「…恋文、というやつですか。」
「…………はい。」
じっくり一言一言問われると、答えてて恥ずかしくなってきた…
「ああ、そうなんですね。」
「…じっくり言わないでください、照れます、居たたまれないです…」
「ああ、そうなんですか。」
「そうでしょ普通。」
「ああ、そうなんですね。」
あーあ、宗次郎に見られるなんて。
「もうやだ…」
「ああ、そうなんですか。」
「………あの、なんか上の空っぽくないですか?」
「ああ、そうなんですね。」
「……」
?なんだ?どうしたんだろ?
「……あ、これ返しときます。」
「へっ?えっ?」
取り上げられてもう戻らないと思ってたそれは再び私の手元へ。
「へ?返してくれるの?」
「いらないならその辺に貼り付けときますけど。」
「そ、それはやだ。」
慌てて手紙を後ろに隠した。
「せいぜい玉砕に向かって頑張ってください。」
「読んでないじゃん、わかんないじゃん。」
「わかりますよ。名無しさんの知能なんてたかが知れてますから。」
あれ、デジャヴ…
「駄目だったら何か美味しいもの買ってあげますよ。」
「本当!?よし、頑張ろう。」
「本当に馬鹿ですね。」
「え?……!だって、美味しいものって言うから、つい!」
…あれ、なんかいつもの宗次郎に戻った?
…にこにこと得体の知れない笑顔、うん、いつもの宗次郎だ。
「甘味処でそうだなぁ、名無しさんの大好きな苺のパフェでも。」
「頑張る!」
「…馬鹿ですね。」
想い、ひとひら
戸惑う強者。