彼に食って掛かられる
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食って掛かられるシリーズ。「乙女の悩み」の続き。ギャグ。
「暇だなぁ…」
暇を持て余していた私はアジトをぐるぐる巡っていた。
志々雄さんは鍛錬に行っちゃったし、由美さんも部屋に行っちゃったみたいだし、宗次郎は十本刀集めに行ってていないし…
…宗次郎。
…あの顔思い出すと再び腑に落ちない思いで満ち満ちてきた。
あの笑顔、無邪気なあの笑顔の裏には黒いっていうかド汚いどぶ色のオーラが隠されてるに違いない。
だってね…!
一週間前──
『それじゃあ暫く留守にしますけど、』
『はーい♪行ってらっしゃ~い!』
『やけにいきいきしてません?』
『え、そ…そんなことないよ。』
『図星ですか。単細胞ですね。』
『だって、早く起きろ寝ろとかご飯不味いとか言ったり、なんか姑がいなくなるみたいで…』
『惰眠を貪るしか能がない割によく言いますね。』
『なっ、失礼な!志々雄さんを癒す役くらいこなせてます!私を見てると楽しいって言ってくれますもん。』
『知ってます?それ、笑われ者って意味ですよ。』
『国盗り開始前に宗次郎のタマを盗ってやる…!』
『…あなたの辞書には恥じらいとか品性とか女性の嗜みといった言葉はないんですね。』
『!ち、違うから!命!命のタマだって!』
『みなさーん、聞いてくださーい、名無しさんったらねー』
『うわああああ!早く行ってしまええー!!』
──なんてことがあったわけです。
宗次郎に関われば関わるほど、何かドジを踏んでしまうわけで。
…ああ、また腹立ってきた…!
志々雄さんの鍛錬が終わったら愚痴を聞いてもらおう。
待っていようと鍛錬場の方に歩を進めると声が聞こえてきた。
「宗次郎、大事な客人に部屋を見つくろってやってくれ。」
「はい。」
え?客人?こんなところに?
ていうか宗の奴め、もう帰ってきたのか。もうちょっとのんびりしたらいいのに…
耳をそばだてていると、中にはどうやら沢山人がいるみたい。
…あ、十本刀の人達いっぱい出て来た。
……夷腕坊さん相変わらず頭悪そうだな。
客人って、どんな人だろう?
──宗次郎に続いて出て来たその殿方。
思わずまじまじと見つめてしまった…!
だ…だだ、だれー!?かっ、かっこいい!!!
「四乃森さん、こちらです。」
「…」
か、かっこいい…!!四乃森さんっていうのか!
……かっこよすぎる!すっごくイケメン!そして背高い!そしてすっごくクールそう!!
身悶えしながら眼差しを送り続けていると、気配を感じたのか振り向いたのは宗次郎だった。
…なんかちょっと白けた目で見てくるんですけど。え、なに。
「……何くねくねしてるんですか。気持ち悪い。早く御手洗に行けばどうですか。」
「開口一番に泥投げます?普通。」
「泥みたいな顔してるんだからいいじゃないですか。」
「泥みたいな顔ってなに。…それより!こんなところで誤解招くようなこと言わないでくださいっ。」
「は?」
くそ、四乃森さんのお耳にとんでもない誤報を。
って四乃森さん、こっち見てる!?
は、はああああ、どうしよう!?
…こうなったらやけくそだ。猛ろ私のアドリブ力。
「あ、あの~。初めまして、遠いところまでよくいらっしゃいました。」
「…」
「私ここの女中の名無しと申します。」
「…」
「何か御用の際はご遠慮なくお申し付けくださいませ。」
「……」
……あれ?なんか変なこと言ったかな?四乃森さんの顔色変わらない…?
何も返事返ってこないけど、何か怒らせるようなこと言ってしまった…?
…それより何より、横の宗次郎がめっちゃ見てくるんですけど…!
あれ、瞳孔開いてない?な、なんか怖い。やっぱり何かやらかしたんだ…!
た、退散した方がいいかな…?
「あ、えと、その…」
「…」
「…ご、ごご、ごゆっくりー…」
「…今のところは間に合っている。」
「!」
四乃森さんが喋った-…!声もなんだか素敵…!
「さ、左様でございますか!」
「ああ…」
「え…、えっと、ほら、そ、宗次郎ご案内よろしくっ。」
変にどもる私はいたたまれなくなり、宗次郎に後を託せば安心だと思い、手をひらひらと振った。
そうするしかなかった。
……安心した一方、いつもの笑顔のはずなのに、去り際こちらを向いた宗次郎の視線がなんか怖かった……
まあいいや。とにかく、明日は四乃森さんに朝ご飯持っていこうっと♪
ラブストーリーは突然に
(るんるん♪素敵な人だなぁ♪)
(…なんだかイライラするなぁ…)
「暇だなぁ…」
暇を持て余していた私はアジトをぐるぐる巡っていた。
志々雄さんは鍛錬に行っちゃったし、由美さんも部屋に行っちゃったみたいだし、宗次郎は十本刀集めに行ってていないし…
…宗次郎。
…あの顔思い出すと再び腑に落ちない思いで満ち満ちてきた。
あの笑顔、無邪気なあの笑顔の裏には黒いっていうかド汚いどぶ色のオーラが隠されてるに違いない。
だってね…!
一週間前──
『それじゃあ暫く留守にしますけど、』
『はーい♪行ってらっしゃ~い!』
『やけにいきいきしてません?』
『え、そ…そんなことないよ。』
『図星ですか。単細胞ですね。』
『だって、早く起きろ寝ろとかご飯不味いとか言ったり、なんか姑がいなくなるみたいで…』
『惰眠を貪るしか能がない割によく言いますね。』
『なっ、失礼な!志々雄さんを癒す役くらいこなせてます!私を見てると楽しいって言ってくれますもん。』
『知ってます?それ、笑われ者って意味ですよ。』
『国盗り開始前に宗次郎のタマを盗ってやる…!』
『…あなたの辞書には恥じらいとか品性とか女性の嗜みといった言葉はないんですね。』
『!ち、違うから!命!命のタマだって!』
『みなさーん、聞いてくださーい、名無しさんったらねー』
『うわああああ!早く行ってしまええー!!』
──なんてことがあったわけです。
宗次郎に関われば関わるほど、何かドジを踏んでしまうわけで。
…ああ、また腹立ってきた…!
志々雄さんの鍛錬が終わったら愚痴を聞いてもらおう。
待っていようと鍛錬場の方に歩を進めると声が聞こえてきた。
「宗次郎、大事な客人に部屋を見つくろってやってくれ。」
「はい。」
え?客人?こんなところに?
ていうか宗の奴め、もう帰ってきたのか。もうちょっとのんびりしたらいいのに…
耳をそばだてていると、中にはどうやら沢山人がいるみたい。
…あ、十本刀の人達いっぱい出て来た。
……夷腕坊さん相変わらず頭悪そうだな。
客人って、どんな人だろう?
──宗次郎に続いて出て来たその殿方。
思わずまじまじと見つめてしまった…!
だ…だだ、だれー!?かっ、かっこいい!!!
「四乃森さん、こちらです。」
「…」
か、かっこいい…!!四乃森さんっていうのか!
……かっこよすぎる!すっごくイケメン!そして背高い!そしてすっごくクールそう!!
身悶えしながら眼差しを送り続けていると、気配を感じたのか振り向いたのは宗次郎だった。
…なんかちょっと白けた目で見てくるんですけど。え、なに。
「……何くねくねしてるんですか。気持ち悪い。早く御手洗に行けばどうですか。」
「開口一番に泥投げます?普通。」
「泥みたいな顔してるんだからいいじゃないですか。」
「泥みたいな顔ってなに。…それより!こんなところで誤解招くようなこと言わないでくださいっ。」
「は?」
くそ、四乃森さんのお耳にとんでもない誤報を。
って四乃森さん、こっち見てる!?
は、はああああ、どうしよう!?
…こうなったらやけくそだ。猛ろ私のアドリブ力。
「あ、あの~。初めまして、遠いところまでよくいらっしゃいました。」
「…」
「私ここの女中の名無しと申します。」
「…」
「何か御用の際はご遠慮なくお申し付けくださいませ。」
「……」
……あれ?なんか変なこと言ったかな?四乃森さんの顔色変わらない…?
何も返事返ってこないけど、何か怒らせるようなこと言ってしまった…?
…それより何より、横の宗次郎がめっちゃ見てくるんですけど…!
あれ、瞳孔開いてない?な、なんか怖い。やっぱり何かやらかしたんだ…!
た、退散した方がいいかな…?
「あ、えと、その…」
「…」
「…ご、ごご、ごゆっくりー…」
「…今のところは間に合っている。」
「!」
四乃森さんが喋った-…!声もなんだか素敵…!
「さ、左様でございますか!」
「ああ…」
「え…、えっと、ほら、そ、宗次郎ご案内よろしくっ。」
変にどもる私はいたたまれなくなり、宗次郎に後を託せば安心だと思い、手をひらひらと振った。
そうするしかなかった。
……安心した一方、いつもの笑顔のはずなのに、去り際こちらを向いた宗次郎の視線がなんか怖かった……
まあいいや。とにかく、明日は四乃森さんに朝ご飯持っていこうっと♪
ラブストーリーは突然に
(るんるん♪素敵な人だなぁ♪)
(…なんだかイライラするなぁ…)