彼に食って掛かられる
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次の日の朝。私は貴重な二度寝による幸福な時間を満喫していた。
「──むにゃむにゃむにゃ…お布団気持ちいい…由美さんの太ももと同じレベルの癒やし効果…」
あー…あったかい…お布団こそ私の心の友…
──その束の間の幸福を脅かすのは。
「名無しさん。」
「…あ、やばい…もっと寝てたいのに何か耳障りな声が。覚醒しそう…」
「名無しさん。」
「ううん…」
「名無しさん。いい加減起きてください。」
「ああもう、うるさいなぁ…」
薄目を開けると布団の前で正座して笑顔を浮かべている宗次郎がいた。
「名無しさん、起きてるんでしょ。さっさと仕事してください。」
「…宗次郎の太もも…絶対気持ちよくないよな…」
「は?セクハラですよそれ。」
「…たしかに。何言ってんだ私。いや由美さんに膝枕される妄想してた今、人の太ももが目に入ったら…しょうがないじゃないか。」
「ふざけてないで早く起きてください。」
「いやだぁぁ…お布団と私の仲を裂く者はみんな敵だぁ…」
「……ちっ。」
え?今なんか聞こえなかった?宗次郎さん?
戸惑いながらも睡魔に飲まれていきそうになっていると、
「…あたぁっ!!」
頭を足蹴にされ、べりべりと掛け布団を剥がされる。
「あああ!何するの!」
「手間掛けさせないでください。」
「やだぁ、寒いー!」
「寒い季節じゃないですよね。」
「あーれー!御代官さまお許しを!」
「寝てても起きてても質が悪いですね。」
「あ、わかった!さては由美さんに嫉妬してるんでしょ、可愛い私を虜にされて。このムッツ、」
「文字通り、裂かれたくなければ早く支度してくださいね?(にっこり)」
「……」
私はその後、着替えを済ませた辺りでようやく状況を思い出した。
「…ああそうか、宗次郎たしか頭おかしくなったんだっけ。一昨日。」
「わざとそういう言い方してるでしょ?」
「こんな優しくて可愛らしい女の子のこと忘れちゃうなんて…ぷっ、馬鹿じゃない?」
「…自分で言ってて虚しくないですか?」
「もう!ほっといて。」
うだうだ言いながら朝餉を一緒に食べ始めていると。澄ました顔で宗次郎は言い放った。
「はい。これ。今日やっておくことこちらに書いておきましたから。サボらないでくださいね。」
「へ?」
「だから早く朝ごはん食べちゃってください。」
「え??何これ?やることめっちゃ多くない?」
「僕だってあなたに任せたいわけじゃありません。」
「じゃあ信頼しない方がいいよ私のこ
「志々雄さんから言われたんで。安心してください、信頼してるわけじゃありません。」
……ちぇ。」
「え?上手く食べれない?ご飯喉まで突っ込んであげましょうか?」
「もー!馬鹿にして!雑魚だって一人でご飯くらい食べれますからね。何なら宗次郎のプリンだって食べちゃえますよ?はーい、いただきま、」
「この方の頭の詰め替えって売ってないのかなぁ。」
…やな奴、やな奴。
ちょっと顔が良くて……いやかなりか。
まあいいんですけどね!私は、負けない!!
そんな風に鼻息を荒くしてる私をじっと見据えて、宗次郎は呟いた。
「──名無しさんのこと何となく分かりました。」
「ようやくか。呑気な坊やねぇ…いいいいっ!?」
「まだ身の程がわからないようですねえ?」
ほっぺたを思い切り引っ張られる。
「いたーい!ばかばかばか!」
「…えらく、警戒してないようですけどいいんですか?」
「ふえ?」
「あまり僕を苛立たせない方がいいですよ?弱い上に何の役にも立たないならそれこそ。」
「んんん?まさか心配してくれてるの?」
「違います。」
ばっさり。ま、想定内よ。
「即答ですか。宗次郎さん。」
「あまりにもあなたが情けなさ過ぎてつい言ってしまっただけですよ。図に乗らないでもらえます?」
──別に何か嬉しかったというわけでも、宗次郎のきつい接し方に悦んでるというわけでもない。
けど、思わず笑ってしまった。
「…なにか楽しいんですか?」
「いやいや…なんか思ったんだけど、宗次郎は所詮宗次郎なんだね。そう思ったらなんかにやけてきちゃって…」
「……」
「なんだかんだ思い出すっしょ!そのうち。」
目を丸くしてる宗次郎の肩をぱしん、と軽く叩いた。
毒を吐けども
(こんな呑気な人がずっと僕の配下に…?さっぱりわからないなぁ…
でも。僕だって、さっさと捨て置いて、すげ替ればいいのに。ちっともそういう気になれないのは…気のせいですよね。)
「──むにゃむにゃむにゃ…お布団気持ちいい…由美さんの太ももと同じレベルの癒やし効果…」
あー…あったかい…お布団こそ私の心の友…
──その束の間の幸福を脅かすのは。
「名無しさん。」
「…あ、やばい…もっと寝てたいのに何か耳障りな声が。覚醒しそう…」
「名無しさん。」
「ううん…」
「名無しさん。いい加減起きてください。」
「ああもう、うるさいなぁ…」
薄目を開けると布団の前で正座して笑顔を浮かべている宗次郎がいた。
「名無しさん、起きてるんでしょ。さっさと仕事してください。」
「…宗次郎の太もも…絶対気持ちよくないよな…」
「は?セクハラですよそれ。」
「…たしかに。何言ってんだ私。いや由美さんに膝枕される妄想してた今、人の太ももが目に入ったら…しょうがないじゃないか。」
「ふざけてないで早く起きてください。」
「いやだぁぁ…お布団と私の仲を裂く者はみんな敵だぁ…」
「……ちっ。」
え?今なんか聞こえなかった?宗次郎さん?
戸惑いながらも睡魔に飲まれていきそうになっていると、
「…あたぁっ!!」
頭を足蹴にされ、べりべりと掛け布団を剥がされる。
「あああ!何するの!」
「手間掛けさせないでください。」
「やだぁ、寒いー!」
「寒い季節じゃないですよね。」
「あーれー!御代官さまお許しを!」
「寝てても起きてても質が悪いですね。」
「あ、わかった!さては由美さんに嫉妬してるんでしょ、可愛い私を虜にされて。このムッツ、」
「文字通り、裂かれたくなければ早く支度してくださいね?(にっこり)」
「……」
私はその後、着替えを済ませた辺りでようやく状況を思い出した。
「…ああそうか、宗次郎たしか頭おかしくなったんだっけ。一昨日。」
「わざとそういう言い方してるでしょ?」
「こんな優しくて可愛らしい女の子のこと忘れちゃうなんて…ぷっ、馬鹿じゃない?」
「…自分で言ってて虚しくないですか?」
「もう!ほっといて。」
うだうだ言いながら朝餉を一緒に食べ始めていると。澄ました顔で宗次郎は言い放った。
「はい。これ。今日やっておくことこちらに書いておきましたから。サボらないでくださいね。」
「へ?」
「だから早く朝ごはん食べちゃってください。」
「え??何これ?やることめっちゃ多くない?」
「僕だってあなたに任せたいわけじゃありません。」
「じゃあ信頼しない方がいいよ私のこ
「志々雄さんから言われたんで。安心してください、信頼してるわけじゃありません。」
……ちぇ。」
「え?上手く食べれない?ご飯喉まで突っ込んであげましょうか?」
「もー!馬鹿にして!雑魚だって一人でご飯くらい食べれますからね。何なら宗次郎のプリンだって食べちゃえますよ?はーい、いただきま、」
「この方の頭の詰め替えって売ってないのかなぁ。」
…やな奴、やな奴。
ちょっと顔が良くて……いやかなりか。
まあいいんですけどね!私は、負けない!!
そんな風に鼻息を荒くしてる私をじっと見据えて、宗次郎は呟いた。
「──名無しさんのこと何となく分かりました。」
「ようやくか。呑気な坊やねぇ…いいいいっ!?」
「まだ身の程がわからないようですねえ?」
ほっぺたを思い切り引っ張られる。
「いたーい!ばかばかばか!」
「…えらく、警戒してないようですけどいいんですか?」
「ふえ?」
「あまり僕を苛立たせない方がいいですよ?弱い上に何の役にも立たないならそれこそ。」
「んんん?まさか心配してくれてるの?」
「違います。」
ばっさり。ま、想定内よ。
「即答ですか。宗次郎さん。」
「あまりにもあなたが情けなさ過ぎてつい言ってしまっただけですよ。図に乗らないでもらえます?」
──別に何か嬉しかったというわけでも、宗次郎のきつい接し方に悦んでるというわけでもない。
けど、思わず笑ってしまった。
「…なにか楽しいんですか?」
「いやいや…なんか思ったんだけど、宗次郎は所詮宗次郎なんだね。そう思ったらなんかにやけてきちゃって…」
「……」
「なんだかんだ思い出すっしょ!そのうち。」
目を丸くしてる宗次郎の肩をぱしん、と軽く叩いた。
毒を吐けども
(こんな呑気な人がずっと僕の配下に…?さっぱりわからないなぁ…
でも。僕だって、さっさと捨て置いて、すげ替ればいいのに。ちっともそういう気になれないのは…気のせいですよね。)