彼に食って掛かられる
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「未だ夢の半ば」の続き。ギャグ。
「馬鹿は風邪を引かないと思ってましたけど。」
「…」
「馬鹿だから風邪を引くんですね。」
「…」
「今回は完全に盲点を突かれました。僕の予想を裏切るだなんてさすがだなぁ、名無しさん。」
「誰が馬鹿よ。鞭打ちどころか全身なます斬りにされてるんですけど。」
「串刺しになる方がよかったですか。」
「そろそろ言っていいですか。私病人なんですけど。」
風呂上りに暑いから涼んでただけだ。少し涼みすぎただけだ。
それをこの男、一々ほじくり返しては、傷口に塩どころか唐辛子どころか、ご丁寧に曼荼羅葉の毒を選んで塗り込んでいく。本当に性格悪いなこいつ。
「…っ?いひゃひゃひゃひゃひゃ!?」
「あ、すみませーん。何か聞こえたものですから。」
「最低!ほっぺが腫れましたよ!あーもうこりゃ駄目だ、もう死ぬな私。死んだら呪ってやる、末代まで祟ってやる。」
「風邪如きで大袈裟だなあ。どんな呪いですか。馬鹿になるんですか、口喧しくなるんですか?」
「禿げ散らかるがいい。」
あー、もういいや。暑い日だけど悪寒やなんやで少しは涼しくなったし。
…ん?てか、ちょっと寒いよ?あれ、真夏なのに?
「…宗次郎。寒い…。」
「…でしょうね。」
「頭…」
「えーと。」
あ、気持ちいい。おでこに宗次郎の手の感触…。
「…ちょっと熱が出て来たみたいですね。」
「まじか。じゃあ病人として堂々と宗次郎をこき使えるわけだ。」
「熱湯かけますよ。」
「…ひゃっ!?」
突然でうっかり驚いてしまった…。氷嚢だった…。
「……本気で熱湯だと思っただなんて言わないでくださいよ?」
「いや、だってあまりにもタイミングが。それに宗次郎が信用でき、ひゃあっ!?」
「熱で頭回らないんでしょうね、可哀想に。」
ありえない。氷嚢をあろうことかほっぺに押しつけてきやがった…!そんなくせにめっちゃ飄々としてる。どんだけ黒いのこの人。
「…ちょっとぉ!こんな冷たいもの急にほっぺに当てなくても!」
「いやあ、よく動く口だなぁと思いまして。」
「それ、全然可哀想と思ってないでしょ。」
「ああ、元はと言えば名無しさんの自業自得ですから。」
「ほらね。だってめっちゃ笑顔だも、やっ!こ、こら!だからおでこ以外に当てるでない!」
「何感じてるんですか。」
「かっ…!?死ね、ぼけーっ!!」
「こんなので感じるなんて変態ですね。」
「違うわ、あほ!」
違うわ、ばか!
なんでほっぺや首に氷押しつけられて悦ぶんだよ。そんな発言出てくるおまえが変態だわ。あほか。頭パーだな、さては。
「宗次郎変態卑猥嫌い最低人でなしろくでなし馬鹿あほ鬼…」
「はいはい、煩い病人は早く寝てください。」
「煩いは余計でしょ。」
「ちょっとは寝ないと損ですよ。」
「宗次郎のせいで頭が冴えて眠れない。」
「馬鹿言ってないで寝てください。」
ぽんぽん、と頭に柔らかい感触が降ってくる。
「…子供じゃないし。」
「へえ、大人だったんですか。」
「一々腹立つな。てか、これで寝ろとか無理でしょ。」
そうだ。なんかすぐ横に寝転びだした。こんな近くに宗次郎の顔があれば、むかついて眠れないに決まっている。なんの拷問だ。
「はいはい、添い寝しますから。」
「別に一人で寝れるんだけど。」
「何かあったらどうするんです。病人が一端の口聞かないでください。」
「…わっ、ちょっと見えないんだけど。手邪魔。」
「そろそろ大人しくしましょうか。」
「…五感支配されてるのでしょうか、これは。」
「さあ。…余計なことは考えなくていいですから。目瞑れば眠くなりますよ。」
「…はーい、寝ますよ…」
「ええ、おやすみなさ」
「すぴーっ。すぴーっ。」
…一瞬で寝たんですね。早く寝ましょうって言いましたけど、どれだけ早いんですか。
「本当に子供ですか…あなたは。」
「…うーん、むにゃむにゃ…」
「…情けない顔してますね。」
「……宗次郎……」
…あらら。なんです、僕の手なんて握り締めてきて。
…なんだか珍しく、か弱く見えますね。あんなに文句を言ってた人がこんなに無防備に大人しくして。
もう少ししたら氷を取り替えてきましょうか。早く治ってもらわないことには、一向に落ち着くこともできませんからね。
夕涼みの安息
(…大人しくしてると可愛いのになあ。)
E N D
「馬鹿は風邪を引かないと思ってましたけど。」
「…」
「馬鹿だから風邪を引くんですね。」
「…」
「今回は完全に盲点を突かれました。僕の予想を裏切るだなんてさすがだなぁ、名無しさん。」
「誰が馬鹿よ。鞭打ちどころか全身なます斬りにされてるんですけど。」
「串刺しになる方がよかったですか。」
「そろそろ言っていいですか。私病人なんですけど。」
風呂上りに暑いから涼んでただけだ。少し涼みすぎただけだ。
それをこの男、一々ほじくり返しては、傷口に塩どころか唐辛子どころか、ご丁寧に曼荼羅葉の毒を選んで塗り込んでいく。本当に性格悪いなこいつ。
「…っ?いひゃひゃひゃひゃひゃ!?」
「あ、すみませーん。何か聞こえたものですから。」
「最低!ほっぺが腫れましたよ!あーもうこりゃ駄目だ、もう死ぬな私。死んだら呪ってやる、末代まで祟ってやる。」
「風邪如きで大袈裟だなあ。どんな呪いですか。馬鹿になるんですか、口喧しくなるんですか?」
「禿げ散らかるがいい。」
あー、もういいや。暑い日だけど悪寒やなんやで少しは涼しくなったし。
…ん?てか、ちょっと寒いよ?あれ、真夏なのに?
「…宗次郎。寒い…。」
「…でしょうね。」
「頭…」
「えーと。」
あ、気持ちいい。おでこに宗次郎の手の感触…。
「…ちょっと熱が出て来たみたいですね。」
「まじか。じゃあ病人として堂々と宗次郎をこき使えるわけだ。」
「熱湯かけますよ。」
「…ひゃっ!?」
突然でうっかり驚いてしまった…。氷嚢だった…。
「……本気で熱湯だと思っただなんて言わないでくださいよ?」
「いや、だってあまりにもタイミングが。それに宗次郎が信用でき、ひゃあっ!?」
「熱で頭回らないんでしょうね、可哀想に。」
ありえない。氷嚢をあろうことかほっぺに押しつけてきやがった…!そんなくせにめっちゃ飄々としてる。どんだけ黒いのこの人。
「…ちょっとぉ!こんな冷たいもの急にほっぺに当てなくても!」
「いやあ、よく動く口だなぁと思いまして。」
「それ、全然可哀想と思ってないでしょ。」
「ああ、元はと言えば名無しさんの自業自得ですから。」
「ほらね。だってめっちゃ笑顔だも、やっ!こ、こら!だからおでこ以外に当てるでない!」
「何感じてるんですか。」
「かっ…!?死ね、ぼけーっ!!」
「こんなので感じるなんて変態ですね。」
「違うわ、あほ!」
違うわ、ばか!
なんでほっぺや首に氷押しつけられて悦ぶんだよ。そんな発言出てくるおまえが変態だわ。あほか。頭パーだな、さては。
「宗次郎変態卑猥嫌い最低人でなしろくでなし馬鹿あほ鬼…」
「はいはい、煩い病人は早く寝てください。」
「煩いは余計でしょ。」
「ちょっとは寝ないと損ですよ。」
「宗次郎のせいで頭が冴えて眠れない。」
「馬鹿言ってないで寝てください。」
ぽんぽん、と頭に柔らかい感触が降ってくる。
「…子供じゃないし。」
「へえ、大人だったんですか。」
「一々腹立つな。てか、これで寝ろとか無理でしょ。」
そうだ。なんかすぐ横に寝転びだした。こんな近くに宗次郎の顔があれば、むかついて眠れないに決まっている。なんの拷問だ。
「はいはい、添い寝しますから。」
「別に一人で寝れるんだけど。」
「何かあったらどうするんです。病人が一端の口聞かないでください。」
「…わっ、ちょっと見えないんだけど。手邪魔。」
「そろそろ大人しくしましょうか。」
「…五感支配されてるのでしょうか、これは。」
「さあ。…余計なことは考えなくていいですから。目瞑れば眠くなりますよ。」
「…はーい、寝ますよ…」
「ええ、おやすみなさ」
「すぴーっ。すぴーっ。」
…一瞬で寝たんですね。早く寝ましょうって言いましたけど、どれだけ早いんですか。
「本当に子供ですか…あなたは。」
「…うーん、むにゃむにゃ…」
「…情けない顔してますね。」
「……宗次郎……」
…あらら。なんです、僕の手なんて握り締めてきて。
…なんだか珍しく、か弱く見えますね。あんなに文句を言ってた人がこんなに無防備に大人しくして。
もう少ししたら氷を取り替えてきましょうか。早く治ってもらわないことには、一向に落ち着くこともできませんからね。
夕涼みの安息
(…大人しくしてると可愛いのになあ。)
E N D