短編集
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ヒロインさんが宗次郎さんに耳かきをするお話。
「あ、あの…宗次郎。」
「どうしました、名無しさん。」
「私あまり馴れてなくて。できるだけ優しくするけど、痛くしたらごめんね…?」
「えっと名無しさん、全然それでお願いしたいんですけど、発言に色々と問題があるので今後は気を付けましょうか。」
「は、はい…?」
* * * * *
「じゃあ、始めるね?」
「はーい(名無しさんの膝枕きもちいい…)」
宗次郎は内心そう思っていたが、黙っていた。
名無しの指が宗次郎の顔周りの髪を優しく整え、そして耳に触れる。
(…宗次郎目を瞑ってる…まつげ長いな…)
己の膝で眠るように目を閉じる宗次郎の横顔。そして膝に感じる温もりに少し緊張しながら、名無しは少しずつ触れていく。
「んー…けど宗次郎、」
耳殻を耳かきでなぞりながら。名無しは呟いた。
その声に宗次郎は思わず目を開ける。
「はい?」
「…耳の中もすごく綺麗…」
「“も”?」
「こほんっ///」
「でも…本当に綺麗…正直、耳掃除いらないんじゃないかなぁ…?」
「やですよ。もっとこうしてたいです。」
「え、えぇ…//」
あまりにもしれっと言うものだから、こちら側がドキドキしてしまう。
「…一応奥の方も見てみるね?」
「はい♪」
流れる時間。密接した距離で感じ取れる互いの呼吸。
あまりにも心地よくて、心が満たされる。
名無しに身を任せている様子の宗次郎がなんだか愛らしかった。
「奥も綺麗……掃除するところが、ない。」
「えー、もっと続けてくださいよ。」
「でも必要以上にしたら傷付いちゃうかもしれないよ。」
「やだ。名無しさん、もっとしてほしい。」
「じゃ、じゃあ……綿棒で耳の中のツボ押ししよっか。」
「わあ、お願いします♪」
(なんだか甘えられてるみたい…宗次郎可愛い//)
「とりあえず外側からやっていくね…?」
「はい。」
再び目を閉じた宗次郎。
ゆっくりと、黙々と名無しは手を動かしていくけれど。
「…っ、」
時々、名無しの耳に届く宗次郎の詰まったような息づかい。時折身体を小刻みに、一瞬揺らす気配。
それは、心なしのもの、無意識のものなのか。
その度に名無しは何か熱が込み上げてくるような感覚に陥り、宗次郎の様子を意識せざるを得なかった。
「ん…」
「……」
「…ふ、っ…」
「……!//」
(な、なんか悪いことしてる気分…!でも…)
「名無しさん……」
「は、はい?」
「そこ、気持ちいいです……」
溜め息とともに発せられる宗次郎の声。
名無しは思わず顔を赤面させた。
「……はい、こっち側終わり。」
「はあ……」
「反対側もしよっか。こっち向…」
「名無しさん~」
「わっ!//あ、危ないって!」
こちらに向かって名無しに抱き付いた宗次郎。
そして上目遣いで名無しを見つめる。
「…物足りないなぁって。」
「えっ??」
「耳なんかだけじゃなくて…もっとこっち、触れてくださいよ。」
にこり、と笑って。いつしか名無しと同じ高さの目線に。
そして名無しの手を取り、誘導するように己の胸に手を付かせる。
「ど、どうしたの…?」
「…名無しさんにもっと触れられたくなっちゃいました。」
「…え、えっ…///」
「ほら、名無しさん、僕に触って…抱きしめてもらえますか。」
目を細めて笑い、名無しをじっと見つめる。
「…っ…///」
「お願いします、名無しさん。」
手に取った名無しの手をそのまま、自分の頬に置かせて。にこりと微笑んだ。
名無しは顔を火照らせ、そして、そっと宗次郎の身体を抱き寄せた。
ふわりと香る、彼の匂いに、ぬくもり。
燻り高まる感情と衝動。
名無しは宗次郎の背中にてのひらを乗せる。
「…」
「宗次郎の身体、あったかいね…//」
「…名無しさんとくっついてるの、好きですね。」
「……私も。」
「…名無しさんの心臓の鼓動、伝わります。」
「っ///」
急に胸と胸が触れ合ってることを意識して名無しは真っ赤になるけれど、すべてを包み込むように、すべてに身を委ねるように、宗次郎は名無しの首元に顔を埋め、名無しの身体を深く抱き込んだ。
──可愛い。あなたにならすべてをさらけ出せる。
愛しい恋人のぬくもりを感じながら。宗次郎は安堵に満ちた笑みを浮かべた。
小春日和と彼の所望
(名無しさん…♪)
(嬉しいんだけど……恥ずかしいなぁ//)
「あ、あの…宗次郎。」
「どうしました、名無しさん。」
「私あまり馴れてなくて。できるだけ優しくするけど、痛くしたらごめんね…?」
「えっと名無しさん、全然それでお願いしたいんですけど、発言に色々と問題があるので今後は気を付けましょうか。」
「は、はい…?」
* * * * *
「じゃあ、始めるね?」
「はーい(名無しさんの膝枕きもちいい…)」
宗次郎は内心そう思っていたが、黙っていた。
名無しの指が宗次郎の顔周りの髪を優しく整え、そして耳に触れる。
(…宗次郎目を瞑ってる…まつげ長いな…)
己の膝で眠るように目を閉じる宗次郎の横顔。そして膝に感じる温もりに少し緊張しながら、名無しは少しずつ触れていく。
「んー…けど宗次郎、」
耳殻を耳かきでなぞりながら。名無しは呟いた。
その声に宗次郎は思わず目を開ける。
「はい?」
「…耳の中もすごく綺麗…」
「“も”?」
「こほんっ///」
「でも…本当に綺麗…正直、耳掃除いらないんじゃないかなぁ…?」
「やですよ。もっとこうしてたいです。」
「え、えぇ…//」
あまりにもしれっと言うものだから、こちら側がドキドキしてしまう。
「…一応奥の方も見てみるね?」
「はい♪」
流れる時間。密接した距離で感じ取れる互いの呼吸。
あまりにも心地よくて、心が満たされる。
名無しに身を任せている様子の宗次郎がなんだか愛らしかった。
「奥も綺麗……掃除するところが、ない。」
「えー、もっと続けてくださいよ。」
「でも必要以上にしたら傷付いちゃうかもしれないよ。」
「やだ。名無しさん、もっとしてほしい。」
「じゃ、じゃあ……綿棒で耳の中のツボ押ししよっか。」
「わあ、お願いします♪」
(なんだか甘えられてるみたい…宗次郎可愛い//)
「とりあえず外側からやっていくね…?」
「はい。」
再び目を閉じた宗次郎。
ゆっくりと、黙々と名無しは手を動かしていくけれど。
「…っ、」
時々、名無しの耳に届く宗次郎の詰まったような息づかい。時折身体を小刻みに、一瞬揺らす気配。
それは、心なしのもの、無意識のものなのか。
その度に名無しは何か熱が込み上げてくるような感覚に陥り、宗次郎の様子を意識せざるを得なかった。
「ん…」
「……」
「…ふ、っ…」
「……!//」
(な、なんか悪いことしてる気分…!でも…)
「名無しさん……」
「は、はい?」
「そこ、気持ちいいです……」
溜め息とともに発せられる宗次郎の声。
名無しは思わず顔を赤面させた。
「……はい、こっち側終わり。」
「はあ……」
「反対側もしよっか。こっち向…」
「名無しさん~」
「わっ!//あ、危ないって!」
こちらに向かって名無しに抱き付いた宗次郎。
そして上目遣いで名無しを見つめる。
「…物足りないなぁって。」
「えっ??」
「耳なんかだけじゃなくて…もっとこっち、触れてくださいよ。」
にこり、と笑って。いつしか名無しと同じ高さの目線に。
そして名無しの手を取り、誘導するように己の胸に手を付かせる。
「ど、どうしたの…?」
「…名無しさんにもっと触れられたくなっちゃいました。」
「…え、えっ…///」
「ほら、名無しさん、僕に触って…抱きしめてもらえますか。」
目を細めて笑い、名無しをじっと見つめる。
「…っ…///」
「お願いします、名無しさん。」
手に取った名無しの手をそのまま、自分の頬に置かせて。にこりと微笑んだ。
名無しは顔を火照らせ、そして、そっと宗次郎の身体を抱き寄せた。
ふわりと香る、彼の匂いに、ぬくもり。
燻り高まる感情と衝動。
名無しは宗次郎の背中にてのひらを乗せる。
「…」
「宗次郎の身体、あったかいね…//」
「…名無しさんとくっついてるの、好きですね。」
「……私も。」
「…名無しさんの心臓の鼓動、伝わります。」
「っ///」
急に胸と胸が触れ合ってることを意識して名無しは真っ赤になるけれど、すべてを包み込むように、すべてに身を委ねるように、宗次郎は名無しの首元に顔を埋め、名無しの身体を深く抱き込んだ。
──可愛い。あなたにならすべてをさらけ出せる。
愛しい恋人のぬくもりを感じながら。宗次郎は安堵に満ちた笑みを浮かべた。
小春日和と彼の所望
(名無しさん…♪)
(嬉しいんだけど……恥ずかしいなぁ//)