短編集
【短編用】名前変換
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「好きです。あなたのことが。」
「……あ、あの、宗次郎、」
「愛しています、名無しさん。」
「~~ッ!//」
無理、無理、無理…!
顔を真っ赤にさせていた名無しだったが、とうとう耐えきれず宗次郎に向かって両腕を突き出し、顔を逸らしたのであった。
「そ、その!もう、無理…っ!」
「無理って…」
嫋やかに宗次郎は名無しの両手首をまとめ上げて引き寄せ、自由に身動きの取れない彼女の下顎をしかと掴んで自分の方へと向かせるのであった。
「わっ!あっ、何するのっ!」
「だって、名無しさんが自分からおねだりしたんじゃないですか。」
じいっと曇りの無い眼で覗き込まれ、名無しは今度は耳元まで真っ赤にさせる。宗次郎はなおも名無しにじっくりと視線を辿らせて。名無しはますます羞恥に震えた。
伸ばされた人差し指が唇の隙間をなぞり上げていく。
「──愛の言葉が欲しいって。」
「そ、そんな風に言ってない…っ//た、ただちょっと好きとか、そういう感じの言葉聞いてみたかったなって…」
「ほぼ同義でしょ。せっかく叶えてあげてるんですから、素直に受け入れてくださいよ。」
「心臓が、もたない…!」
にこっ、と優しく微笑む彼は少し妖しげで。目の当たりにしていると本当にどうにかなってしまいそうで。なおかつ、いつの間にか背中に回されていた腕によって彼の身体に包まれてしまい。
名無しはなおも柔く抗議の言葉を放ったのだけれども──
「はい、黙って。」
「ん、むっ、」
ぐ、と近付いた彼の眼差し。少し首を傾けた彼の顔。かぷ、と覆うように唇を喰まれた。
「…んんっ…//」
「ほら、唇開いて?」
「…!//」
「名無し。」
すり、と優しく後頭部を撫でる指つき。
「……物欲しそうな顔してますけど。」
「!」
「それとも、言葉だけで事足りちゃいました?そうは見えないですけど。」
目を細めて名無しに笑いかけていたけれど、目線の奥に焼け付くような情慾の色を感じ取ってしまって、思わず名無しは唇を真一文字に結んだ。
「これは、僕の思い違いですか?」
「…そっ…その…//」
「ね、最後まで愛させてくださいよ。名無し。」
悪戯そうに微笑むと再度、名無しに唇を重ね付けた。
──やがて我慢を解き放つように宗次郎を受け入れ開いた唇。宗次郎は愛おしげに彼女の身体を手繰り寄せ、口吻を深いものへと移した。
愛の言葉
(可愛いおねだりをいただいて、我慢ができますか。)