短編集
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※宗次郎と同じく戦闘員ヒロイン。
普段宗次郎とは仲良しです。
「…名無しさん、好きです。」
「……っ!?」
突然の囁きにびっくりして、目を開けてしまった。
「……えっ?名無しさん…?」
「…あ…っ…」
…気まずい。気まずい。思わず目を見開いてしまって、宗次郎と視線がぶつかり合ってしまった。
宗次郎の表情が俄に固まって、貼り付いた笑顔を浮かべたまま彼の心許ない声が耳に届く。
──自分の部屋に運ばれ寝かされている私。そして、枕元で正座してこちらを見下ろしていた宗次郎。
…私はというと、実は気を失っていて。
それで寝かされていたのだけど、宗次郎の突然の甘やかな声や言葉が脳に届いてしまい、沈んでいた意識は引き起こされて、驚くままに目を見開いてしまった……
──戦闘で勝ちはしたものの、私は傷を負ってしまい。
気付いた時にはアジトの自室で寝かされていて。多分、一緒に任務に出ていた張さんが連れ帰ってくれたんだと思う。
今に至るまでの記憶は殆どないのだけど、朧気に覚えている場面が一つだけあって。
その記憶にあるのは……アジトに帰還した時、珍しく慌てていた宗次郎の姿や声だ。印象的だったあまり脳裏に焼き付いてしまったほどで。
“あ、心配かけてしまっている、ごめんなさい”と、そんな想いを抱いたことは覚えている。
恐らくその直後にすとん、と意識を手放してしまったのだと思う。
思うに、その後怪我の手当ての手筈を進めてくれて、そして寝かせてくれたのだと思う…
けれどけれど。
まさか宗次郎の告白染みた言葉を……それも自分に向けられたものを聞いてしまうとは…。
「…まさか名無しさん起きてたとは思わなくて…」
肌を俄に火照らせていきながら、意識して落ち着かせたような張り詰めた口調で呟く宗次郎。
「…ううん、さっきまで意識はなくて…。本当に、ついさっきまで。宗次郎の声が聞こえて……起きちゃった…」
「…そっか、そうですか…」
かああ、と頬を一層染め上げる宗次郎。
「…ごめんなさい。それでびっくりして思わず目を開けちゃった…」
俯きながらも身を起こして、宗次郎に身体を向き合わせる──視線は合わせられないのだけど。
……どうしよう、どうしよう。
「……」
「ご、ごめんね…聞かなかったことにしよっか…?//」
「…その必要は、ありませんよ…」
思わず「え?」と声を漏らして宗次郎の顔を見る。
──真っ直ぐこちらを見つめるけれども目元まで真っ赤で。膝の上に乗せている両手はぎゅっと拳を型取っていた。
「改めて言います。」
真剣な眼差し。
「名無しさんが、好きです。」
直後に宗次郎は、少しだけ眉を寄せたけれど。目元は柔らかくて優しくて。
困りながら笑っているようだけど、けれど、意を決した──そんな表情で名無しを見つめた。
「多分以前から…好きだったんだと思います。怪我をして意識のなくなったあなたを見て、僕は気がおかしくなりそうだった…」
「……」
少し震えている宗次郎の手。
はあ、と息を漏らして宗次郎はもう一度名無しを見つめた。
「…すみません、僕も気持ちの整理がついてないまま、こんなこと言ってしまって…僕自身、思わず出てしまった言葉に気付かされたみたいで。変ですよね。
だから……その、今すぐあなたと恋仲になりたいなんて、そんなことはとても言えないけど…。
でも、名無しさんに今はその気がなくても…いつか好きになってもらえるように、頑張りますからね…!」
「…宗次郎…」
「すみません、女性の部屋に長々と…僕はちょっとこれで失礼します…//」
あはは、と照れ臭そうに切なげな笑顔を浮かべて部屋を後にしようとする彼。
──気持ちに理解が追い付いてないのは、
「待って、宗次郎…」
「…っ!」
指先を伸ばす。逃げられてしまいそうだったけど、私の指先は彼の振った袖にかかっていた。
振り返った熱い眼差し。
──気持ちに理解が追い付いてないのは、多分、彼だけではなくて。
「…待って…私も、好き……///」
「えっ?//」
眠れる君に落とした囁きは
(ずっと隠れていた慕情のかけら)
『宗次郎とりあえず…そういうことで…///』
『は、はい…(待ってください、名無しさん、なんて…?//わぁ…どうしよう、どうしたらいいのかな…?//)』
普段宗次郎とは仲良しです。
「…名無しさん、好きです。」
「……っ!?」
突然の囁きにびっくりして、目を開けてしまった。
「……えっ?名無しさん…?」
「…あ…っ…」
…気まずい。気まずい。思わず目を見開いてしまって、宗次郎と視線がぶつかり合ってしまった。
宗次郎の表情が俄に固まって、貼り付いた笑顔を浮かべたまま彼の心許ない声が耳に届く。
──自分の部屋に運ばれ寝かされている私。そして、枕元で正座してこちらを見下ろしていた宗次郎。
…私はというと、実は気を失っていて。
それで寝かされていたのだけど、宗次郎の突然の甘やかな声や言葉が脳に届いてしまい、沈んでいた意識は引き起こされて、驚くままに目を見開いてしまった……
──戦闘で勝ちはしたものの、私は傷を負ってしまい。
気付いた時にはアジトの自室で寝かされていて。多分、一緒に任務に出ていた張さんが連れ帰ってくれたんだと思う。
今に至るまでの記憶は殆どないのだけど、朧気に覚えている場面が一つだけあって。
その記憶にあるのは……アジトに帰還した時、珍しく慌てていた宗次郎の姿や声だ。印象的だったあまり脳裏に焼き付いてしまったほどで。
“あ、心配かけてしまっている、ごめんなさい”と、そんな想いを抱いたことは覚えている。
恐らくその直後にすとん、と意識を手放してしまったのだと思う。
思うに、その後怪我の手当ての手筈を進めてくれて、そして寝かせてくれたのだと思う…
けれどけれど。
まさか宗次郎の告白染みた言葉を……それも自分に向けられたものを聞いてしまうとは…。
「…まさか名無しさん起きてたとは思わなくて…」
肌を俄に火照らせていきながら、意識して落ち着かせたような張り詰めた口調で呟く宗次郎。
「…ううん、さっきまで意識はなくて…。本当に、ついさっきまで。宗次郎の声が聞こえて……起きちゃった…」
「…そっか、そうですか…」
かああ、と頬を一層染め上げる宗次郎。
「…ごめんなさい。それでびっくりして思わず目を開けちゃった…」
俯きながらも身を起こして、宗次郎に身体を向き合わせる──視線は合わせられないのだけど。
……どうしよう、どうしよう。
「……」
「ご、ごめんね…聞かなかったことにしよっか…?//」
「…その必要は、ありませんよ…」
思わず「え?」と声を漏らして宗次郎の顔を見る。
──真っ直ぐこちらを見つめるけれども目元まで真っ赤で。膝の上に乗せている両手はぎゅっと拳を型取っていた。
「改めて言います。」
真剣な眼差し。
「名無しさんが、好きです。」
直後に宗次郎は、少しだけ眉を寄せたけれど。目元は柔らかくて優しくて。
困りながら笑っているようだけど、けれど、意を決した──そんな表情で名無しを見つめた。
「多分以前から…好きだったんだと思います。怪我をして意識のなくなったあなたを見て、僕は気がおかしくなりそうだった…」
「……」
少し震えている宗次郎の手。
はあ、と息を漏らして宗次郎はもう一度名無しを見つめた。
「…すみません、僕も気持ちの整理がついてないまま、こんなこと言ってしまって…僕自身、思わず出てしまった言葉に気付かされたみたいで。変ですよね。
だから……その、今すぐあなたと恋仲になりたいなんて、そんなことはとても言えないけど…。
でも、名無しさんに今はその気がなくても…いつか好きになってもらえるように、頑張りますからね…!」
「…宗次郎…」
「すみません、女性の部屋に長々と…僕はちょっとこれで失礼します…//」
あはは、と照れ臭そうに切なげな笑顔を浮かべて部屋を後にしようとする彼。
──気持ちに理解が追い付いてないのは、
「待って、宗次郎…」
「…っ!」
指先を伸ばす。逃げられてしまいそうだったけど、私の指先は彼の振った袖にかかっていた。
振り返った熱い眼差し。
──気持ちに理解が追い付いてないのは、多分、彼だけではなくて。
「…待って…私も、好き……///」
「えっ?//」
眠れる君に落とした囁きは
(ずっと隠れていた慕情のかけら)
『宗次郎とりあえず…そういうことで…///』
『は、はい…(待ってください、名無しさん、なんて…?//わぁ…どうしよう、どうしたらいいのかな…?//)』