郵便少女
【短編用】名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
志々雄さんの手紙を責任を持って届けたり、管理したり、時には使者をやったりするのが名無しの仕事。
「あれ?名無し、今日は用事ですか?」
今日の名無しはいつもの着物に下駄ではなく、丈が短く袖が小さい着物に鞋を身につけていた。つまり、軽装重視の服装。
「あ、うん!志々雄さんに速達で郵便頼まれちゃって。」
「速達ですか、珍しいですね。」
「だよねー。それだけ今は大変ってことなんだね!」
髪を束ねながら、名無しは鼻歌を歌う。嬉しそうだなぁ。
「志々雄さんのためにも!全力疾走で届けなきゃ!やるわよー!」
「意気込み充分ですね。」
「そうなの!志々雄さんからの命令だし、久しぶりに私自ら行う配達だし!うきうき!」
「ふふ、よかったですね。」
るんるん♪と鞋を結ぶ名無しを見てると、なんだかやる瀬ない気分になってくるなぁ…。だってどんなに速くても、1日は帰ってこれないでしょう?名無しは使命に燃えてるから大丈夫だろうけど、僕は名無しに会えなくなって、寂しい思いをしなくちゃいけなくて…
「…宛先はどこまでなんですか?」
「ん?陸奥!」
…めちゃくちゃ遠いじゃないですか。
「でも、私には宗次郎仕込みの縮地があるもんね♪まあ、そりゃあ完璧にはまだ至らないけど、縮地三歩前のレベルだから大丈夫!」
…縮地なんて教えるんじゃなかったなぁ。
「…はは、心強いですね。」
「飛ばせば多分、1週間くらいで帰ってこれるよ♪」
…え?…名無し、今なんて言いました?…1週間?え、1週間って…7日じゃないですか…!7日も名無しに会えなくなっちゃうんですか!?…お願いですから、冗談だと言ってください…
「…あり?なんか宗次郎、元気ないね?どうしたの?」
「…1週間も名無しに会えなくなっちゃうなんて、寂しいです…寂しすぎます…」
「う、うん…でも…」
「…僕も一緒に行きます。」
「え!?そ、それはまずいんじゃないかなぁ…?宗次郎は志々雄さんから色々仕事預かるだろうし…」
「…名無し…」
「…ね?…私だって宗次郎と離れちゃうのは寂しくて嫌だけど…」
名無しは哀しそうに目を潤ませた。
「…」
「仕方ないよ、ね?」
…会えなくなっちゃうのなら…
「宗次郎…我慢して、っ、きゃあっ!」
名無しを組み敷くと、叫び声を上げた。
ふふv名無しにとっても、僕にとっても最善のことを思いついたんですよ、名無し♪
「名無しv僕いいこと思いついたんです♪」
「な、なに…??」
笑顔でこう囁いてあげる。
「一週間分、今から愛し合いましょう…」
「…!や、だめだって、宗次郎っ」
「名無しの『やだ』は『いい』ってことでしょ?」
「ちょ、ちょっと待って待って!//」
「問答無用ですv」
「きゃああっ///」
郵便少女の悩みの種はどんどん増える一方である。
「名無し、行ってらっしゃい♪」
「うぅぅ、宗のバカ…!//」
「帰ってきたらまた愛し合いましょうv」
(…てか、腰痛めたから縮地使えないよ、一週間で帰ってこれないよ~…!)
E N D