郵便少女

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志々雄さんの手紙を責任を持って届けたり、管理したり、時には使者をやったりするのが名無しの仕事。


「おはようございます、名無し♪」

「あ、宗次郎おはよ!」


廊下を歩いてると、手紙の束を持った名無しと出くわした。


「あれ?今日は手紙少ないんですね?」

「そうなのー!今日はいっぱい遊べるね♪」

「あ。すみません、僕は今から仕事頼まれてまして。いつ終わるかわからないんですよ。」

「そっかぁー、残念…また遊ぼうね!」

「ええv」


残念だなぁ…。まぁ終わったら、名無しをなでなでしてぎゅっとしてよしよししてちゅーしようv夜は長いんだし…v






「今日は手紙が二十通だけか。えーと、これとこれは方治さん宛てでいいよね。…!お、宇水さんの手紙!志々雄さん宛て!…どうせ復讐のことしか書いてないだろうし、わかり切ってるんだから、捨ててもいいか♪まぁ一応確認、確認。」


封を切ると、ふちが目マーク羅列の便箋が出て来た。


「がーん趣味悪っ!キモイキモイキモイ!もう捨てていいや!」


汚物のように摘み、封筒ごとポイッ。どこからかハンカチを取り出して手をゴシゴシ。


「さて。…あっ!鎌足さんの手紙だ!志々雄さんへのラブレターだろうな♪さすがに親しい人だし、ちょっと見るのは…はばかれるなぁ。」


志々雄さん宛ての箱に入れる。が。


「ちょっとだけ!ちょっとだけ透かして見るくらいなら!」


好奇心が勝り、わくわくしながら明かりに透かしてみた。


「!わぎゃっ!///」


思わず放り出してしまい、慌てて拾った。


「ききき、キスマークいっぱいあった…///」


顔を真っ赤にしながら、どこか震えている名無し。しばし手紙を持ったまま固まっていたが、いらない用の箱に入れた。


「鎌足さんに怒られるのは怖い!でも、志々雄さんに怒られる方がもっと怖い!!」


はぁ、と溜息をつき、再度手紙の選別に取り掛かる。


「これは、方治さん宛て。これは…あ、ラブレター。ハートのシールついてる。って、宗次郎宛て!?」


宛先の名前は、なんと宗次郎の名前だった。


「やだ!やだやだやだ!宗次郎は私の!」


即座にいらない用に選別した。


「んもぅ!まったく、あの0円スマイルには困ったもんだ!」


ぶつくさ言いながら、次の手紙に手をかけた。そして、目を見開く。


「え!?また来たよ!宗次郎宛てのラブレター!!え、もう一通ある!!」


次々と出て来る宗次郎へのラブレター。名無しはわなわなと肩を震わせた。


「だいたい!この国取りの忙しい時期ににラブレターなんざ送ってくるんじゃないよ、もう!てめーらそれでも志々雄さんの手下かぁぁぁ!!」

名無しー♪」


ダンダンっと手紙を踏み付けていると、宗次郎が扉を開けた。


「宗次郎!?あれ、仕事は?」

「早く終わっちやいましたv何してるんです?」

「何もくそも!宗次郎宛てにいっぱいラブレター来てるの!!」

「本当ですか?照れるなぁv」

「じゃなくて!その笑顔なんとかならないの!むやみやたらにすまいるしてフェロモン振り撒くんじゃない!!」

「ふふ♪名無し、やきもちですか?」

「…わ、悪い?」

「いいえ♪」


ラブレターを手にし、まっすぐ名無しの瞳を見つめる。


名無しが僕を好きって言ってくれるだけで、僕は胸がいっぱいですv」

「宗次郎…//」

「僕の心は名無しの気持ちだけで埋まっちゃってて隙間がないんですv…だからこのラブレターは受け取れません。僕の心をいっぱいにしちゃったのは名無しですから、名無しが責任持って受け取ってください。」

「…う、ん///」


こくり、と頷き、名無しはラブレターを受け取った。



郵便少女がやきもきする日々は続いていく。





「でも…あんまり他の女の人を引き付けないでほしいな。」

「どうして?」

「だって…」

名無しv」

--ちゅっ

「そ、宗///」

「僕のキスを味わえるのは名無しだけですから。心配しないでください。」

「う、うん…///」






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