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ここは東京のどこかとある街


東京のキラキラとしたイメージと裏腹、ここは陰湿な雰囲気が漂う



特に異臭を放っているでかい屋敷のような建物の前に止まった、水色のかわいらしいバンが場違いのように思える




バンから1人、スーツを着た男が出てきた


胸には黒色のチーフが入っている


暗闇の中、男の後ろの三日月がやけに映える。



屋敷の前の見張り人といったところであろう、龍のような模様が入った上下のパーカーを着てグラサンをかけたコワモテの男が怪しげにスーツの彼をみる



「会長に挨拶しにきました。これ。」



そう言って彼は招待状であろうものを胸から出した



その招待状にはパーカーの柄と同じ龍のようなものが描かれてあった



コワモテの男は会長がこんなみるからにホストみたいな奴に会うのかとさらに怪しく思ったが


龍のような絵柄はこの成龍会（せいりゅうかい）でしか描かれないものだ




本物の招待状だと確認すると安心し

半歩体を傾け彼を通そうとした




それが油断した瞬間だった




プシュッとどこからか音が聞こえ

息を吸った瞬間





トサッ




コワモテの男は意識を失い彼に抱きかかえられていた




「油断したね、おにーさん」




彼はニヤリとそう一言告げると





門より中に入りコワモテの男を地面に捨てた







するとバンから同じスーツを着た男が5人降りてきた


「ヒュー♪ やっぱ決まるなあ、nuvola（ヌヴォラ）は」

「calma（カルマ）のこれすごすぎじゃね」



胸にはそれぞれのカラーのチーフが入っている




その中の1人がしゃがみ込んで倒れている男のサングラスを取った


「わ、nuvolaちゃんとみた？こいつオッサンだよ」

「あ、ほんとだオッサンだった」




この状況でそんなことが気になる人はいるのだろうか



バンの中に残っている1人がたまらず指示を出す


『えーと、tempesta（テンペスタ）、オッサンかどうかはいいから早く中に入ってくれる？
nuvolaは戻っておいで、お疲れ様』




バンに残っている1人もまた同じスーツを着てチーフを胸に入れている





バンに戻ってきた彼はたまらず疑問を口にする


「これ、俺が行く意味あったっすか」


この疑問に答えが来たのは口にして一秒もたたないほど


屋敷に入ったであろう5人の男からイヤモニで、横にいるバンに残っている男からは直接




皆が口を揃えて







『顔がいいからに決まってんじゃん』
　







彼は納得のいかない顔をしたまま


「はあ…」



とため息をつくしかなかった





__顔が良ければ全て良しってね







〈nuvola（ヌヴォラ）〉REN MEGURO
イタリア語で雲
「NEVE（ネーヴェ）」の演技班であり、自慢のルックスで女性を口説き様々な情報を入手する。時々ルックスだけで仕事に駆り出される場合あり。一応武術も得意だがメンバーから顔に傷がついたらどうするんだとやらせてもらえない。実はかなりのアホ。


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