みやこおち
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ついに新学期、私の転入の日がやってきた。
担任の先生に連れられて、3年B組の教室に入る。
「氷帝学園から来ました、藤森美春です。よろしくお願いします!」
クラス中に注目されて少し緊張してしまった。まぁ無難だけど元気に挨拶できたしいいか。
「あのー、お父さんの会社が倒産したって本当ですか!?」
パチパチと拍手が起こる中、1人の男の子が手を挙げながらそんなことを言ってきた。
「ちょっと、やめなさいよ!」と「バカじゃないの!?」と女の子たちから声が上がる。
嘘でしょ…やめてよ!!
それ私の持ちネタなんだからね?
先に言われるとは思わなかった!
というか、この様子だとみんな噂では聞いてるみたいだなぁ。
女の子たちが気を使って注意してるくらいだし。
「本当です。でも大丈夫ですよ!私も一時は食べられる雑草を見分ける訓練でもしようかと思ったんですけど…普通にごはんも食べてるし、そこそこの暮らしはできてます。みなさんが思ってるほどではないですよ!」
だから気を使わないでね、という意味で親指をグッと立てる。
「ブフッ」と誰かが吹き出した。
それを機にクラス中が笑いに包まれる。
やばい、なんか変なこと言っちゃったかな。
休み時間になると、クラスメイトが代わる代わる私のところに来てくれて、自己紹介をしたり学校のことを教えてくれた。
みんな友好的で親切だ。
「俺は仁王雅治じゃ、よろしく」
「丸井ブン太、シクヨロ!」
「仁王くんと丸井くんね、よろしく」
「ずいぶん面白い転校生が入ったのう」
「うぅ…自分で言うのもなんだけどさ、箱入り娘どころか箱入り×10くらいのマトリョーシカ使用の環境で育って来てしまったせいで、一般常識が欠如してるんだよね…。だから大目に見てほしい」
2人が顔を見合わせて笑い出す。そんなお腹を抱えて笑わなくても…。
この人達は親切というよりもただ面白がっているだけだと思うけど、学校の中を案内してくれるというのでついて行った。
おしゃべりをしながら、広い敷地を回る。
「藤森は何か部活やってたのか?」
「ううん、私は習い事で予定がいっぱいで、部活はできなかったの。バレエとピアノと英会話と茶道、花道とか。色々やったなぁ」
「お嬢様も案外大変なんじゃのう」
「今は全部やめたけどね。これからは好きなことできるよ。あ、仁王くんと丸井くんは何部なの?」
「俺も仁王もテニス部だぜ」
「へぇ〜立海のテニス部って強いんだよね!跡部から聞いたことあるよ」
「まぁのう、今年は全国三連覇狙っとるぜよ」
「すごいね。2人については、第一印象:髪の主張と喋り方のクセが強い、から、テニスも強いっていう新情報が追加されたよ」
「第一印象酷すぎるだろぃ!」
一通り回って教室に帰ると、「あ、やっと帰ってきた!」と数人の女の子たちに囲まれた。
「あんたたちばっかり藤森ちゃんを独占してんじゃないわよ」と言われ、仁王くんと丸井くんはタジダジになっていた。
どうやらこのクラスは女子勢の力が強いらしい。
「今日ね、放課後藤森ちゃんの歓迎をやろうと思うんだけどどうかな?」
「わ、嬉しい。ぜひぜひ!」
「よかった!急だから全員は無理だと思うけど、クラスのみんなに声かけてみるわ。丸井と仁王はどう?」
「今日は部活もないし俺は行けるぜ」
「同じく。ピヨッ」
急遽決まったというのに、私の歓迎会にはクラスの半分くらいの子たちが来てくれた。
場所は学校の近くのファミレスだった。
実を言うと、これが人生初めてのファミレス体験だ。
嬉しくてついそわそわしてしまう。
「わぁ、和食も洋食も中華もあるんだね。迷っちゃうなぁ。ん?ドリンクバーってなに?」
「え?藤森ちゃんドリンクバー知らないの!?」
「まさかファミレス自体来たことないとか?」
「…お恥ずかしながら」
「お前さんは天然記念物か」
結局迷いに迷ってオムライスを注文し、みんなと一緒にドリンクバーに向かった。
ドリンクバーはすごかった。
1つの機械からコーヒーもお茶もジュースも出てくるなんて!
みんなの真似をして、氷を入れたグラスをセットし、ドキドキしながらボタンを押す。
丸井くんが横から「そんなキラキラした目でジュース入れてる奴初めて見た…!」と爆笑しながら写真を撮っていた。
「はい、じゃあ藤森ちゃんの転入を歓迎して…かんぱーい!」
「「「かんぱーい!」」」
カチン、カチンとみんなとグラスを当てて、ジュースを飲んだ。
丸井くんのおススメでオレンジジュースとアイスティーを混ぜてみたんだけど、これが意外と美味しくて感動した。
「どうじゃ、初めてのファミレスは?」
「すごく楽しいね!私、友達と放課後にファミレス行くのって夢だったんだ。みんな本当にありがとう。今日のこと一生忘れないと思う!」
照れながらそう言うと、みんなが驚いた顔をした。
しまった、私また変なこと言ったかなぁ。
心配になっていると、両隣の女の子に抱きしめられた。
「藤森ちゃん…!なんて可愛いの!!」
「私たち藤森さんの行きたいところどこでも行くよ!」
「本当?じゃあ今度クレープが食べてみたいな」
「行こう行こう!」
みんな優しいなぁ。
嬉しくて笑っていると、「たしかにさっきのはキュンとしたぜよ。藤森はかわいいのぅ」と仁王くんに頭を撫でられた。
仁王くんは「どさくさに紛れて触ってんじゃないわよ!」と女の子たちにど突かれて、うらめしそうな顔をしていた。
〜はじめてのファミレス〜
『もしもし跡部』
『ああ美春か。どうだ、そっちの学校には馴染めそうか?』
『うん大丈夫そう!今日はクラスの子達とファミレスに行ったよ。跡部はファミレスって行ったことある?』
『アーン?噂には聞いてるが、実際に行ったことはねぇな』
『すごいんだよ!ドリンクバーっていうのがあったね、自分で飲み物を調合するの。混ぜたりしてね』
『なに?ドリンクバー…面白いじゃねーの。さっそく明日忍足たちを連れて行ってみるぜ』
担任の先生に連れられて、3年B組の教室に入る。
「氷帝学園から来ました、藤森美春です。よろしくお願いします!」
クラス中に注目されて少し緊張してしまった。まぁ無難だけど元気に挨拶できたしいいか。
「あのー、お父さんの会社が倒産したって本当ですか!?」
パチパチと拍手が起こる中、1人の男の子が手を挙げながらそんなことを言ってきた。
「ちょっと、やめなさいよ!」と「バカじゃないの!?」と女の子たちから声が上がる。
嘘でしょ…やめてよ!!
それ私の持ちネタなんだからね?
先に言われるとは思わなかった!
というか、この様子だとみんな噂では聞いてるみたいだなぁ。
女の子たちが気を使って注意してるくらいだし。
「本当です。でも大丈夫ですよ!私も一時は食べられる雑草を見分ける訓練でもしようかと思ったんですけど…普通にごはんも食べてるし、そこそこの暮らしはできてます。みなさんが思ってるほどではないですよ!」
だから気を使わないでね、という意味で親指をグッと立てる。
「ブフッ」と誰かが吹き出した。
それを機にクラス中が笑いに包まれる。
やばい、なんか変なこと言っちゃったかな。
休み時間になると、クラスメイトが代わる代わる私のところに来てくれて、自己紹介をしたり学校のことを教えてくれた。
みんな友好的で親切だ。
「俺は仁王雅治じゃ、よろしく」
「丸井ブン太、シクヨロ!」
「仁王くんと丸井くんね、よろしく」
「ずいぶん面白い転校生が入ったのう」
「うぅ…自分で言うのもなんだけどさ、箱入り娘どころか箱入り×10くらいのマトリョーシカ使用の環境で育って来てしまったせいで、一般常識が欠如してるんだよね…。だから大目に見てほしい」
2人が顔を見合わせて笑い出す。そんなお腹を抱えて笑わなくても…。
この人達は親切というよりもただ面白がっているだけだと思うけど、学校の中を案内してくれるというのでついて行った。
おしゃべりをしながら、広い敷地を回る。
「藤森は何か部活やってたのか?」
「ううん、私は習い事で予定がいっぱいで、部活はできなかったの。バレエとピアノと英会話と茶道、花道とか。色々やったなぁ」
「お嬢様も案外大変なんじゃのう」
「今は全部やめたけどね。これからは好きなことできるよ。あ、仁王くんと丸井くんは何部なの?」
「俺も仁王もテニス部だぜ」
「へぇ〜立海のテニス部って強いんだよね!跡部から聞いたことあるよ」
「まぁのう、今年は全国三連覇狙っとるぜよ」
「すごいね。2人については、第一印象:髪の主張と喋り方のクセが強い、から、テニスも強いっていう新情報が追加されたよ」
「第一印象酷すぎるだろぃ!」
一通り回って教室に帰ると、「あ、やっと帰ってきた!」と数人の女の子たちに囲まれた。
「あんたたちばっかり藤森ちゃんを独占してんじゃないわよ」と言われ、仁王くんと丸井くんはタジダジになっていた。
どうやらこのクラスは女子勢の力が強いらしい。
「今日ね、放課後藤森ちゃんの歓迎をやろうと思うんだけどどうかな?」
「わ、嬉しい。ぜひぜひ!」
「よかった!急だから全員は無理だと思うけど、クラスのみんなに声かけてみるわ。丸井と仁王はどう?」
「今日は部活もないし俺は行けるぜ」
「同じく。ピヨッ」
急遽決まったというのに、私の歓迎会にはクラスの半分くらいの子たちが来てくれた。
場所は学校の近くのファミレスだった。
実を言うと、これが人生初めてのファミレス体験だ。
嬉しくてついそわそわしてしまう。
「わぁ、和食も洋食も中華もあるんだね。迷っちゃうなぁ。ん?ドリンクバーってなに?」
「え?藤森ちゃんドリンクバー知らないの!?」
「まさかファミレス自体来たことないとか?」
「…お恥ずかしながら」
「お前さんは天然記念物か」
結局迷いに迷ってオムライスを注文し、みんなと一緒にドリンクバーに向かった。
ドリンクバーはすごかった。
1つの機械からコーヒーもお茶もジュースも出てくるなんて!
みんなの真似をして、氷を入れたグラスをセットし、ドキドキしながらボタンを押す。
丸井くんが横から「そんなキラキラした目でジュース入れてる奴初めて見た…!」と爆笑しながら写真を撮っていた。
「はい、じゃあ藤森ちゃんの転入を歓迎して…かんぱーい!」
「「「かんぱーい!」」」
カチン、カチンとみんなとグラスを当てて、ジュースを飲んだ。
丸井くんのおススメでオレンジジュースとアイスティーを混ぜてみたんだけど、これが意外と美味しくて感動した。
「どうじゃ、初めてのファミレスは?」
「すごく楽しいね!私、友達と放課後にファミレス行くのって夢だったんだ。みんな本当にありがとう。今日のこと一生忘れないと思う!」
照れながらそう言うと、みんなが驚いた顔をした。
しまった、私また変なこと言ったかなぁ。
心配になっていると、両隣の女の子に抱きしめられた。
「藤森ちゃん…!なんて可愛いの!!」
「私たち藤森さんの行きたいところどこでも行くよ!」
「本当?じゃあ今度クレープが食べてみたいな」
「行こう行こう!」
みんな優しいなぁ。
嬉しくて笑っていると、「たしかにさっきのはキュンとしたぜよ。藤森はかわいいのぅ」と仁王くんに頭を撫でられた。
仁王くんは「どさくさに紛れて触ってんじゃないわよ!」と女の子たちにど突かれて、うらめしそうな顔をしていた。
〜はじめてのファミレス〜
『もしもし跡部』
『ああ美春か。どうだ、そっちの学校には馴染めそうか?』
『うん大丈夫そう!今日はクラスの子達とファミレスに行ったよ。跡部はファミレスって行ったことある?』
『アーン?噂には聞いてるが、実際に行ったことはねぇな』
『すごいんだよ!ドリンクバーっていうのがあったね、自分で飲み物を調合するの。混ぜたりしてね』
『なに?ドリンクバー…面白いじゃねーの。さっそく明日忍足たちを連れて行ってみるぜ』