魔女と王子様
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今日は精市くんから電話がかかってきた。
学校で会えなかった日は必ずかかってくるのだ。
「今日は、怪我とかしてない?」と聞かれたので、「…うん、だ、大丈夫だよ」と少し濁して答えた。
“酷いことをされて傷ついたのに、気を使って本当のことを言わない健気な幼馴染”
精市くんにはそう映ったのだろう、「美春は大丈夫ばっかりだね…」と悲しそうに呟いた。
まぁ実際のところは本当に大丈夫だった。
今日は囲まれて悪口を浴びせられたくらいで、手は出されていない。
一応泣いているフリはしていたけど、興味がなくて悪口の内容もほぼ覚えてないし。
「守ってやれなくて、ごめん」
「精市くんは何も悪くないよ」
「何もできない自分が悔しいんだ。俺があの子達に注意しても、悪化するかもしれないし…」
「ううん、いつも私の味方でいてくれるだけで心強いよ。ありがとう」
「美春、信じられないかもしれないけど、アイも美春の味方だよ。アイもグループ内で上手くやることに必死で、表立って美春を助けられないみたいだけど…いつも美春のこと心配してるんだ」
「そっか…私、アイちゃんのこと信じるよ。いつかアイちゃんと友達になれたらいいなぁ」
「きっとなれるさ」
精市くん、たしかにアイちゃんは良い子だよね。
でもね、どんなに良い子でも不満が溜まっていけばいつか爆発する時がくるよ。
自分の彼氏に甘えてばっかりの幼馴染の女になんとも思わないかな?
しかもスクールカースト最底辺の女だよ?
それに精市くんは心配性だから、アイちゃんに私の様子をしょっちゅう聞いてるんじゃない?
私が大丈夫しか言わないから、アイちゃんに本当のことを聞くために。
せっかくのデート中にも、私の話するんでしょう。
あーあ。
今だって、アイちゃんとの時間つくらないで私と長電話してていいの?
いや、大丈夫か。
だってアイちゃんは“私の味方”だもんね?
それからもいじめは続いた。
相変わらずアイちゃんは何もしてこなかった。
だけどある日、蹴られて倒れこむ私を見て、いい気味だというような目でほんの一瞬笑ったのだ。
それ見逃さなかった私は、そろそろ仕掛け時かなぁと心の中でほくそ笑んだ。
学校で会えなかった日は必ずかかってくるのだ。
「今日は、怪我とかしてない?」と聞かれたので、「…うん、だ、大丈夫だよ」と少し濁して答えた。
“酷いことをされて傷ついたのに、気を使って本当のことを言わない健気な幼馴染”
精市くんにはそう映ったのだろう、「美春は大丈夫ばっかりだね…」と悲しそうに呟いた。
まぁ実際のところは本当に大丈夫だった。
今日は囲まれて悪口を浴びせられたくらいで、手は出されていない。
一応泣いているフリはしていたけど、興味がなくて悪口の内容もほぼ覚えてないし。
「守ってやれなくて、ごめん」
「精市くんは何も悪くないよ」
「何もできない自分が悔しいんだ。俺があの子達に注意しても、悪化するかもしれないし…」
「ううん、いつも私の味方でいてくれるだけで心強いよ。ありがとう」
「美春、信じられないかもしれないけど、アイも美春の味方だよ。アイもグループ内で上手くやることに必死で、表立って美春を助けられないみたいだけど…いつも美春のこと心配してるんだ」
「そっか…私、アイちゃんのこと信じるよ。いつかアイちゃんと友達になれたらいいなぁ」
「きっとなれるさ」
精市くん、たしかにアイちゃんは良い子だよね。
でもね、どんなに良い子でも不満が溜まっていけばいつか爆発する時がくるよ。
自分の彼氏に甘えてばっかりの幼馴染の女になんとも思わないかな?
しかもスクールカースト最底辺の女だよ?
それに精市くんは心配性だから、アイちゃんに私の様子をしょっちゅう聞いてるんじゃない?
私が大丈夫しか言わないから、アイちゃんに本当のことを聞くために。
せっかくのデート中にも、私の話するんでしょう。
あーあ。
今だって、アイちゃんとの時間つくらないで私と長電話してていいの?
いや、大丈夫か。
だってアイちゃんは“私の味方”だもんね?
それからもいじめは続いた。
相変わらずアイちゃんは何もしてこなかった。
だけどある日、蹴られて倒れこむ私を見て、いい気味だというような目でほんの一瞬笑ったのだ。
それ見逃さなかった私は、そろそろ仕掛け時かなぁと心の中でほくそ笑んだ。