第一章 蒼と青の世界
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
到着したのは、数隻の船が並んだ小さな港。
"スワロー島"
花が咲き誇る故郷の島とは違い、雪に覆われた幻想的な街並み。
「キレイだけど…寒い…」
産まれて初めての雪国。
体験したことのない寒さに耐えられず、私は先ず防寒用のコートを探しに向かった。
有難いことに、港から街までは一本道。
迷うこともなく、賑やかな商店街に到着した。
様々なジャンルの洋服屋がずらりと軒を連ねる中、不意に目に止まったショーウィンドウ。
「可愛い…!」
ふわふわと上空に浮かぶ雲のような、真っ白のコートを見つけ、私は迷わず購入した。
「有難う御座いました!」
「こちらこそっ」
爽やかな笑顔の店員さんに微笑み返し、上機嫌で店を後にした。
ふと見上げた空から舞い落ちる、白い結晶。
「わぁ…雪だ…」
初めて見る雪は余りにも美しく、心が弾む。
街の中央にあるベンチに腰掛け、落ちては溶ける結晶を掌で受け止めながら、それを眺めていた。
「凄くキレイ…」
つい時間を忘れ夢中になっていた私は、日が落ち始めた事に気付き、慌てて立ち上がった。
「大変…もうこんな時間!」
幼馴染を探すため、街での拠点が必要だったので、暗くなる前に急いで宿を探す事にした。
大通りから少し外れた先に、小さな古い宿を見つけ駆け寄った私。
「おや、いらっしゃい!お嬢ちゃん一人かい?」
恐る恐る中へ入ると、カウンターの奥から、気の良さそうな中年女性が顔を出した。
「あっはい…すみません、部屋は空いてますか?」
ニカッと気持ちの良い笑顔を見せた女将さん。
「こっちだよ!ついておいで!」
拠点をこの宿に決めた私は、彼女の後ろを足早に追い掛けた。
「若い女の子が泊まるには、ちょっと汚い部屋だけど…安くしとくから我慢しておくれよ」
木造作りの古い建物で、案内された部屋は確かに少し埃っぽかったけれど、長い船旅の疲れを癒せるだけでも、有難いこと。
「大丈夫です…お世話になります」
「そうかい!よかった! ゆっくりしていきな」
丁寧にお辞儀をして顔を上げると、女将は嬉しそうに微笑み、その場を後にした。
「ふゥ…ちょっとだけ、休もう…」
荷物を下ろし、コートを壁に掛け部屋を見渡す。
中央に少し固そうなベットを見つけ、静かに横たわる。
余程疲れていたのか、私は直ぐに意識を手放した。
「カイル…どこ…に…るの…」
夢の中に現れた幼馴染は、何事もなかったかのように優しい笑みを浮かべている。
深い眠りに落ちた私は、翌朝まで目覚める事はなかった。
"スワロー島"
花が咲き誇る故郷の島とは違い、雪に覆われた幻想的な街並み。
「キレイだけど…寒い…」
産まれて初めての雪国。
体験したことのない寒さに耐えられず、私は先ず防寒用のコートを探しに向かった。
有難いことに、港から街までは一本道。
迷うこともなく、賑やかな商店街に到着した。
様々なジャンルの洋服屋がずらりと軒を連ねる中、不意に目に止まったショーウィンドウ。
「可愛い…!」
ふわふわと上空に浮かぶ雲のような、真っ白のコートを見つけ、私は迷わず購入した。
「有難う御座いました!」
「こちらこそっ」
爽やかな笑顔の店員さんに微笑み返し、上機嫌で店を後にした。
ふと見上げた空から舞い落ちる、白い結晶。
「わぁ…雪だ…」
初めて見る雪は余りにも美しく、心が弾む。
街の中央にあるベンチに腰掛け、落ちては溶ける結晶を掌で受け止めながら、それを眺めていた。
「凄くキレイ…」
つい時間を忘れ夢中になっていた私は、日が落ち始めた事に気付き、慌てて立ち上がった。
「大変…もうこんな時間!」
幼馴染を探すため、街での拠点が必要だったので、暗くなる前に急いで宿を探す事にした。
大通りから少し外れた先に、小さな古い宿を見つけ駆け寄った私。
「おや、いらっしゃい!お嬢ちゃん一人かい?」
恐る恐る中へ入ると、カウンターの奥から、気の良さそうな中年女性が顔を出した。
「あっはい…すみません、部屋は空いてますか?」
ニカッと気持ちの良い笑顔を見せた女将さん。
「こっちだよ!ついておいで!」
拠点をこの宿に決めた私は、彼女の後ろを足早に追い掛けた。
「若い女の子が泊まるには、ちょっと汚い部屋だけど…安くしとくから我慢しておくれよ」
木造作りの古い建物で、案内された部屋は確かに少し埃っぽかったけれど、長い船旅の疲れを癒せるだけでも、有難いこと。
「大丈夫です…お世話になります」
「そうかい!よかった! ゆっくりしていきな」
丁寧にお辞儀をして顔を上げると、女将は嬉しそうに微笑み、その場を後にした。
「ふゥ…ちょっとだけ、休もう…」
荷物を下ろし、コートを壁に掛け部屋を見渡す。
中央に少し固そうなベットを見つけ、静かに横たわる。
余程疲れていたのか、私は直ぐに意識を手放した。
「カイル…どこ…に…るの…」
夢の中に現れた幼馴染は、何事もなかったかのように優しい笑みを浮かべている。
深い眠りに落ちた私は、翌朝まで目覚める事はなかった。