第一章 蒼と青の世界
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「凄ェ…かっこいい…」
船長が用意した新しい服『ツナギ』に袖を通し、瞳を輝かせるシャチ。
「悪くないな…」
ペンギンも、満足気に口角を上げている。
「ちょっと…恥ずかしい気もするけど…動きやすいよ」
「おォ! イルカ、似合ってるな!」
普段クールな少女は、少し照れている様子でクジラと一緒に体を動かしている。
「おれのサイズもあったんだね〜!よかった〜」
サイズが合うのかどうか、少し心配していたベポも、無事に着れたようで安心した。
「うん!やっぱりこの色にして正解!」
暖かい、陽だまりの色。
仲間のイメージカラーは “オレンジ” 。
そして、色違いでもう一色。
私達、ハート海賊団の始まりは真っ白な雪の中。
初心を忘れないように、白いツナギも用意した。
「気に入ってくれて良かったねッ」
嬉しそうな皆の姿に笑みが溢れる。
「ああ〜!キャプテンも凄くかっこいい! これは着ないの〜?」
首を傾げたベポ。
ツナギは着ずに同じ旗のマークを刺繍した黄色いᎢシャツに袖を通したロー。
「おれは着ねェよ…」
愛用しているモコモコの白い帽子を深く被り直す。
仲間全員の顔を見渡した彼は、悪い笑みを浮かべる。
「お前達に最後のチャンスを与えてやる…ここから先は、二度と後ろを見ねェ」
背後には満天の星空。
「覚悟のない奴は要らねェ…迷いがある奴は今すぐ船を降りろ」
少し肌寒い夜風が、私達の間を静かに吹き抜ける。
「おれにはやるべき事がある…成し遂げるには、お前達を巻き込む事になる」
帽子を脱ぎ、全員の目を真っ直ぐ見据える少年。
「命の保証も出来ねェが、一つだけ誓ってやる」
私達は息を呑み、次の言葉を待った。
「命を預ける覚悟を決めろ。 後悔する暇もねェくらい、愉しませてやる」
静まり返った船内が、笑顔で溢れる。
「オレの命は最初からあんたに預けてる…好きに使ってくれ」
「アイアイキャプテン!おれの命はキャプテンのだよ!」
「俺は覚悟なんて決めなくても、ついて行くさ」
「くゥ〜! カッコ良すぎてたまんね〜!俺もキャプテンの為ならいつでも死ねるぜ!」
「元々あんた達に救われた命だ…命を掛けるのに、それ以上の理由は必要ないでしょう…」
みんなは満面の笑みで彼に "心" を預けた。
それならーーー
私に出来る事は一つだけ。
「船長…私は、みんなの命を背負うあなたを守る為に…生きる事を誓います」
心から、陶酔して止まない男。
その瞳が私を射抜く。
「聞いたか…お前達」
口角を上げ、ゆっくり歩み始めたロー。
「聞いた」
「アイリス〜嬉しいよ!」
「ああ…決まりだな」
「流石だね…アイリス」
「お前もカッコイイなァ〜もう!」
みんなが一斉に私を取り囲む。
「ハート海賊団、副船長は…アイリス、お前だ」
脳天に衝撃がはしる。
「ふっふ…ふふふ副船長〜!?むっ…無理無理無理!絶対無理だよ!?」
慌てる私を余所に、みんなが歓喜の声を上げる。
「お前以外誰がやるんだよ!」
「そうだぞ、オレも適任だと思う」
「多数決だよ〜アイリス〜ふふっ」
「クスッいいじゃない、やってみれば」
「責任重大だな!アイリス!」
バチンッーーーー!!!
あ…痛そう。
三人に殴られたシャチが頭を抑えて蹲っている。
「「「あはははははっ!」」」
やっぱり私には、少しだけ荷が重い。
だけど、涙を流して笑うみんなの顔が私の背中を押してくれる。
ローや仲間を守りたい気持ちは、誰にも負けない。
「それなら、私は船を支える柱になる…みんながいつでもしがみつけるように、絶対に折れない柱になる」
物語の中の、アダムとイヴのように。
ローと並んで歩いていきたい。
「決まりだ…明日、出航する」
私達は、力強く頷き港に浮かぶ月を見上げた。
憧れの海。
偉大なる航路 に想いを馳せて。
船長が用意した新しい服『ツナギ』に袖を通し、瞳を輝かせるシャチ。
「悪くないな…」
ペンギンも、満足気に口角を上げている。
「ちょっと…恥ずかしい気もするけど…動きやすいよ」
「おォ! イルカ、似合ってるな!」
普段クールな少女は、少し照れている様子でクジラと一緒に体を動かしている。
「おれのサイズもあったんだね〜!よかった〜」
サイズが合うのかどうか、少し心配していたベポも、無事に着れたようで安心した。
「うん!やっぱりこの色にして正解!」
暖かい、陽だまりの色。
仲間のイメージカラーは “オレンジ” 。
そして、色違いでもう一色。
私達、ハート海賊団の始まりは真っ白な雪の中。
初心を忘れないように、白いツナギも用意した。
「気に入ってくれて良かったねッ」
嬉しそうな皆の姿に笑みが溢れる。
「ああ〜!キャプテンも凄くかっこいい! これは着ないの〜?」
首を傾げたベポ。
ツナギは着ずに同じ旗のマークを刺繍した黄色いᎢシャツに袖を通したロー。
「おれは着ねェよ…」
愛用しているモコモコの白い帽子を深く被り直す。
仲間全員の顔を見渡した彼は、悪い笑みを浮かべる。
「お前達に最後のチャンスを与えてやる…ここから先は、二度と後ろを見ねェ」
背後には満天の星空。
「覚悟のない奴は要らねェ…迷いがある奴は今すぐ船を降りろ」
少し肌寒い夜風が、私達の間を静かに吹き抜ける。
「おれにはやるべき事がある…成し遂げるには、お前達を巻き込む事になる」
帽子を脱ぎ、全員の目を真っ直ぐ見据える少年。
「命の保証も出来ねェが、一つだけ誓ってやる」
私達は息を呑み、次の言葉を待った。
「命を預ける覚悟を決めろ。 後悔する暇もねェくらい、愉しませてやる」
静まり返った船内が、笑顔で溢れる。
「オレの命は最初からあんたに預けてる…好きに使ってくれ」
「アイアイキャプテン!おれの命はキャプテンのだよ!」
「俺は覚悟なんて決めなくても、ついて行くさ」
「くゥ〜! カッコ良すぎてたまんね〜!俺もキャプテンの為ならいつでも死ねるぜ!」
「元々あんた達に救われた命だ…命を掛けるのに、それ以上の理由は必要ないでしょう…」
みんなは満面の笑みで彼に "心" を預けた。
それならーーー
私に出来る事は一つだけ。
「船長…私は、みんなの命を背負うあなたを守る為に…生きる事を誓います」
心から、陶酔して止まない男。
その瞳が私を射抜く。
「聞いたか…お前達」
口角を上げ、ゆっくり歩み始めたロー。
「聞いた」
「アイリス〜嬉しいよ!」
「ああ…決まりだな」
「流石だね…アイリス」
「お前もカッコイイなァ〜もう!」
みんなが一斉に私を取り囲む。
「ハート海賊団、副船長は…アイリス、お前だ」
脳天に衝撃がはしる。
「ふっふ…ふふふ副船長〜!?むっ…無理無理無理!絶対無理だよ!?」
慌てる私を余所に、みんなが歓喜の声を上げる。
「お前以外誰がやるんだよ!」
「そうだぞ、オレも適任だと思う」
「多数決だよ〜アイリス〜ふふっ」
「クスッいいじゃない、やってみれば」
「責任重大だな!アイリス!」
バチンッーーーー!!!
あ…痛そう。
三人に殴られたシャチが頭を抑えて蹲っている。
「「「あはははははっ!」」」
やっぱり私には、少しだけ荷が重い。
だけど、涙を流して笑うみんなの顔が私の背中を押してくれる。
ローや仲間を守りたい気持ちは、誰にも負けない。
「それなら、私は船を支える柱になる…みんながいつでもしがみつけるように、絶対に折れない柱になる」
物語の中の、アダムとイヴのように。
ローと並んで歩いていきたい。
「決まりだ…明日、出航する」
私達は、力強く頷き港に浮かぶ月を見上げた。
憧れの海。