出逢いの刻
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今日は一日、お休みを頂いたので、雪村 綱道 の行方を探る為、京の町に出る事にした。
町の人達に色々聞きまわっていると、何処かを見つめ、佇んでいる斎藤さんを見つけ、声を掛けた。
「斎藤さん…? 何してるんですか?」
此方に振り返った彼は、罰が悪そうに目線を逸らす。
「ゆきか……」
斎藤さんの視線を辿ってみると、そこは美味しそうな甘味屋だった。
「斎藤さん‥‥甘い物好きなんですか?」
まさかと思い、尋ねてみる。
「いや‥‥‥此処の団子が上手いと…平助が言っていたから‥‥」
そういえば、少し前に上手い団子屋を見つけたと、平助君が騒いでいた事を思い出した。
「…入らないんですか?」
中に入ろうとしない彼を不思議に思い、店の中を覗き込む。
「なる程‥‥‥女の子しか居ないですね」
男一人では、到底入れない雰囲気に侵されている店内。
私は、顔を隠していた布を外し、口を開いた。
「これで…大丈夫でしょうか?」
突然の行動と、問いかけに、僅かに驚いた表情を浮かべる斎藤さん。
「何故…顔を出す‥‥」
怪訝そうな顔で私を見つめる彼に、店の方を指差して説明した。
「すみません…こっちの入りやすいかと思って‥‥男二人だと入りにくい雰囲気ですし‥‥」
腕を元の位置に戻し、俯く私。
「おまえも食べたいのか‥‥?」
彼の問いに、少々戸惑ったけれど、"そうゆう事にしておこう"と、その場は深く頷いた。
「はい…食べたいです…よかったら…斎藤さんも一緒に食べませんか?」
私は彼を見上げ、微笑んだ。
「ならば‥‥仕方ない…入るぞ」
斎藤さんは視線を逸らしたけれど、届く声が何処か嬉しそうだったので、店内に入って行く彼の後を、急いで追い掛けた。
二人で並んで店に入り、平助君お薦めの団子を注文した。
「お待ちどうさん」
出てきた温かいお団子を、一口頬張る。
「これ‥‥‥凄く美味しいですね!」
頬が落ちそうなその味に、思わず声が上擦る。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上手い」
満足気な斎藤さんの顔に、思わず笑みが溢れた。
その店の団子は、本当に美味しくて、二人で幸せな一時を過ごし店を後にした。
屯所へと戻る途中、ずっと無言だった斎藤さんが口を開く。
「ゆき」
突然呼ばれた私は、彼を見つめ姿勢を正す。
「おまえは…可愛いと思う」
戸惑う私を他所に、道の先を見つめたまま、彼は言葉を続ける。
「え‥‥!?斎藤さん?」
突然何を言い出すのか、頬が熱くなった私は下を向いて顔を隠した。
「俺の為だと…わかってはいるが…無闇に顔を出すな」
言い終わった斎藤さんは、自らの言葉に照れたのか、顔を赤らめ再び沈黙してしまう。
「有難う御座います‥‥‥‥気をつけます‥‥」
私も頬の熱を覚ましながら、心配してくれた事にお礼を言って、屯所へと歩を進めた。
人見知りで口数の少ない彼だが、本当は熱く、洞察力に優れている。
平助君と同じ最年少幹部ながら、隊士達からの信頼も厚く、とても頼りになる人。
という印象を、私は彼に抱いていた。
町の人達に色々聞きまわっていると、何処かを見つめ、佇んでいる斎藤さんを見つけ、声を掛けた。
「斎藤さん…? 何してるんですか?」
此方に振り返った彼は、罰が悪そうに目線を逸らす。
「ゆきか……」
斎藤さんの視線を辿ってみると、そこは美味しそうな甘味屋だった。
「斎藤さん‥‥甘い物好きなんですか?」
まさかと思い、尋ねてみる。
「いや‥‥‥此処の団子が上手いと…平助が言っていたから‥‥」
そういえば、少し前に上手い団子屋を見つけたと、平助君が騒いでいた事を思い出した。
「…入らないんですか?」
中に入ろうとしない彼を不思議に思い、店の中を覗き込む。
「なる程‥‥‥女の子しか居ないですね」
男一人では、到底入れない雰囲気に侵されている店内。
私は、顔を隠していた布を外し、口を開いた。
「これで…大丈夫でしょうか?」
突然の行動と、問いかけに、僅かに驚いた表情を浮かべる斎藤さん。
「何故…顔を出す‥‥」
怪訝そうな顔で私を見つめる彼に、店の方を指差して説明した。
「すみません…こっちの入りやすいかと思って‥‥男二人だと入りにくい雰囲気ですし‥‥」
腕を元の位置に戻し、俯く私。
「おまえも食べたいのか‥‥?」
彼の問いに、少々戸惑ったけれど、"そうゆう事にしておこう"と、その場は深く頷いた。
「はい…食べたいです…よかったら…斎藤さんも一緒に食べませんか?」
私は彼を見上げ、微笑んだ。
「ならば‥‥仕方ない…入るぞ」
斎藤さんは視線を逸らしたけれど、届く声が何処か嬉しそうだったので、店内に入って行く彼の後を、急いで追い掛けた。
二人で並んで店に入り、平助君お薦めの団子を注文した。
「お待ちどうさん」
出てきた温かいお団子を、一口頬張る。
「これ‥‥‥凄く美味しいですね!」
頬が落ちそうなその味に、思わず声が上擦る。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上手い」
満足気な斎藤さんの顔に、思わず笑みが溢れた。
その店の団子は、本当に美味しくて、二人で幸せな一時を過ごし店を後にした。
屯所へと戻る途中、ずっと無言だった斎藤さんが口を開く。
「ゆき」
突然呼ばれた私は、彼を見つめ姿勢を正す。
「おまえは…可愛いと思う」
戸惑う私を他所に、道の先を見つめたまま、彼は言葉を続ける。
「え‥‥!?斎藤さん?」
突然何を言い出すのか、頬が熱くなった私は下を向いて顔を隠した。
「俺の為だと…わかってはいるが…無闇に顔を出すな」
言い終わった斎藤さんは、自らの言葉に照れたのか、顔を赤らめ再び沈黙してしまう。
「有難う御座います‥‥‥‥気をつけます‥‥」
私も頬の熱を覚ましながら、心配してくれた事にお礼を言って、屯所へと歩を進めた。
人見知りで口数の少ない彼だが、本当は熱く、洞察力に優れている。
平助君と同じ最年少幹部ながら、隊士達からの信頼も厚く、とても頼りになる人。
という印象を、私は彼に抱いていた。