出逢いの刻
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「寒いな…ゆき、風邪引くなよ」
「はい、気をつけます」
昨晩から降り続く雪のせいで、京の町はすっかり冷え込んでいた。
雪の中の見廻りは歩き難く、油断すると転んでしまいそうになる。
「ゆき、危なっかしいなぁ…ほら、手貸せ」
原田さんは私の手を取り、転ばないよう支えてくれた。
「すみません…有難う御座います」
恥ずかしさと申し訳無さで俯く私。
「…可愛いゆきに怪我させる訳にはいかないからな」
原田さんは、優しく笑って頭を撫でてくれた。
「左之…お前だけ、何いい格好してんだよ…!ほら、こっち貸せ」
私達の様子を見ていた男が、強引に反対の手を取り笑顔を向ける。
「え‥‥あ、はい…永倉さん…有難う御座います」
またも、恥ずかしくなった私は、俯きながら礼を述べた。
「うんうん…!ゆきは、俺達の妹分だからな!」
それから屯所に戻るまでの間、ずっと二人は手を繋いだまま、転ばないように支えてくれた。
「左之さん…新八っつぁん…二人共どんだけ過保護なんだよ」
見回りを終え、屯所に戻った私達を、平助君が呆れた様子で迎えてくれた。
「うるせー平助」
原田さんは悪い笑みを浮かべる。
「平助…おまえ羨ましいんだろう」
永倉さんも含んだ笑みで、私の手を上に上げ平助君に見せつけた。
「ハァ…ゆき、おまえも何か言えよ…」
矛先を私に変えた平助君。
「え…それは…お二人の優しさが嬉しかったので…」
二人を交互に見て、眉を下げた私。
「わかったか平助…これは優しさだ」
永倉さんは、満足気に首を縦に振る。
「そうだぞ平助…女には優しくするのが男の努めだろう」
完全な呆れ顔の平助君をよそに、私達は手を繋いだまま、屯所内へと戻った。
原田さんと永倉さんは、まるで本当のお兄さんのように面倒見が良く、優しく見守ってくれる。
それでいて義理堅く、暖かい二人は隊士の皆からの信頼も厚く、新撰組の兄貴分であることは、私の目から見ても明らかだった。
「はい、気をつけます」
昨晩から降り続く雪のせいで、京の町はすっかり冷え込んでいた。
雪の中の見廻りは歩き難く、油断すると転んでしまいそうになる。
「ゆき、危なっかしいなぁ…ほら、手貸せ」
原田さんは私の手を取り、転ばないよう支えてくれた。
「すみません…有難う御座います」
恥ずかしさと申し訳無さで俯く私。
「…可愛いゆきに怪我させる訳にはいかないからな」
原田さんは、優しく笑って頭を撫でてくれた。
「左之…お前だけ、何いい格好してんだよ…!ほら、こっち貸せ」
私達の様子を見ていた男が、強引に反対の手を取り笑顔を向ける。
「え‥‥あ、はい…永倉さん…有難う御座います」
またも、恥ずかしくなった私は、俯きながら礼を述べた。
「うんうん…!ゆきは、俺達の妹分だからな!」
それから屯所に戻るまでの間、ずっと二人は手を繋いだまま、転ばないように支えてくれた。
「左之さん…新八っつぁん…二人共どんだけ過保護なんだよ」
見回りを終え、屯所に戻った私達を、平助君が呆れた様子で迎えてくれた。
「うるせー平助」
原田さんは悪い笑みを浮かべる。
「平助…おまえ羨ましいんだろう」
永倉さんも含んだ笑みで、私の手を上に上げ平助君に見せつけた。
「ハァ…ゆき、おまえも何か言えよ…」
矛先を私に変えた平助君。
「え…それは…お二人の優しさが嬉しかったので…」
二人を交互に見て、眉を下げた私。
「わかったか平助…これは優しさだ」
永倉さんは、満足気に首を縦に振る。
「そうだぞ平助…女には優しくするのが男の努めだろう」
完全な呆れ顔の平助君をよそに、私達は手を繋いだまま、屯所内へと戻った。
原田さんと永倉さんは、まるで本当のお兄さんのように面倒見が良く、優しく見守ってくれる。
それでいて義理堅く、暖かい二人は隊士の皆からの信頼も厚く、新撰組の兄貴分であることは、私の目から見ても明らかだった。