終焉の刻
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「ゆきちゃん、もし泣かされたら僕が慰めてあげるからね」
悪戯な笑みを浮かべ、挑発する沖田さんの言葉に、明らかな怒りを顕にする風間さん。
「やはり貴様は殺しておくか…」
鞘に手をかけた彼を、必死で止める。
「冗談ですよ!風間さん!沖田さんも、からかわないでください!」
男は面白くなさそうに、溜息を吐いた。
「冗談…ね…一君は、何か言うことないの?」
先程から、ずっと口を噤んでいた斎藤さん。
「俺は…ゆきがこの男に泣かされようと…泣かされまいと…俺を望むのなら、いつでも喜んで迎え入れるつもりだ」
目を丸くする私達。
何やら見当違いな事を言い出した彼の横から、異常な殺気を感じ、私は慌てて口を挟んだ。
「望みません!沖田さんも斎藤さんも変な事…言わないでください!こっちの身にもなってくださいよ…」
抑えている男は、凄い力で私を振り払おうとする。
「俺は真面目に言ったつもりだが…」
未だ状況を理解していないのか、益々、彼の怒りを煽る斎藤さん。
「いいだろう…貴様も…その男も…二人揃って相手にしてやる…抜け…」
風間さんの顔を覗き込むと、言葉に詰まる程、殺気に満ちた表情。
「いい加減にしてください…!怒りますよ!」
二人を、本気で殺そうとする風間さんの正面に周り、両手を広げ立ち憚る。
「そこをどけ…ゆき、何のつもりだ…」
その瞳は、私を映していない。
「刀を納めてください…!」
少し大きな声で怒鳴りつけた私。
漸く我に返った風間さんは、剣を鞘へ納めてくれた。
「この俺に命令するとは…ゆき、お前は何様のつもりだ」
彼は、腑に落ちないといった表情で、私を見遣る。
「貴方が悪いんです…」
剥れる私を、見つめる風間さん。
沖田さんが、何故か面白そうに笑っている。
斎藤さんは、黙ってその様子を眺めていた。
「何が可笑しいのですか…!」
怒りの収まらない私は、身を翻し、歩を進める。
「近藤さんと二人で、君達の帰りを待ってるよ」
沖田さんは、近藤さんの傍に。
「ゆき、総司…また逢える日を楽しみにしている」
斎藤さんは会津藩へ残る事となった。
私は土方さん達を追い、仙台へ。
それぞれの道。
「お二人とも、どうかご無事で…」
二人の背を見送り、押し黙ったまま、その場に立ち尽くす私。
仲直りの仕方もわからず、素直になれないまま、気不味い時間が過ぎていった。
「いつまで剥れている…こっちを向け、ゆき」
先に折れたのは、風間さん。
「別に剥れてません…」
腕を取られ、咄嗟に払おうとしたが叶わず、視線を逸し、下を向いたまま応える私。
「…ゆき、俺が嫌いか…」
そう呟いた彼の瞳が哀しげに揺れるから、私は胸が苦しくなり、衝動的に彼の頬を包み、自分の方へ引き寄せた。
なんの抵抗もせず、私からの口付けを受け入れた彼は、見開いた瞳を閉じることなく、立ち竦んでいた。
自ら口付けを躱してしまったことに、恥ずかしさを覚え、隠れるように彼の腰に手を回し、逞しい胸に顔を埋めながら、言葉を綴る。
「愛する人が…仲間を殺すなんて…そんなの嫌だったから…感情的になってしまって…申し訳ありませんでした…」
腰に回る、彼の腕に熱が篭もる。
「貴方を嫌いになるなんて、生涯あり得ません…」
私の顎に手をかけ、静かに口を開く風間さん。
「足りんな…そのような言葉では…俺の愛には全く足りぬ…もっと、何度でも…俺を愛していると伝えるがいい…」
紅い双眼をゆっくりと閉じ、角度を変え、何度も私の唇に食らいつく。
頭を固定され、何度も繰り返される行為に、息苦しくて、耐えきれない。
僅かに口元を緩めた瞬間、生温い彼の舌が優しく侵入してくるのを感じた。
浅く、深く、中を這うその感覚に、頭が痺れ全身の力が抜ける。
「どうしたゆき…この程度で身を崩すようでは、この先の快楽に耐えられぬかもしれんぞ…俺の愛はこんなものではないのでな…」
崩れ落ちる私の身体を、腰に回した力強い腕で支える男。
「お前が可愛すぎるのが悪い…覚悟しておけ」
風間さんは、最後に優しく啄むような口付けを落とし、歩き始めた。
後を追いかけ、彼の着物の裾を少しだけ掴む。
仙台に到着するまで、私の心臓が鳴り止む事はなかった。
悪戯な笑みを浮かべ、挑発する沖田さんの言葉に、明らかな怒りを顕にする風間さん。
「やはり貴様は殺しておくか…」
鞘に手をかけた彼を、必死で止める。
「冗談ですよ!風間さん!沖田さんも、からかわないでください!」
男は面白くなさそうに、溜息を吐いた。
「冗談…ね…一君は、何か言うことないの?」
先程から、ずっと口を噤んでいた斎藤さん。
「俺は…ゆきがこの男に泣かされようと…泣かされまいと…俺を望むのなら、いつでも喜んで迎え入れるつもりだ」
目を丸くする私達。
何やら見当違いな事を言い出した彼の横から、異常な殺気を感じ、私は慌てて口を挟んだ。
「望みません!沖田さんも斎藤さんも変な事…言わないでください!こっちの身にもなってくださいよ…」
抑えている男は、凄い力で私を振り払おうとする。
「俺は真面目に言ったつもりだが…」
未だ状況を理解していないのか、益々、彼の怒りを煽る斎藤さん。
「いいだろう…貴様も…その男も…二人揃って相手にしてやる…抜け…」
風間さんの顔を覗き込むと、言葉に詰まる程、殺気に満ちた表情。
「いい加減にしてください…!怒りますよ!」
二人を、本気で殺そうとする風間さんの正面に周り、両手を広げ立ち憚る。
「そこをどけ…ゆき、何のつもりだ…」
その瞳は、私を映していない。
「刀を納めてください…!」
少し大きな声で怒鳴りつけた私。
漸く我に返った風間さんは、剣を鞘へ納めてくれた。
「この俺に命令するとは…ゆき、お前は何様のつもりだ」
彼は、腑に落ちないといった表情で、私を見遣る。
「貴方が悪いんです…」
剥れる私を、見つめる風間さん。
沖田さんが、何故か面白そうに笑っている。
斎藤さんは、黙ってその様子を眺めていた。
「何が可笑しいのですか…!」
怒りの収まらない私は、身を翻し、歩を進める。
「近藤さんと二人で、君達の帰りを待ってるよ」
沖田さんは、近藤さんの傍に。
「ゆき、総司…また逢える日を楽しみにしている」
斎藤さんは会津藩へ残る事となった。
私は土方さん達を追い、仙台へ。
それぞれの道。
「お二人とも、どうかご無事で…」
二人の背を見送り、押し黙ったまま、その場に立ち尽くす私。
仲直りの仕方もわからず、素直になれないまま、気不味い時間が過ぎていった。
「いつまで剥れている…こっちを向け、ゆき」
先に折れたのは、風間さん。
「別に剥れてません…」
腕を取られ、咄嗟に払おうとしたが叶わず、視線を逸し、下を向いたまま応える私。
「…ゆき、俺が嫌いか…」
そう呟いた彼の瞳が哀しげに揺れるから、私は胸が苦しくなり、衝動的に彼の頬を包み、自分の方へ引き寄せた。
なんの抵抗もせず、私からの口付けを受け入れた彼は、見開いた瞳を閉じることなく、立ち竦んでいた。
自ら口付けを躱してしまったことに、恥ずかしさを覚え、隠れるように彼の腰に手を回し、逞しい胸に顔を埋めながら、言葉を綴る。
「愛する人が…仲間を殺すなんて…そんなの嫌だったから…感情的になってしまって…申し訳ありませんでした…」
腰に回る、彼の腕に熱が篭もる。
「貴方を嫌いになるなんて、生涯あり得ません…」
私の顎に手をかけ、静かに口を開く風間さん。
「足りんな…そのような言葉では…俺の愛には全く足りぬ…もっと、何度でも…俺を愛していると伝えるがいい…」
紅い双眼をゆっくりと閉じ、角度を変え、何度も私の唇に食らいつく。
頭を固定され、何度も繰り返される行為に、息苦しくて、耐えきれない。
僅かに口元を緩めた瞬間、生温い彼の舌が優しく侵入してくるのを感じた。
浅く、深く、中を這うその感覚に、頭が痺れ全身の力が抜ける。
「どうしたゆき…この程度で身を崩すようでは、この先の快楽に耐えられぬかもしれんぞ…俺の愛はこんなものではないのでな…」
崩れ落ちる私の身体を、腰に回した力強い腕で支える男。
「お前が可愛すぎるのが悪い…覚悟しておけ」
風間さんは、最後に優しく啄むような口付けを落とし、歩き始めた。
後を追いかけ、彼の着物の裾を少しだけ掴む。
仙台に到着するまで、私の心臓が鳴り止む事はなかった。