終焉の刻
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雪が溶け、小さな蕾が花開く。
幾度となく繰り返す四季は、変わりゆく時代の中で、変わらないモノを映し出す。
“幕末の徒花” 新撰組。
刀一本で貫き通した武士の道。
彼らもまた、少しずつ変わっていく。
最新鋭の砲弾や、銃で戦う敵に、後れを取らない為。
誇りはそのままに、西洋の衣服に袖を通した男達。
「風間さん、此処まで送り届けてくれて、有難うございました」
新撰組との合流地点。
江戸の町で、別れを告げる。
「俺は所要の為、暫く里へ戻るが…ゆき、無理をすれば赦さんぞ」
馬に跨り、私を優しく見下ろす風間さん。
「わかっています…貴方もどうかお気をつけて…」
自らの、やるべき事を成し遂げる為、私達は互いに背を向け、歩き出した。
町に入り、情報を頼りに新撰組を探し歩く。
「ゆき!!」
突然、誰かに呼ばれ、振り返った。
「こっちだ…!」
身を潜め、手招きをする男に問う。
「山崎さん…何故、隠れてるんですか?」
彼は周囲を見渡し、小さな声で語り始めた。
「新撰組は甲州への出陣が決まり、日野へ進軍しました…貴方もすぐに、局長達を追ってください」
近くに敵が居るのだろうか。
「わかりました…」
命に従い、即座に身を翻す。
「待ってください!これを…貴方に渡すように、副長から言われています…何処かで着替えてから向かって下さい」
渡されたのは、敵が身に纏っている衣と同じ、洋式の隊服。
「それから…甲州での戦闘に備え…局長と副長の判断で、新撰組の名を伏せる事に決まり、甲陽鎮撫隊と名を改めています」
聞きなれない名に、少しだけ胸が痛んだ。
「甲陽鎮撫隊…わかりました…直ぐに参ります…」
着物を着替え、日野へと出発した私。
焦る気持ちを抑え、走り続けた。
「近藤さん、土方さん…! 只今馳せ参じました…」
味方陣営、中央に鎮座する局長と副長。
「ゆき! 無事だったか…」
立ち上がり、笑みを見せる土方さん。
「一ノ瀬君、おかえり!」
近藤さんも、優しい笑顔で迎えてくれた。
「遅くなってしまい申し訳ありません…私もすぐに参戦します…!」
辺りを見渡し、息を呑む。
最新鋭の武器の前に、古い砲弾や刀は遊具同然。
押されているのは、誰が見ても一目瞭然だった。
「一ノ瀬君、すまない…」
悔しそうに、拳を握る近藤さん。
「行って参ります…!」
鬼と化した私は、味方陣営の周りに蔓延る敵を、薙ぎ払い、苦戦している部隊の助太刀へ向かう。
私の参入により、戦況は一気に有利な方へと変化した。
敵陣営を、一時退却に追い込む事に成功。
丁度その頃、戦場を暗闇が包み始めた。
双方視界が奪われた為、一時休戦。
幹部達は局長の元に呼ばれ、作戦を今一度立て直す事となった。
幾度となく繰り返す四季は、変わりゆく時代の中で、変わらないモノを映し出す。
“幕末の徒花” 新撰組。
刀一本で貫き通した武士の道。
彼らもまた、少しずつ変わっていく。
最新鋭の砲弾や、銃で戦う敵に、後れを取らない為。
誇りはそのままに、西洋の衣服に袖を通した男達。
「風間さん、此処まで送り届けてくれて、有難うございました」
新撰組との合流地点。
江戸の町で、別れを告げる。
「俺は所要の為、暫く里へ戻るが…ゆき、無理をすれば赦さんぞ」
馬に跨り、私を優しく見下ろす風間さん。
「わかっています…貴方もどうかお気をつけて…」
自らの、やるべき事を成し遂げる為、私達は互いに背を向け、歩き出した。
町に入り、情報を頼りに新撰組を探し歩く。
「ゆき!!」
突然、誰かに呼ばれ、振り返った。
「こっちだ…!」
身を潜め、手招きをする男に問う。
「山崎さん…何故、隠れてるんですか?」
彼は周囲を見渡し、小さな声で語り始めた。
「新撰組は甲州への出陣が決まり、日野へ進軍しました…貴方もすぐに、局長達を追ってください」
近くに敵が居るのだろうか。
「わかりました…」
命に従い、即座に身を翻す。
「待ってください!これを…貴方に渡すように、副長から言われています…何処かで着替えてから向かって下さい」
渡されたのは、敵が身に纏っている衣と同じ、洋式の隊服。
「それから…甲州での戦闘に備え…局長と副長の判断で、新撰組の名を伏せる事に決まり、甲陽鎮撫隊と名を改めています」
聞きなれない名に、少しだけ胸が痛んだ。
「甲陽鎮撫隊…わかりました…直ぐに参ります…」
着物を着替え、日野へと出発した私。
焦る気持ちを抑え、走り続けた。
「近藤さん、土方さん…! 只今馳せ参じました…」
味方陣営、中央に鎮座する局長と副長。
「ゆき! 無事だったか…」
立ち上がり、笑みを見せる土方さん。
「一ノ瀬君、おかえり!」
近藤さんも、優しい笑顔で迎えてくれた。
「遅くなってしまい申し訳ありません…私もすぐに参戦します…!」
辺りを見渡し、息を呑む。
最新鋭の武器の前に、古い砲弾や刀は遊具同然。
押されているのは、誰が見ても一目瞭然だった。
「一ノ瀬君、すまない…」
悔しそうに、拳を握る近藤さん。
「行って参ります…!」
鬼と化した私は、味方陣営の周りに蔓延る敵を、薙ぎ払い、苦戦している部隊の助太刀へ向かう。
私の参入により、戦況は一気に有利な方へと変化した。
敵陣営を、一時退却に追い込む事に成功。
丁度その頃、戦場を暗闇が包み始めた。
双方視界が奪われた為、一時休戦。
幹部達は局長の元に呼ばれ、作戦を今一度立て直す事となった。