変革の刻
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江戸へ隊士募集に行っていた土方さんと、平助君。
この日、新たな隊士を連れて戻って来るとの連絡を受け、屯所内は朝から準備に追われていた。
平助君と同門、 北辰一刀流の道場主 伊東 甲子太郎と、その門人達を新たに隊士として迎える事になり、近藤さんは彼の入隊を心待ちにしていた。
「伊東さん、さぁ此方へ! 今日より同じ旗本で共に闘える事を嬉しく思いますぞ!」
到着した伊東さん達を、局長は自ら出迎える。
「まぁまぁ…局長直々のお出迎え嬉しく思います…お気遣いなく…」
近藤さんに、軽く会釈を返す伊東さん。
「長旅で疲れたでしょう!今日くらいは、ゆっくりと休んでください!」
長旅をして来た伊東さん達を気遣い、近藤さんは彼らを屋敷内へと誘導した。
「それは有り難い申し出ですけど、その前に幹部の皆さんに挨拶を済ませたいと思っておりますの…よろしいかしら?」
疲れているにも関わらず、幹部達に挨拶をしたいと述べる伊東さん。
その心遣いに皆は驚き、感心した。
「 一ノ瀬 ゆき と申します…お茶をどうぞ」
座敷に通した彼らに、お茶を運ぶ。
「あら、随分可愛い隊士ですこと…伊東です、よろしく」
私は幹部ではないので、軽い挨拶だけ済ませ部屋を後にした。
暫くして、一人部屋から出て行く山南さんを目にした私。
酷く辛そうな表情を浮かべていた。
心配になった私は、彼の後を追ったものの、見失ってしまう。
「山南さん…一体、何処に…」
彼の部屋を探しても居なかった為、何が起きたのか、本人の口から聞く事が出来なかった。
後で、一部始終を見ていた原田さんに状況を尋ねると、『自分は新撰組に必要とされてない』と言い残し、部屋を出て行ったんだ、と答えた。
「何故そんな事‥‥‥‥」
新撰組の誰もが山南さんの博識を頼り、剣の腕を尊敬しているのに。
腕を負傷し、武士として刀を振れなくなった苦しみ。
知で新撰組を支えていた自分の居場所に、突然入り込んできた伊東さんという存在。
私は言い知れぬ不安を感じ、再び彼を探しに向かった。
「山南さん…」
嫌な予感が現実のものとなるのは、それから幾日が経った、夜の事だった。
この日、新たな隊士を連れて戻って来るとの連絡を受け、屯所内は朝から準備に追われていた。
平助君と同門、 北辰一刀流の道場主 伊東 甲子太郎と、その門人達を新たに隊士として迎える事になり、近藤さんは彼の入隊を心待ちにしていた。
「伊東さん、さぁ此方へ! 今日より同じ旗本で共に闘える事を嬉しく思いますぞ!」
到着した伊東さん達を、局長は自ら出迎える。
「まぁまぁ…局長直々のお出迎え嬉しく思います…お気遣いなく…」
近藤さんに、軽く会釈を返す伊東さん。
「長旅で疲れたでしょう!今日くらいは、ゆっくりと休んでください!」
長旅をして来た伊東さん達を気遣い、近藤さんは彼らを屋敷内へと誘導した。
「それは有り難い申し出ですけど、その前に幹部の皆さんに挨拶を済ませたいと思っておりますの…よろしいかしら?」
疲れているにも関わらず、幹部達に挨拶をしたいと述べる伊東さん。
その心遣いに皆は驚き、感心した。
「 一ノ瀬 ゆき と申します…お茶をどうぞ」
座敷に通した彼らに、お茶を運ぶ。
「あら、随分可愛い隊士ですこと…伊東です、よろしく」
私は幹部ではないので、軽い挨拶だけ済ませ部屋を後にした。
暫くして、一人部屋から出て行く山南さんを目にした私。
酷く辛そうな表情を浮かべていた。
心配になった私は、彼の後を追ったものの、見失ってしまう。
「山南さん…一体、何処に…」
彼の部屋を探しても居なかった為、何が起きたのか、本人の口から聞く事が出来なかった。
後で、一部始終を見ていた原田さんに状況を尋ねると、『自分は新撰組に必要とされてない』と言い残し、部屋を出て行ったんだ、と答えた。
「何故そんな事‥‥‥‥」
新撰組の誰もが山南さんの博識を頼り、剣の腕を尊敬しているのに。
腕を負傷し、武士として刀を振れなくなった苦しみ。
知で新撰組を支えていた自分の居場所に、突然入り込んできた伊東さんという存在。
私は言い知れぬ不安を感じ、再び彼を探しに向かった。
「山南さん…」
嫌な予感が現実のものとなるのは、それから幾日が経った、夜の事だった。