運命の刻
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「では…今夜はこれで失礼します」
天霧が俺の屋敷から去った後、一人窓辺に腰掛けて、酒を呑みながら、池田屋での事を思い出していた。
突然、目の前に現れた女。
顔を隠し、男に装っていたようだが、着物の裾から延びる腕は細く、長い睫毛が大きな瞳に被されば、それが女だという事はすぐに理解できた。
鋭く睨んでいたにも関わらず、怯むことなく視線を絡める女。
人間の女にしては、いい女だと魅入っていると、その細い腕で天霧の拳を止めてみせた。
人間如きの力で、ましてや女で、天霧を止められる筈がない。
俺は女が鬼だと確信した。
もう一人、雪村の女鬼がいたが、あれと共にいるなら、あの女鬼も雪村の血筋か、或は。
まあ次に会った時、確かめればいい。
面白いモノを見つけたと、高揚する気持ちを抑え、闇に浮かぶ月を眺め、ゆっくりと酒を愉しんだ。
天霧が俺の屋敷から去った後、一人窓辺に腰掛けて、酒を呑みながら、池田屋での事を思い出していた。
突然、目の前に現れた女。
顔を隠し、男に装っていたようだが、着物の裾から延びる腕は細く、長い睫毛が大きな瞳に被されば、それが女だという事はすぐに理解できた。
鋭く睨んでいたにも関わらず、怯むことなく視線を絡める女。
人間の女にしては、いい女だと魅入っていると、その細い腕で天霧の拳を止めてみせた。
人間如きの力で、ましてや女で、天霧を止められる筈がない。
俺は女が鬼だと確信した。
もう一人、雪村の女鬼がいたが、あれと共にいるなら、あの女鬼も雪村の血筋か、或は。
まあ次に会った時、確かめればいい。
面白いモノを見つけたと、高揚する気持ちを抑え、闇に浮かぶ月を眺め、ゆっくりと酒を愉しんだ。