運命の刻
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翌朝、女の子の事が気になって落ち着かなかった私は、土方さんの部屋へ急いで向かった。
「おっ!ゆき、おはよう!」
部屋の前には既に人だかりが出来ている。
「おはよう御座います」
挨拶をすると、永倉さんの笑顔が返って来た。
「新八っつぁん!大声出すなよ!バレるだろうが」
平助君は、人差し指を唇に当て、怒っているようだった。
「すまんすまん…ゆき、早くこっちに来い!」
永倉さんに強引に腕を引かれ、皆に囲まれる形となった私。
逃げ場を失い、仕方なく襖に開いた穴から部屋の様子を伺うことにした。
(後で絶対怒られる‥‥‥‥)
分かっていながらも、気になる気持ちを抑えられず、皆と一緒に中の声に耳を澄ませる。
「なら、君はここに居るといい!ここにいれば 雪村 綱道 を見つける手がかりが見つかるかも知れんしな!」
近藤さんの言葉が耳に入り、ほっと胸を撫で下ろす。
「近藤さん…あんたがそう言うならここに置いてもいいが…オレは…お前を信用したわけじゃない…怪しい動きをすれば即刻斬る」
土方さんは相変わらず慎重だ。
「はい、わかりました!有難うございます」
そんな彼に臆することなく、明るく返事を返す少女。
「誰かの小姓って事にすれば、周りの目もごまかせるだろう」
名案だ、と近藤さんが笑った瞬間。
「お前!良かったなぁ!」
平助君が勢い良く襖を開け、その拍子に支えを失った私達は、皆一斉に部屋へ雪崩込んだ。
「お前ら何してんだ!!」
予想通り、土方さんは怒声を放つ。
けれど、当の本人達は気にする様子もなく、それぞれ女の子に自己紹介をし始めた。
一通り挨拶が終わると、今度は女の子が口を開く。
「初めまして… 雪村 千鶴 です」
女の子が名前を口にした瞬間、私は驚き目を見開いた。
(‥‥‥‥‥雪村 千鶴‥‥‥‥‥!)
「父… 雪村 綱道 を探して京に来ました…此処に…置いてもらう以上、皆さんのお役に立てる様…努めさせて頂きます」
千鶴は深く頭を下げる。
「有り得ねえ…また綱道か‥‥‥」
幹部達は皆、難しい顔で何か考えはじめた。
「そうだ…ゆき、千鶴はお前の小姓って事にしておけ」
土方さんが私に視線を移す。
「私の…?‥‥わかりました…千鶴さん… 一ノ瀬 ゆき です…宜しくお願いします」
千鶴は昔の事を覚えていなかったようで、私の名を聞いても反応がない。
そんな彼女の様子に、私も一先ず、素性については黙っておく事にした。
「はい!ゆきさん!よろしくお願いします!」
柔らかな笑みは間違いなく、昔よく遊んでいた千鶴のもので、変わらない面影に、なんとも言えない気持ちに包まれた。
「おっ!ゆき、おはよう!」
部屋の前には既に人だかりが出来ている。
「おはよう御座います」
挨拶をすると、永倉さんの笑顔が返って来た。
「新八っつぁん!大声出すなよ!バレるだろうが」
平助君は、人差し指を唇に当て、怒っているようだった。
「すまんすまん…ゆき、早くこっちに来い!」
永倉さんに強引に腕を引かれ、皆に囲まれる形となった私。
逃げ場を失い、仕方なく襖に開いた穴から部屋の様子を伺うことにした。
(後で絶対怒られる‥‥‥‥)
分かっていながらも、気になる気持ちを抑えられず、皆と一緒に中の声に耳を澄ませる。
「なら、君はここに居るといい!ここにいれば 雪村 綱道 を見つける手がかりが見つかるかも知れんしな!」
近藤さんの言葉が耳に入り、ほっと胸を撫で下ろす。
「近藤さん…あんたがそう言うならここに置いてもいいが…オレは…お前を信用したわけじゃない…怪しい動きをすれば即刻斬る」
土方さんは相変わらず慎重だ。
「はい、わかりました!有難うございます」
そんな彼に臆することなく、明るく返事を返す少女。
「誰かの小姓って事にすれば、周りの目もごまかせるだろう」
名案だ、と近藤さんが笑った瞬間。
「お前!良かったなぁ!」
平助君が勢い良く襖を開け、その拍子に支えを失った私達は、皆一斉に部屋へ雪崩込んだ。
「お前ら何してんだ!!」
予想通り、土方さんは怒声を放つ。
けれど、当の本人達は気にする様子もなく、それぞれ女の子に自己紹介をし始めた。
一通り挨拶が終わると、今度は女の子が口を開く。
「初めまして… 雪村 千鶴 です」
女の子が名前を口にした瞬間、私は驚き目を見開いた。
(‥‥‥‥‥雪村 千鶴‥‥‥‥‥!)
「父… 雪村 綱道 を探して京に来ました…此処に…置いてもらう以上、皆さんのお役に立てる様…努めさせて頂きます」
千鶴は深く頭を下げる。
「有り得ねえ…また綱道か‥‥‥」
幹部達は皆、難しい顔で何か考えはじめた。
「そうだ…ゆき、千鶴はお前の小姓って事にしておけ」
土方さんが私に視線を移す。
「私の…?‥‥わかりました…千鶴さん… 一ノ瀬 ゆき です…宜しくお願いします」
千鶴は昔の事を覚えていなかったようで、私の名を聞いても反応がない。
そんな彼女の様子に、私も一先ず、素性については黙っておく事にした。
「はい!ゆきさん!よろしくお願いします!」
柔らかな笑みは間違いなく、昔よく遊んでいた千鶴のもので、変わらない面影に、なんとも言えない気持ちに包まれた。