︎✦︎シフト0nサマーバケ∞ション︎✦︎




「お疲れ様です……」


日払い分の給料を確認し、ドアを開けた。疲れた。だが、イベント代はかなり稼げてきている。今日はたまたま運悪く客が知り合いだったが、なんとかなるだろう。きっと。

ドロドロに溶けそうなほどじっとりとした暑さが気持ち悪い。


(近くのホテルにでも泊まろうかな、家まで帰れないかも)


ぼんやりとした視界に最後に映ったのは、既視感のある外車だった。





「……あれ」


(自力で歩いてホテルまで来れたんだっけ)


誰に運ばれたのかもよくわからない。まずい、一歩間違えれば誘拐事件だ。金目のものが盗まれていないかを確認し、ソファから飛び起きてドアへ向かおうとした。


「起きたのか!」

「ひぃっ!!……なんで先生がここにいるんですか」

「無論、俺がここまで連れてきたからな!まさか目の前で倒れるとは。さすがに俺でも焦った!」

「家まで送ってくれれば良かったんです」

「親御さんに関係を知られたらそちらのほうが大問題だろう」


たしかに……と俯いて返事をする。それで、と肩を掴んで笑いかけられた。


「何故あそこでバイトをしているんだ?」

「や、それは……」

「他の場所でもいいだろう。言いなさい、心陽」

「じ、時給が良くって、コミュニケーション力も身につくし……。お客さんも基本女の人だけだから安心できるし……。」

「他には?」


ああ、もう最悪だ。この人をこの状態にさせたら言わなくてもいいことばかり言ってしまう。怖いわけではない。しっかり応えたらそれ相応の褒美をくれるのが嬉しいのだ。


「衣装が凝ってて、内装も素敵だし……。漫画みたいで憧れていたんです!」

「宇髄からイベント代を稼ぐためにバイトを始めたらしいと聞いた。朔間自ら窮地を救おうとした点は素晴らしい!……が、まさかコンセプトカフェで働いているとはな」


(これ、悪い予感がするぞ)


「悪いことは言わない、バイトを変えろ!!」


いやです!!!と間髪を入れずにはっきり告げた。




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