シュ色の外側







だくだくと流れる鮮かで、それでいてつうと伝う液体。
黒が白に剥かれる。手触りは良いとは言えない。ただ無機質な感情の無い人形を目の前に置かれただけだからだ。
冷たい。青い。白い。ただ、無。足下にはごろごろと転がる――の数々。

それを見


「朔間、君の最寄りに着いたぞ!」

「……あ、ああごめんなさい。寝ていました。」

「見れば分かる!!気を付けるんだぞ!」


時々生々しい夢を見るのだ。大学2年にもなっても、おかしな夢とはおさらばできるわけではないらしい。半ば自分に呆れながら、渇いた候に冷えたりんごジュースをぐい、と流し込む。

―――ただ、先程まで一緒にいたのにすぐ連絡を寄越す方にも呆れを越すものを感じた。
彼…煉獄杏寿郎。院生1年目、去年からサークルが同じでよく顔を合わすのだ。”たまたま”食事も共にすることが多い。彼の友人から聞くに、実家が太いとか。

…その彼から『避暑地に行かないか!!」と来たものだから「2人で?』と返す。普通に考えれば、カップルでも無い限りこんなことは言い出さないだろう。が、私と彼はあいにくそのような間柄ではない。


『そうだ!!』

『旅館の方も取っておいた!!詳しくは明日話す!!』





「何をどうしたらそうなるんですか、煉獄さん」

「君も前に言っていただろう。『都内に居たら豚の丸焼きみたいになる〜』と。」

「それケイちゃんが言ってたことに納得しただけですって。一言も私が言ってません!」


「結局は同じだ!!」と言いくるめられ、否定もできずにただ俯き、口をつぐんだ。


「……どこに行く予定なんですか?」

「青住島だ!名前から涼しげでいいだろう」


セイ、ジュウ


「漢字は、どう書くんですか」

「青に住む島だ!…朔間?」

「あ、いや、聞いたこと無いなって考えてました。」

「船が怖いのならば無理をしなくてもいいぞ?」

「いや、行きます。船乗れます」


では決まりだな!と満面の笑みで言った。悪い人ではまったくない。気遣いもできる人だ。少し、断りにくいけれど。
…それは私のせいでもある。今回ばかりは、多少話が違うが……。


輝く笑顔を前に私はどんな顔をしていたのだろう。ひどくやつれていないことを願うばかりだ。




―――数日後。

周りからすれば、ありきたりな大学生の友人もしくはカップルのような雰囲気で島に到着した。1日に2本くればいい方であろう便の数だった。
数多の提灯が揺らぐ姿に祭を思い浮かべさせて道を歩く。

旅館に荷物を預け、海水浴に行こうとしたときだった。


「遊泳禁止?!」

「ええ〜。この時期はお身体に悪いので〜申し訳ありませんねえ」


彼が、近くに観光できる場所はありますか?と聞くのに対し、老婆が頭を傾げて悩ますものだからこれ以上は迷惑だろうと彼に促す。そして「困ったものだな、海に入れないとは」とため息交じりにこぼすのであった。


「どこか行きたい場所はあるか?」

「特にありません。」

「む、そうか。では、散歩でもするか!」




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