進撃の巨人
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女型巨人との戦いで負傷したノノ。一命を取り留め、意識不明の中で医務室へ運ばれていく。エルヴィンはノノが仲間をかばう姿を見ていて、すぐに駆け寄りたかったが無垢の巨人に囲まれてできなかった。
(ノノを戦闘能力の高さから自分の班に所属させたが、やはり間違いだったのだろうか…彼女のやる気を見て、率先して前に出なければならないポジションにおいてしまったのも、自分の指示によるものだ)
幼さの残るノノの顔に似合わない傷だらけの姿を遠目で確認して、その指示をしたことを悔いた。
後日、エルヴィンは仕事の合間にノノのいる病室へ向かった。病室に近づくと、中からハンジの笑い声が聞こえた。すっと中に入ればいいもののタイミングがつかめず、しばらく会話を盗み聞きするような形になった。どうも、意識不明と思われてたノノは当時、お腹が空きすぎて動けなくなっていただけで、本当は自力で歩けたけどめんどくさくて仲間に背負ってもらったのだと自白していた。「ふざけてんじゃねーぞ」とボソりと聞こえたので、部屋にはリヴァイもいるようだ。エルヴィンは廊下で1人クククと安堵の笑いをこぼして、扉を開けた。
ノノは仲間に囲まれながら、病人ベッドで大きな茶碗を持って食事をしていた。入ってきた団長の姿に驚き、とっさに茶碗を後ろに隠して顔を赤らめた。だが隠しても無駄。会話も聞かれてるし、口の周りにご飯粒も付いている。
「エ、エルヴィン団長…!まさか、来てくださるなんて!」
「あの激戦の中、君が生きてくれて嬉しいよ…もうそんなに食べられるのか」
「えーと!////はい、それはもう…。団長も、げ、元気そうで嬉しいです」
「あぁ。ありがとう」
そしてゆっくりノノの隣まで歩み寄り、彼女の傷の状況を確認した。米粒に気づかないまま、あの時は大変でしたねとかまじめな話をするノノにそうだな…そうだなと返すエルヴィンは、自分が今までに経験したことのない安らぎを感じていた。なぜ、こんなに彼女が笑っていると、安心を感じるのだろう…
(あいつもあんな顔するんだな…)
リヴァイはエルヴィンの優しい眼差しに気づき、ハンジを外に連れ出した。2人きりになった病室。エルヴィンは黙っていられず、ふっと笑いながらノノの口元についた米粒を取ってあげた。
「わぁ〜〜〜////ずっとついてました!?これ!?」
「ついていた。・・・ふっ、はははっ」
「〜〜〜っ/////そ、そんな笑わなくても…あ、あは、あははっ」
ノノはエルヴィンに恋をした。ただの部下である私を気遣い会いに来てくれた優しさと、初めて見る笑顔に。そしてエルヴィンもまた、ノノに恋心が芽生え始めた。命がいつ尽きるかわからない立場故、愛する女性を見つけようとは考えていなかったが…こんなに笑ったのは久しぶりだったからだ。
「また、話そう」
「?は、はい…回復したら、また率先して団長と共に戦います」
「そうではない」
「え」
「また、このように、笑う時間を作るんだよ」
戦う意味。それは人類が生き残るため…それだけを見てきたエルヴィンに、もう一つの生きる意味が与えられた日になった。
...end
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