進撃の巨人
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「ライナー、格闘技講習の時は私と組んで!」
「やる気満々だな、ノノ」
ノノは訓練となると必ずベルトルトに(ごめんね!)と小さく合図を送り、ライナーを譲ってもらっていた。女同士で組む方が気を遣わないんじゃないかと何度かライナーから断られそうになるが、ノノは絶対に譲らなかった。
ノノのライナー好きは104期生全員が知っているほど明らさま。(彼女自身は自覚はないが…)ライナーはその手前、恥ずかしくて素直にノノの気持ちに応えてあげれない。周りからニタニタされるのも嫌で目を合わせることも少ない状況だ。なので、ライナーはノノと格闘技の講習で組む流れになると決まって、
「よぉーし、俺がしっかり見ててやるからな。おい!エレンこっちこい!ノノと一度手合わせしてみろ」
「えぇーまた俺?ライナーがやればいいじゃんか」
「ばっか、俺がやったら骨折ですまねぇよ、ほら!構えろ」
「ライナーと手合わせしたかったなぁ〜ブーブー!」
「エレン倒したらな。はい、はじめー」
と、こうなるのだった。
訓練後、ノノはエレンから倒された時のまま地面に寝そべり、頬を膨らませてライナーを睨んだ。その視線を知ってか知らずか、ライナーは目線を合わせてこない。(なんでよ、ライナー。こっち見てよ…)寂しさが募り、もういい加減こんな風に、さりげなく避けられ続けるのも嫌になった。いつ死ぬかわからないんだから、好きって気持ちは、絶対大事にしなくちゃだもん。
訓練兵たちが宿舎に戻っていく中、ノノは勇気を振り絞ってライナーの背中に向かって全力で走った。その音に気付きライナーが振り返ると、丁度ノノがライナーの胸に飛び込むような形で入ってきた。
「お、おいノノ!?」
「気付かないフリすんな!バカライナー!こっちちゃんと見ろぉ!」
「〜〜〜っ分かった、いや、分かってる。分かってるよ。」
上目遣いのノノとピタッと目が合ってしまったライナーは、この日ついに降参した。思ってた通りみんなからニタニタされながら見守られる中であったが、すっぽり自分の胸の中に収まったノノを抱きしめた。
「やっと、目が合った、んふふ」
それ以降、ノノはみんなの前で明らさまな態度を取ることを止めた。エレンたちはみんな、ノノの一時の感情だったのかなぁ、ライナー振られたね、と笑い話で流した。本人たちは、その後こっそり会って愛を育んでいたようだけれど。
...end
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