ハリーポッター
お名前は?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
アズカバンを逃れたシリウスの無罪が証明されたこと、また、ホグワーツはディメンターの監視下から解放されるという通知が届き、平穏な朝を迎えていた。外廊下を歩くのも嫌だと怯えていた生徒たちにも笑顔が戻り、校内はにぎやかさを取り戻した。ノノは嬉しそうな顔でルーピンの書斎の前に来た。いつも授業で流している軽快なジャズが漏れている。(早く先生と話したい)階段を登り中へ入ると、ルーピンはトランクに荷物を積んでいた。
「ルーピン先生?」
「ノノか。...私が狼人間だということがバレてしまってね」
「...それで?どこかへ行ってしまうの」
「うん。これは、仕方がないことだ」
ルーピンは淡々としていた。悲しそうな顔もせず当たり前のように学校を立ち去るための準備を進めている。これまでも色々な職場で同じ思いをしてきたと聞いたことがある。ノノは次の会話に繋げる言葉が浮かばずしばらく立ちすくんだ。先生がいることが、これからも当たり前だと思っていたから、いなくなるなんて信じられない。
「いやだよ、先生。いなくなっちゃ」
ぽろぽろと大粒の涙が落ちていく。ルーピンのトランクは全て詰め終わり閉じられた。レコードも仕舞われ、すっかり殺風景な部屋になった。ルーピンはノノの前まで来て、手の甲に小さくキスをして静かに抱き寄せた。すまない、と小さく呟く声が聞こえて、ノノは顔がくしゃくしゃになるくらい泣いた。廊下から生徒たちの笑い声が聞こえる。やっと春が来たと、駆けていく足音が響く。
...end
*気に入っていただけましたら ☆ ★ をポチっとお願いします。