ハリーポッター
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ノノはゆっくりと扉を開けた。書斎はレコードから流れるジャズの音楽で包まれていて、甘い珈琲の匂いも充満している。胸が高鳴る。
「ルーピン先生...先生?」
ノノはルーピンを探した。「こっちだよ」声の方へ振り向くと、ルーピンが机の下から出てきた。そして、ホコリをかぶった魔術書を手のひらで優しく払い、ふっと息を吹きかけた。ノノはホコリでくしゃみが出る。
「先生、こっちに向かって吹かないで」
「ふふふ、ちょっと意地悪。ところでノノ、どうしたんだい?用があったんだろう」
「特に...用事はなかったり」
「わかっていたよ」
ルーピンは本も散らかった机の書類も杖一振りで片付けた。
「甘いものが目当てなんだろう。さ、座って」
ノノが自分に会うためにここまで胸を抑えながら来ているということを、“知らないふり”をしているルーピン。狼人間の自分からは、彼女に想いを伝える”資格”はないから。ルーピンはノノの好意を、今はただ、跳ね返さず受け止めていようと考えていた。
そう、今はただ。
机には入れたての珈琲とクッキーが並べられた。向かい合って座り、ルーピンは何も言わず頬杖をつく。ゆっくり珈琲を見て、ノノを見た。ノノは一口食べて、ドキドキ。ルーピンが優しく見ている。あたたかくて、甘い。
レコードの音楽が終わる。
静かに、珈琲をすする音が響く。
(( どんな話をしよう ))
ふたりは最近、こんな風に“お茶会”を開いて、優しい時間を共有している。
「先生レコード...もー1回かけて...ください」
「あぁ、そうしよう」
二人は、“次へのきっかけ”をゆっくり探り合う。
...end
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