積み木遊び
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<<<金田一のマネージャー観察日記>>>
うちのバレー部のマネージャー、月咲マイさんはとってもデキる人だ。
今3年生で、1年の頃からマネージャーをやってるらしい。
長く続けているからか、仕事は早いし頭は回るしチームとの関係もバッチリ。
時にはコーチの代わりに指揮したりもする。本当によく出来るから、マネじゃなくて基礎のコーチにでも転職すればいいと思う。
その上、成績優秀容姿端麗スポーツ万能と来た。
これでモテないはずがない。
と思う所だけど、何故かこのバレー部の中では"ナシ"扱いという空気が漂ってる。あの矢巾さんですら「マネさんはやめとけよ!」と言った。
まるで及川さんだ。
「おい金田一てめー真面目にやんねえと外周倍に増やすぞ!!!」
「あっ、うっス!!」
これだ。
この異常な口の悪さと態度のデカさ。
これ美人じゃなかったら許されてないだろ(特に喋り方)、と俺は思う。
あとはあれだ、及川さんのファンの人との異常な確執。
何か陰口を言われてはその場で喧嘩を起こすもんだから、そのとばっちりは及川さんに、そして及川さん経由でマイさんはいつも怒られている。
ここまで挙げると、マイさんはデキる人じゃなく色々とうるさい人みたいに思えるけど、まぁそれは数少ない彼女の欠点であって基本的にはいい人だ。
ベンチに踏ん反り返って座るマイさんに目を向ける。
…色々あるけどやっぱりうちのマネさん可愛い!!
「金田一よそ見すんな!」
その可愛い人にまた怒られた。
**
「なぁ金田一」
「ハイッ」
部活終わり、着替えをしていたら松川さんに声をかけられた。
「お前今日月咲の事やたら見てなかった?あいつなんか変だったか?」
「えっ、別に何も…」
「なになに〜?金田一がマイちゃんに片想い〜〜?!」
「ち、違うっスから!!」
めんどくさい人が出てきた。
見てたのは認めるけど、美人なのは認めるけど、そうじゃない!!
「金田一…お前の為に言っとくけどあいつはやめといた方が…」
「岩泉さんまでなんすか!」
「じゃあなんでわざわざ月咲なんか見てたんだよ。毎日見てるだろー?」
……。
「いや、マイさんあんなに美人でなんでもできるのに、浮ついた話とか聞かないな〜って…」
「……」
3年生が顔を見合わせて黙る。
もしかしてこれ地雷?!
「そりゃ、あれだろ。見てたらわかるだろ」
「…はぁ」
「あんなワガママお姫様、いや大魔王様好きな奴は相当物好きだよ」
「顔 だ け !は良いからね、マイは!」
「それ特大ブーメランだぞクソ及川」
3年の先輩からは散々な言われよう。
いやでも仲は良いから、嫌われてるとかでは無さそう。他の部員からもマイさん嫌いだ!みたいな声は聞いたことがない。
「じゃあ先輩方は、マイさんの事好きになったりとかはなかったんですか?」
「ねーな」
「そういや無いな」
花巻さん、松川さん即答。悩む余地もなし。
「及川は1年の序盤で告ってフラれてたぞ」
「岩ちゃんそれ言っちゃう?!」
「懐かしー!そんなこともあったなー」
「あん時の月咲の蔑んだ目、忘れらんねぇわ」
「『は?お前女の香水の匂いプンップンするからマジでねーわ』ってな!」
「あれで初めて月咲の本性見えたな。正直スカッとした」
「もうやめて!!」
及川さんへの集団リンチが始まる。
そうか、お約束のようにマイさんにも手を出そうとしたのか…
なんというか、命知らず。
「まぁ正直俺も、初めて会った時はマネ超可愛いじゃん!!って思ったけどな」
「花巻さん!やっぱりそう思いますよね?!」
「最初だけな、最初だけ」
「俺は特に思わなかった」
「岩ちゃんは枯れてるんじゃないの?ま、今でもマイは変わらずかわいーよ、顔だけは」
「てめぇぶん殴るぞ」
「暴力反対!」
及川さんが岩泉さんにシメられそうになったところで、部室のドアが突如バンッと開いた。
「ねーそろそろ帰ろーよどんだけ着替えに時間かかってんだよおせーよ女かよ」
制服に着替えたマイさんが、片足でドアを押さえながら腕組みをして言う。
一般的にはお下品な姿勢だけど、この人がやると絵になる。うちのマネージャーのすごいところその20ぐらいだ。
「あ、月咲。金田一がお前のこと可愛い、好きって言ってきかなくてよー」
「えっ?!そこまで言ってな…」
「はぁ?あたしが可愛いのは当たり前じゃん、思わなかったら目ぇ腐ってんな」
「……」
「ほら、こういうのがダメなの。この人は」
松川さんがマイさんを呆れながら指差す。
マイさんはと言えば、おっせぇ早くしろよーって悪態つきながら携帯を見始めている。
「そういや月咲さー」
「あ?何?」
「お前好きな奴とかいねーの?」
花巻さんの言葉に、マイさんがピタッと停止した。
しばらくの無言。
見守る残った部員一同。
そ、それは聞いていいヤツなのか?!
「…いねーよ!なんでお前らにそんなの教えなきゃなんないの!」
「……」
誰も予想しなかった反応。
いきなり赤くなるマイさんに、その場の全員が思った。
((あ…いるんだ…))
「もう早く帰ろ!!鍵閉めんぞ!!」
バタンッと大きな音を立てて、マイさんが部室を出る。
それと同時に、3年生が焦った顔をしだした。
「おい、今の見た?!」
「あれ絶対いる反応だよな」
「えーマイの好きな人?!誰だろ、気になる…!」
「お前じゃねえことは確かだな」
「岩ちゃんひどい!!そんなの分かんないじゃん!!」
「まあ俺らが聞いても絶対教えてくんないだろうな…」
3年生の視線が俺に集まる。
嫌な予感…
「金田一」
「ハイッ?!」
「お前、マイの好きな人探れ」
「え?」
5月某日。
成り行きでマネージャーの好きな人探り隊長に任命された。
うちのバレー部のマネージャー、月咲マイさんはとってもデキる人だ。
今3年生で、1年の頃からマネージャーをやってるらしい。
長く続けているからか、仕事は早いし頭は回るしチームとの関係もバッチリ。
時にはコーチの代わりに指揮したりもする。本当によく出来るから、マネじゃなくて基礎のコーチにでも転職すればいいと思う。
その上、成績優秀容姿端麗スポーツ万能と来た。
これでモテないはずがない。
と思う所だけど、何故かこのバレー部の中では"ナシ"扱いという空気が漂ってる。あの矢巾さんですら「マネさんはやめとけよ!」と言った。
まるで及川さんだ。
「おい金田一てめー真面目にやんねえと外周倍に増やすぞ!!!」
「あっ、うっス!!」
これだ。
この異常な口の悪さと態度のデカさ。
これ美人じゃなかったら許されてないだろ(特に喋り方)、と俺は思う。
あとはあれだ、及川さんのファンの人との異常な確執。
何か陰口を言われてはその場で喧嘩を起こすもんだから、そのとばっちりは及川さんに、そして及川さん経由でマイさんはいつも怒られている。
ここまで挙げると、マイさんはデキる人じゃなく色々とうるさい人みたいに思えるけど、まぁそれは数少ない彼女の欠点であって基本的にはいい人だ。
ベンチに踏ん反り返って座るマイさんに目を向ける。
…色々あるけどやっぱりうちのマネさん可愛い!!
「金田一よそ見すんな!」
その可愛い人にまた怒られた。
**
「なぁ金田一」
「ハイッ」
部活終わり、着替えをしていたら松川さんに声をかけられた。
「お前今日月咲の事やたら見てなかった?あいつなんか変だったか?」
「えっ、別に何も…」
「なになに〜?金田一がマイちゃんに片想い〜〜?!」
「ち、違うっスから!!」
めんどくさい人が出てきた。
見てたのは認めるけど、美人なのは認めるけど、そうじゃない!!
「金田一…お前の為に言っとくけどあいつはやめといた方が…」
「岩泉さんまでなんすか!」
「じゃあなんでわざわざ月咲なんか見てたんだよ。毎日見てるだろー?」
……。
「いや、マイさんあんなに美人でなんでもできるのに、浮ついた話とか聞かないな〜って…」
「……」
3年生が顔を見合わせて黙る。
もしかしてこれ地雷?!
「そりゃ、あれだろ。見てたらわかるだろ」
「…はぁ」
「あんなワガママお姫様、いや大魔王様好きな奴は相当物好きだよ」
「顔 だ け !は良いからね、マイは!」
「それ特大ブーメランだぞクソ及川」
3年の先輩からは散々な言われよう。
いやでも仲は良いから、嫌われてるとかでは無さそう。他の部員からもマイさん嫌いだ!みたいな声は聞いたことがない。
「じゃあ先輩方は、マイさんの事好きになったりとかはなかったんですか?」
「ねーな」
「そういや無いな」
花巻さん、松川さん即答。悩む余地もなし。
「及川は1年の序盤で告ってフラれてたぞ」
「岩ちゃんそれ言っちゃう?!」
「懐かしー!そんなこともあったなー」
「あん時の月咲の蔑んだ目、忘れらんねぇわ」
「『は?お前女の香水の匂いプンップンするからマジでねーわ』ってな!」
「あれで初めて月咲の本性見えたな。正直スカッとした」
「もうやめて!!」
及川さんへの集団リンチが始まる。
そうか、お約束のようにマイさんにも手を出そうとしたのか…
なんというか、命知らず。
「まぁ正直俺も、初めて会った時はマネ超可愛いじゃん!!って思ったけどな」
「花巻さん!やっぱりそう思いますよね?!」
「最初だけな、最初だけ」
「俺は特に思わなかった」
「岩ちゃんは枯れてるんじゃないの?ま、今でもマイは変わらずかわいーよ、顔だけは」
「てめぇぶん殴るぞ」
「暴力反対!」
及川さんが岩泉さんにシメられそうになったところで、部室のドアが突如バンッと開いた。
「ねーそろそろ帰ろーよどんだけ着替えに時間かかってんだよおせーよ女かよ」
制服に着替えたマイさんが、片足でドアを押さえながら腕組みをして言う。
一般的にはお下品な姿勢だけど、この人がやると絵になる。うちのマネージャーのすごいところその20ぐらいだ。
「あ、月咲。金田一がお前のこと可愛い、好きって言ってきかなくてよー」
「えっ?!そこまで言ってな…」
「はぁ?あたしが可愛いのは当たり前じゃん、思わなかったら目ぇ腐ってんな」
「……」
「ほら、こういうのがダメなの。この人は」
松川さんがマイさんを呆れながら指差す。
マイさんはと言えば、おっせぇ早くしろよーって悪態つきながら携帯を見始めている。
「そういや月咲さー」
「あ?何?」
「お前好きな奴とかいねーの?」
花巻さんの言葉に、マイさんがピタッと停止した。
しばらくの無言。
見守る残った部員一同。
そ、それは聞いていいヤツなのか?!
「…いねーよ!なんでお前らにそんなの教えなきゃなんないの!」
「……」
誰も予想しなかった反応。
いきなり赤くなるマイさんに、その場の全員が思った。
((あ…いるんだ…))
「もう早く帰ろ!!鍵閉めんぞ!!」
バタンッと大きな音を立てて、マイさんが部室を出る。
それと同時に、3年生が焦った顔をしだした。
「おい、今の見た?!」
「あれ絶対いる反応だよな」
「えーマイの好きな人?!誰だろ、気になる…!」
「お前じゃねえことは確かだな」
「岩ちゃんひどい!!そんなの分かんないじゃん!!」
「まあ俺らが聞いても絶対教えてくんないだろうな…」
3年生の視線が俺に集まる。
嫌な予感…
「金田一」
「ハイッ?!」
「お前、マイの好きな人探れ」
「え?」
5月某日。
成り行きでマネージャーの好きな人探り隊長に任命された。
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