お名前をお願いします
幸福論
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
**
バレー部の見学に行ってから数日。
あれから部活にはまだ顔を出してないけど、日向たちとは少し仲良くなった。
後ろの席の月島とその親友の山口くんも、最近はお昼ご飯仲間になった。
高校初の脱ぼっち飯!ちなみに誘ってくれたのは山口くん。
「なぁ、今日も来ないの?!」
「今日はハンド部の助っ人ー」
「ぐわあああ!遅かったか!」
昼休み後半に入っても、日向のマネージャー勧誘はまだ続く。
日向がクラスに来るときは、仲良しなのか知らないけど王様も一緒に来る。
なんかすごい居心地悪そうな顔して来るけど、そんな顔するぐらいならついて来なきゃいいのにと思う。
先日の体育の授業で大活躍を納めてからというもの、いろんな部活の練習相手や助っ人に呼び出されることが増えた。
それでも何故かチームとは上手くいかないから、あたしが部活に入ることはない。
「そうだ!俺たち来月インハイの予選あるんだけど、月咲観に来ない?」
「え」
またインハイのお誘い…
なんか徹も言ってた。
どうしようかな、青城と当たらない時なら良いかな。徹にも悪いし。
「一試合目どこと?」
「まだ知らない!」
「じゃあどこと当たるかによっては観に行く」
「なんだそれ!まぁいいや!ありがと!」
日向は嬉しそうにそう言ってあたしのクラスを出て行った。(ついでに王様も)
なんとかマネージャーの話はうやむやになったからよかった。
「チョット」
「あ?」
日向と入れ替わりで、すぐ後ろの席で沈黙を貫いていた月島が話しかけてきた。
どうやら部活以外で彼らとは関わりたくないらしい。
「例のオトモダチがいる青葉城西と当たらないか心配してんの?」
「…よくお分かりで」
「向こうはシードだろうから、心配しなくても一試合目は居ないと思うよ」
「そうなの?」
「多分ね。君がどっち贔屓なのかは知らないけど」
「…まぁ、徹には悪いけど烏野かな」
「フーン」
会話が途切れる。続かない。
しかも元々こっち見て喋ってないし。
「でも行ってもお手伝いはしないよ」
「期待してないから大丈夫」
月島にバッサリ切られる。
なんだろう…こいつ、すごい腹立つ…
自分から話しかけてきたくせに興味なさげにするから、むかつくしこっち向くまで話しかけてやろうと思う。
「月島も出るの?」
「…まぁ」
「1年生みんな?」
「山口はスタメンじゃない」
「…ふーん」
山口くんだけ違うんだ。
あたしなら、仲いい奴がスタメンで自分が外れたら仲良くできる自信はない。
絶対むかつくし、妬むと思う。
それでも山口くんは月島と変わらず仲良くしているから、きっとそんな感情以外の何かが2人の間にはあるんだろうな。
今山口くんは職員室に向かっていて居ないけど。
あたしには、無い物。
全部完璧にこなせても、無い物。
「…いいなぁ」
「は?ナニが?」
思わず心の声が漏れた。
月島は妙なものでも見るような訝しげな顔をしている。
どう言い訳しよう。
突っ込まれたらなんか月島を羨ましがってるみたいで恥ずかしいし、適当に取り繕わないと…
「えっ、いや、部活とか…チームとか…」
「君も入ればいいんじゃないの」
「ダメ。人とうまくいかないから」
「まぁ、それは見てて分かるよ」
「……」
見ててわかるほど酷いんですかね?
「月咲さ」
「ん?」
「青城の大王様とそんなに仲良いの」
月島がこっちを向く。
やっとあたしを見たから、心の中でちょっと勝ち誇った気持ちになった。
でも月島は、いつもみたいに揶揄うとかじゃなくて、真顔。ちょっと怖い。
「なに急に」
「君、口開けばその人の話ばっかするから」
「そりゃあたし他に友達いないし、近所だし。なんなら隣の家だし。なんていうか、親みたいな」
「へぇ」
「…なにその顔」
「別に」
さっきは真顔だったくせに、急にしかめっ面の機嫌悪そうな顔に変わっている。
なにを考えてるのかあたしには理解不能。
「大王様ってさ、君の事なんて呼んでんの」
「……?マイだけど…」
「フーン」
「……」
なにその反応…
どうしてこんな徹のことばっかり聞いて来るんだろう。
とても徹に興味があるわけじゃなさそうなのに。
「…あのさ」
「ハイ」
「蛍って呼びなよ」
「………ハイ?」
突然月島がボソッと呟いた。
、、、。
…蛍?蛍って誰だっけ?…あっ!月島の名前か!?
ビンゴのようで、月島の顔が元に戻ってる。
というより、なんなんだろうこの急展開。あたしの方が変な顔になってしまう。
「なんなの今日?熱でもあんの?」
「…ないと思いますケド」
平然を装う月島。
丁度いいところで、山口くんが戻ってきたのが見えた。
「あ、山口くん帰ってきた。山口くんちょっとー、今日月島変なんだけどー!」
「えっ?!どうかしたの?!」
すごい勢いであたしたちの方に走ってくる。
「さっきから変なことばっか聞いてくるんだけど、どっかで頭でも打ったんじゃない?この人。天井とか!」
「そうなのツッキー?!大丈夫?!」
「…チョット2人とも黙ってくんない」
キーンコーンカーンコーン
予鈴がなり、みんなが席に着く。
相変わらず後ろに座る月島は、微動だにせず音楽を聴きだした。
結局何だったのかよくわからず名前呼びはできなくて、昼休みは終わってしまった。
バレー部の見学に行ってから数日。
あれから部活にはまだ顔を出してないけど、日向たちとは少し仲良くなった。
後ろの席の月島とその親友の山口くんも、最近はお昼ご飯仲間になった。
高校初の脱ぼっち飯!ちなみに誘ってくれたのは山口くん。
「なぁ、今日も来ないの?!」
「今日はハンド部の助っ人ー」
「ぐわあああ!遅かったか!」
昼休み後半に入っても、日向のマネージャー勧誘はまだ続く。
日向がクラスに来るときは、仲良しなのか知らないけど王様も一緒に来る。
なんかすごい居心地悪そうな顔して来るけど、そんな顔するぐらいならついて来なきゃいいのにと思う。
先日の体育の授業で大活躍を納めてからというもの、いろんな部活の練習相手や助っ人に呼び出されることが増えた。
それでも何故かチームとは上手くいかないから、あたしが部活に入ることはない。
「そうだ!俺たち来月インハイの予選あるんだけど、月咲観に来ない?」
「え」
またインハイのお誘い…
なんか徹も言ってた。
どうしようかな、青城と当たらない時なら良いかな。徹にも悪いし。
「一試合目どこと?」
「まだ知らない!」
「じゃあどこと当たるかによっては観に行く」
「なんだそれ!まぁいいや!ありがと!」
日向は嬉しそうにそう言ってあたしのクラスを出て行った。(ついでに王様も)
なんとかマネージャーの話はうやむやになったからよかった。
「チョット」
「あ?」
日向と入れ替わりで、すぐ後ろの席で沈黙を貫いていた月島が話しかけてきた。
どうやら部活以外で彼らとは関わりたくないらしい。
「例のオトモダチがいる青葉城西と当たらないか心配してんの?」
「…よくお分かりで」
「向こうはシードだろうから、心配しなくても一試合目は居ないと思うよ」
「そうなの?」
「多分ね。君がどっち贔屓なのかは知らないけど」
「…まぁ、徹には悪いけど烏野かな」
「フーン」
会話が途切れる。続かない。
しかも元々こっち見て喋ってないし。
「でも行ってもお手伝いはしないよ」
「期待してないから大丈夫」
月島にバッサリ切られる。
なんだろう…こいつ、すごい腹立つ…
自分から話しかけてきたくせに興味なさげにするから、むかつくしこっち向くまで話しかけてやろうと思う。
「月島も出るの?」
「…まぁ」
「1年生みんな?」
「山口はスタメンじゃない」
「…ふーん」
山口くんだけ違うんだ。
あたしなら、仲いい奴がスタメンで自分が外れたら仲良くできる自信はない。
絶対むかつくし、妬むと思う。
それでも山口くんは月島と変わらず仲良くしているから、きっとそんな感情以外の何かが2人の間にはあるんだろうな。
今山口くんは職員室に向かっていて居ないけど。
あたしには、無い物。
全部完璧にこなせても、無い物。
「…いいなぁ」
「は?ナニが?」
思わず心の声が漏れた。
月島は妙なものでも見るような訝しげな顔をしている。
どう言い訳しよう。
突っ込まれたらなんか月島を羨ましがってるみたいで恥ずかしいし、適当に取り繕わないと…
「えっ、いや、部活とか…チームとか…」
「君も入ればいいんじゃないの」
「ダメ。人とうまくいかないから」
「まぁ、それは見てて分かるよ」
「……」
見ててわかるほど酷いんですかね?
「月咲さ」
「ん?」
「青城の大王様とそんなに仲良いの」
月島がこっちを向く。
やっとあたしを見たから、心の中でちょっと勝ち誇った気持ちになった。
でも月島は、いつもみたいに揶揄うとかじゃなくて、真顔。ちょっと怖い。
「なに急に」
「君、口開けばその人の話ばっかするから」
「そりゃあたし他に友達いないし、近所だし。なんなら隣の家だし。なんていうか、親みたいな」
「へぇ」
「…なにその顔」
「別に」
さっきは真顔だったくせに、急にしかめっ面の機嫌悪そうな顔に変わっている。
なにを考えてるのかあたしには理解不能。
「大王様ってさ、君の事なんて呼んでんの」
「……?マイだけど…」
「フーン」
「……」
なにその反応…
どうしてこんな徹のことばっかり聞いて来るんだろう。
とても徹に興味があるわけじゃなさそうなのに。
「…あのさ」
「ハイ」
「蛍って呼びなよ」
「………ハイ?」
突然月島がボソッと呟いた。
、、、。
…蛍?蛍って誰だっけ?…あっ!月島の名前か!?
ビンゴのようで、月島の顔が元に戻ってる。
というより、なんなんだろうこの急展開。あたしの方が変な顔になってしまう。
「なんなの今日?熱でもあんの?」
「…ないと思いますケド」
平然を装う月島。
丁度いいところで、山口くんが戻ってきたのが見えた。
「あ、山口くん帰ってきた。山口くんちょっとー、今日月島変なんだけどー!」
「えっ?!どうかしたの?!」
すごい勢いであたしたちの方に走ってくる。
「さっきから変なことばっか聞いてくるんだけど、どっかで頭でも打ったんじゃない?この人。天井とか!」
「そうなのツッキー?!大丈夫?!」
「…チョット2人とも黙ってくんない」
キーンコーンカーンコーン
予鈴がなり、みんなが席に着く。
相変わらず後ろに座る月島は、微動だにせず音楽を聴きだした。
結局何だったのかよくわからず名前呼びはできなくて、昼休みは終わってしまった。