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幸福論
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「あれ、マイ今帰り?」
「あ、徹」
**
バレー部の見学が終わり家に帰る途中で、同じく部活帰りと思われる徹とばったり会った。
ここの所学校帰りにたまたま会うのは珍しい気がする。
「こんな時間に会うなんて珍しいね?バイト?」
「今日はバイトじゃないよ。バレー部行って王様見てきた」
「えっ、トビオちゃんに会ったの?!」
「うん。サーブ打ってもらった」
「打ってもらったって…」
普通初対面でそういう事する?って徹がため息をつく。
「結構痛かったよー。まぁ徹のやつのが痛いかな?とれたけど」
「と、とれたんだ…それで?トビオちゃんやっぱり王様やってた?」
「全然。王様って何なの?って感じ。てか、徹も最近試合で会ったんじゃないの?」
「俺はちょっとしか見てないからあんまり分かんない。チビちゃんと速攻やってたのはびっくりしたけどー」
「チビちゃんって…あー、日向か」
「そうそう。見た?」
「見た。よくわかんなかったけど」
「あれはホント意味不明だよ。トビオちゃん王様やってないってなると怖くなるなー」
「ふーん」
怖くなるって、脅威ってことかな?
あたしとしては全然怖そうじゃなかったけど。
「マイさ、今度のインハイ予選見にくる?俺も岩ちゃんも出るよ」
「行かない」
「えっ?!」
「行かないよ」
徹があたしを見て固まってる。
何なの?別に今までも毎回見に行ってたわけじゃないし。
「俺のカッコいいとこ見たくないの?はっ、もしかして俺のこと嫌いになった!?」
「…なんでそうなるの?頭おかしいの?」
「え〜じゃあ何で〜?そっか!バイトでもあんの?」
「烏野と当たるかもでしょ」
「……ハイ?」
「だから、うちと当たるかもしんないでしょ」
「…マイちゃん……」
いきなり徹の元気が無くなった気がする。
なんかさっきよりも歩くスピードが落ちて、トボトボ歩いてる。
自分の学校も出るんだから応援できないのは当たり前だと思うけど。
「烏野で彼氏でもできたの…?」
「ハァ?!」
「だって、今までマイが自分の学校だからって応援することなんて無かったじゃん…」
「友達もろくに居ないのに彼氏なんか居るわけないでしょ!」
「怪し〜」
「徹ホントめんどくさい!!ほらもう家だよ!入るよ!」
気づいたらもう家の前まで来ていた。
徹の家はすぐ隣。
あたしが先に門を開けて入ったところで徹の方を見ると、徹が変な顔をしてこっちを見ていた。
「…何?」
「マイさ、なんで青城来なかったの?」
ふわっと風が抜ける。
スカートがちょっとだけなびく。
「なんでって」
「ただでさえ友達いないんだから、俺と岩ちゃんが居るとこ来ると思ってた」
「よくある親離れって奴ですよー」
「俺たちマイちゃんの親なんだ?岩ちゃんがお母ちゃんかな?」
「そこはどうでもいいんだけど、本音言うと私立は高いから行きたくなかったの。あと、烏野は制服が好みだったから」
「マイだったらウチの特待生いけたんじゃないの?学費免除じゃん」
特待生。
なろうと思えば余裕でなれた。
けど、あたしは理由あってそうしなかった。
徹には絶対言わないけど。
「もうなんでもいいでしょ、終わったことなんだし。今日しつこいよ」
「うっ、マイひどい…そっかぁ、親離れかぁ、及川さん悲しい…」
「はいはいおやすみ。また明日ね、会うか分かんないけど」
「親離れした上にバレー部の彼氏かぁ…どこのどいつか知らないけど潰してやろうかな…」
「徹うるさい!早く自分ち入れ!」
しょげた徹を無視して、あたしは思いっきり玄関のドアを閉めた。
今日も「ただいま」は、言わない。
*
「もしもし岩ちゃん…?」
「なんだようんこ野郎」
「今ね、俺、マイと会ったんだけどさ…マイが…マイちゃんが…」
「は?マイがどうした?」
「マイが親離れしたっぽいよお母ちゃん…」
「なんだそれ。あと俺はお母ちゃんじゃねえよ」
「あとね、烏野で彼氏できたみたいだよ…及川さん悲しいよ…」
「マジか?!」
知らないところで変な噂が立った。
「あ、徹」
**
バレー部の見学が終わり家に帰る途中で、同じく部活帰りと思われる徹とばったり会った。
ここの所学校帰りにたまたま会うのは珍しい気がする。
「こんな時間に会うなんて珍しいね?バイト?」
「今日はバイトじゃないよ。バレー部行って王様見てきた」
「えっ、トビオちゃんに会ったの?!」
「うん。サーブ打ってもらった」
「打ってもらったって…」
普通初対面でそういう事する?って徹がため息をつく。
「結構痛かったよー。まぁ徹のやつのが痛いかな?とれたけど」
「と、とれたんだ…それで?トビオちゃんやっぱり王様やってた?」
「全然。王様って何なの?って感じ。てか、徹も最近試合で会ったんじゃないの?」
「俺はちょっとしか見てないからあんまり分かんない。チビちゃんと速攻やってたのはびっくりしたけどー」
「チビちゃんって…あー、日向か」
「そうそう。見た?」
「見た。よくわかんなかったけど」
「あれはホント意味不明だよ。トビオちゃん王様やってないってなると怖くなるなー」
「ふーん」
怖くなるって、脅威ってことかな?
あたしとしては全然怖そうじゃなかったけど。
「マイさ、今度のインハイ予選見にくる?俺も岩ちゃんも出るよ」
「行かない」
「えっ?!」
「行かないよ」
徹があたしを見て固まってる。
何なの?別に今までも毎回見に行ってたわけじゃないし。
「俺のカッコいいとこ見たくないの?はっ、もしかして俺のこと嫌いになった!?」
「…なんでそうなるの?頭おかしいの?」
「え〜じゃあ何で〜?そっか!バイトでもあんの?」
「烏野と当たるかもでしょ」
「……ハイ?」
「だから、うちと当たるかもしんないでしょ」
「…マイちゃん……」
いきなり徹の元気が無くなった気がする。
なんかさっきよりも歩くスピードが落ちて、トボトボ歩いてる。
自分の学校も出るんだから応援できないのは当たり前だと思うけど。
「烏野で彼氏でもできたの…?」
「ハァ?!」
「だって、今までマイが自分の学校だからって応援することなんて無かったじゃん…」
「友達もろくに居ないのに彼氏なんか居るわけないでしょ!」
「怪し〜」
「徹ホントめんどくさい!!ほらもう家だよ!入るよ!」
気づいたらもう家の前まで来ていた。
徹の家はすぐ隣。
あたしが先に門を開けて入ったところで徹の方を見ると、徹が変な顔をしてこっちを見ていた。
「…何?」
「マイさ、なんで青城来なかったの?」
ふわっと風が抜ける。
スカートがちょっとだけなびく。
「なんでって」
「ただでさえ友達いないんだから、俺と岩ちゃんが居るとこ来ると思ってた」
「よくある親離れって奴ですよー」
「俺たちマイちゃんの親なんだ?岩ちゃんがお母ちゃんかな?」
「そこはどうでもいいんだけど、本音言うと私立は高いから行きたくなかったの。あと、烏野は制服が好みだったから」
「マイだったらウチの特待生いけたんじゃないの?学費免除じゃん」
特待生。
なろうと思えば余裕でなれた。
けど、あたしは理由あってそうしなかった。
徹には絶対言わないけど。
「もうなんでもいいでしょ、終わったことなんだし。今日しつこいよ」
「うっ、マイひどい…そっかぁ、親離れかぁ、及川さん悲しい…」
「はいはいおやすみ。また明日ね、会うか分かんないけど」
「親離れした上にバレー部の彼氏かぁ…どこのどいつか知らないけど潰してやろうかな…」
「徹うるさい!早く自分ち入れ!」
しょげた徹を無視して、あたしは思いっきり玄関のドアを閉めた。
今日も「ただいま」は、言わない。
*
「もしもし岩ちゃん…?」
「なんだようんこ野郎」
「今ね、俺、マイと会ったんだけどさ…マイが…マイちゃんが…」
「は?マイがどうした?」
「マイが親離れしたっぽいよお母ちゃん…」
「なんだそれ。あと俺はお母ちゃんじゃねえよ」
「あとね、烏野で彼氏できたみたいだよ…及川さん悲しいよ…」
「マジか?!」
知らないところで変な噂が立った。