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幸福論
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本当のしあわせを さがしたときに
愛し愛されたいと考えるようになりました
**
新緑繁る爽やかな気候。
高校に入学し、1ヶ月ほど経っていた。
「マイちゃ〜〜ん、友達は出来たのかな〜〜?」
庭で草むしりをしていると、塀の上から声がした。
ニコニコ笑いながらあたしを見ているのは、幼馴染の及川徹。
あたしよりも2個上。
「…分かってて聞いてんの?それ」
「だよねーその性格じゃ無理だよねー知ってた!」
「徹だって岩ちゃんしかいないじゃん!!」
「俺はモテるからいいの!!」
低めのブロック塀を乗り越えて、隣の自宅から徹が入ってくる。
相変わらず脚が長くて、とってもうざい。
「それよりさ、マイの学校に俺のクソかわいい後輩いない?」
「知らない。徹そっちから草抜いてって」
「巷では王様って呼ばれてるらしいんだけど。これは抜いていいやつ?」
「それはダメなやつ。あたしとおんなじ学年?全然わかんない」
「頭悪いし性格もアレなんだけど、バレーだけは天才なんだよ。協調性はある意味天才だけどね!下手したらマイより」
「ふーん」
せっかくの振替休日なのに、徹は文句ひとつ言わず手伝ってくれる。
見ての通りあたしはとにかく友達がいなくて、人との関わりは極端に希薄。
まんざらでもなく自分で言うけど、頭はすごく良いと思う。
でも友達はどうしてもできない。そこがだめなのかも知れない。
そして徹のクソかわいい後輩なんて知ってるはずもない。
「ねぇ、今日岩ちゃん暇かな?」
「暇なんじゃない?」
「じゃあここ抜き終わったら岩ちゃんち行こうよ」
「行って何するつもり?」
「バレー」
ズボッと気持ちよく大きい草が抜けた。
自慢げに徹を見ると、びっくりした顔で固まっている。
「えっ、マイどうしたの?!熱でもあんの?!」
「なんであたしがバレーするって言ったらそうなんの!!」
「いや、だって、今までマイからバレーしたがることなんてなかったじゃん…」
「今の気分なの!最近興味あるの!」
思い返せばこの人たちとのバレーと言えば、小学生の頃、徹と岩ちゃんに無理やり参加させられて泣いたり、徹のサーブの的にされたり、中学生からはとにかく過酷な自主練に付き合わされたりと散々な目に遭っている。
でも、そのおかげであたしは文字通りの文武両道を体現できるようになっていた。
そう、運動神経だってかなり良いと思う。
「でもマイ、今の俺たちとやっても楽しくないと思うけど?」
「余計なお世話だよ。こう見えてあたしバレー部の助っ人とか行ってたから」
「女子バレーじゃん」
「女子だもん。よし、終わりー」
立ち上がって土を払う。
抜いた草はとりあえず放置!
乾いて萎びていくはず。
「ほんとにバレーすんの?」
「徹のそのご自慢のサーブ獲ってみたくなったの!」
「マイじゃ無理だよ」
「そういうのは結果が出てから言うことですぅ〜〜早く行こー」
「はいはい」
あたしのママチャリに徹が乗って、その荷台にあたしが座る。
なんだか安心するこの感じ。
やっぱり気の許せる人っていいな、と改めて思う。
久しぶりに近くでみた徹の背中はすごく広くて、あたしだけ置いていかれたみたいでちょっと悔しくなった。
「ちゃんとつかまった?」
「ばっちり!」
「はい出発しまーす」
「あっ、ローンソ寄ってお土産買ってこ」
「マイそれ遠回りだからやめとこう」
徹の広い背中をひっつかんで、落ちないように気を払う。
きゅるきゅると自転車が鳴く。
月咲マイ、15歳。
及川徹と岩泉一以外の友達はまだできない。
愛し愛されたいと考えるようになりました
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新緑繁る爽やかな気候。
高校に入学し、1ヶ月ほど経っていた。
「マイちゃ〜〜ん、友達は出来たのかな〜〜?」
庭で草むしりをしていると、塀の上から声がした。
ニコニコ笑いながらあたしを見ているのは、幼馴染の及川徹。
あたしよりも2個上。
「…分かってて聞いてんの?それ」
「だよねーその性格じゃ無理だよねー知ってた!」
「徹だって岩ちゃんしかいないじゃん!!」
「俺はモテるからいいの!!」
低めのブロック塀を乗り越えて、隣の自宅から徹が入ってくる。
相変わらず脚が長くて、とってもうざい。
「それよりさ、マイの学校に俺のクソかわいい後輩いない?」
「知らない。徹そっちから草抜いてって」
「巷では王様って呼ばれてるらしいんだけど。これは抜いていいやつ?」
「それはダメなやつ。あたしとおんなじ学年?全然わかんない」
「頭悪いし性格もアレなんだけど、バレーだけは天才なんだよ。協調性はある意味天才だけどね!下手したらマイより」
「ふーん」
せっかくの振替休日なのに、徹は文句ひとつ言わず手伝ってくれる。
見ての通りあたしはとにかく友達がいなくて、人との関わりは極端に希薄。
まんざらでもなく自分で言うけど、頭はすごく良いと思う。
でも友達はどうしてもできない。そこがだめなのかも知れない。
そして徹のクソかわいい後輩なんて知ってるはずもない。
「ねぇ、今日岩ちゃん暇かな?」
「暇なんじゃない?」
「じゃあここ抜き終わったら岩ちゃんち行こうよ」
「行って何するつもり?」
「バレー」
ズボッと気持ちよく大きい草が抜けた。
自慢げに徹を見ると、びっくりした顔で固まっている。
「えっ、マイどうしたの?!熱でもあんの?!」
「なんであたしがバレーするって言ったらそうなんの!!」
「いや、だって、今までマイからバレーしたがることなんてなかったじゃん…」
「今の気分なの!最近興味あるの!」
思い返せばこの人たちとのバレーと言えば、小学生の頃、徹と岩ちゃんに無理やり参加させられて泣いたり、徹のサーブの的にされたり、中学生からはとにかく過酷な自主練に付き合わされたりと散々な目に遭っている。
でも、そのおかげであたしは文字通りの文武両道を体現できるようになっていた。
そう、運動神経だってかなり良いと思う。
「でもマイ、今の俺たちとやっても楽しくないと思うけど?」
「余計なお世話だよ。こう見えてあたしバレー部の助っ人とか行ってたから」
「女子バレーじゃん」
「女子だもん。よし、終わりー」
立ち上がって土を払う。
抜いた草はとりあえず放置!
乾いて萎びていくはず。
「ほんとにバレーすんの?」
「徹のそのご自慢のサーブ獲ってみたくなったの!」
「マイじゃ無理だよ」
「そういうのは結果が出てから言うことですぅ〜〜早く行こー」
「はいはい」
あたしのママチャリに徹が乗って、その荷台にあたしが座る。
なんだか安心するこの感じ。
やっぱり気の許せる人っていいな、と改めて思う。
久しぶりに近くでみた徹の背中はすごく広くて、あたしだけ置いていかれたみたいでちょっと悔しくなった。
「ちゃんとつかまった?」
「ばっちり!」
「はい出発しまーす」
「あっ、ローンソ寄ってお土産買ってこ」
「マイそれ遠回りだからやめとこう」
徹の広い背中をひっつかんで、落ちないように気を払う。
きゅるきゅると自転車が鳴く。
月咲マイ、15歳。
及川徹と岩泉一以外の友達はまだできない。