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幸福論
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放課後。部活の練習。
梅雨時期の今日は蒸し蒸ししていて気持ち悪い。
+++
インターハイで敗れてから3年生がどうするのか少し気になっていたけど、全員一致で残るらしい。
日向は全国優勝なんてデカすぎる目標を掲げているし、主将も再びオレンジコートだなんてデカい事を言う。
何故かみんながインターハイ前より熱を上げているけど、僕はあんまり変わらない。
部活に熱くなったって良いことがあるとも思えないし。
僕がいつでも馴染めないのは、きっとこの温度差のせい。
それより、6時を過ぎても月咲がこない。
日向に昼間誘われて、行く〜なんて言ってたくせに。当の日向は練習に夢中でマイのことなんて忘れてるみたいだけど。
「ツッキー、どうかした?ぼーっとしてるけど…」
「別に」
「あっ、マイ来たみたいだよ!」
山口が扉の方を指差す。
何故か烏養監督の横で腕組みして仁王立ちする月咲。
監督はげっそりした嫌そうな顔してるし、何があったの。
烏養監督に手招きされる。
丁度コート外に出られるタイミングだったから、僕はそっちに歩いた。
「…なんでこの時間なの」
「模試の申し込みしてた」
「あ、そう…」
それだけ言葉を交わすと、何食わぬ顔で月咲は清水先輩の方へ歩いて行った。
「な、なぁ月島」
「はい」
「あのクソ生意気なガキ…じゃなくて、口のお達者な女子誰だ…?」
「…僕のクラスの月咲マイです」
なぜか監督からマイがいつも使ってる香水の匂いが強烈なぐらいする。
ホント、何したの?まさか過度のスキンシップ?
「あっ、誤解すんなよ?!これ、その月咲が振りまくっただけだからな!」
「そうですか」
無意識に顔をしかめていると、監督が慌てて取り繕う。
きっとマイのことだから、いきなり失礼な事言って勝手に香水をぶっかけたんだろう。
大体なんでかは予想つくけど。
もう一度コートに戻る。
ちらっと清水先輩とマイの居る方を見ると、何を話しているのかマイは作りかけのドリンクホルダーを持ったまま首を横に振ってる。
またマネージャーの勧誘?
まぁ、いくら清水先輩が誘ってもマイは来ないだろうけど。こないだみたいに大王様の件もあるし。
「月島ァ!マイちゃん居るからってよそ見すんな!」
「…ハイ」
「ぷぷっ、月島怒られてる!」
「うるさい」
田中さんに注意されたのを日向にからかわれる。
こいつに笑われるのはなんか腹が立つ。
自分だっていつも怒られてる癖に。
部活が終わるまであと30分くらい。
マイとのご飯を内心楽しみにして、僕は淡々と練習をこなした。
++
「「おつかれーっしたぁーー!!」」
6時半過ぎ。練習が終わる。
片付けに入ろうとしていたところで、マイが駆け寄ってきた。
「蛍、あたしそれやる」
僕が持ってたモップを強引に奪うと、マイは全力でモップを掛けながら走っていった。
わざわざ僕のやる事取ってかなくても他にもあるでしょ。
「月島ぁ〜〜」
「なんですか」
僕がため息をついて突っ立っていると、田中先輩と西谷先輩、菅原先輩がニヤニヤしながら取り囲んできた。
「お前、マイちゃんに名前で呼ばれるほどの仲なのか?!」
「…先輩方だってマイのこと名前で呼んでるじゃないですか」
「スガさん!こいつ今マイって呼び捨てにしましたよ!」
「月島も隅に置けねぇなぁ〜」
「何もないですよ。山口だってそう呼んでるし」
「「怪しーー!」」
めんどくさいのが始まった。
マイはといえば日向と影山と一緒に体育館を走り回ってる。
ていうか、その2人について行けるんだ…
「そういえば、初めて月咲が来た時も月島一緒だったよな?」
「確かに」
主将と東峰さんの2人も加わる。
更にめんどくさい。
「絶対何もない事ないだろ!月島に女友達とは居なさそうだし!!」
「怪しいわ〜」
「えっ、付き合ってんのか?彼女か?」
「クソー!!マイちゃん性格はアレだけど結構可愛いから羨ましいぞコノヤロー!」
「イダダッ!やめて下さい、違います!」
口では否定するものの、本当は彼女って言いたい。まあ、違うんだけど。
先輩たちに揉まれまくっていると、モップが終わった3人が汗だくでこっちに向かって来た。
マイは今日も制服のまま。いい加減部活来る時ぐらいは体操服着なよ。
「あー!蛍サボってる!」
「そうだぞ月島!!月咲にやらせて自分はサボるなんて!!」
「その人が勝手にやり始めたんでしょ」
「サボる理由にはなりませ〜〜ん、ねー王様ぁ?」
「おう」
3人が仲良くしているのがなんか不快。
それが顔に出ていたのか、先輩たちは更にニヤニヤし始めた。
「嫉妬?月島くん、馬鹿二人に嫉妬ですか?」
「してません」
「またまたぁ〜」
「何?なんの話?!」
「日向、こいつお前らと月咲が仲良くしてるの見て嫉妬してんだよ」
「ええっ?!何それ!!」
「蛍もしかして…あたしみたいに日向と王様と仲良くしたいとかぁ?」
「マイちゃん、意外と鈍いのね…」
良く知るマイの鈍さに田中さんが呆れている。
ホント、そこは僕も共感できる。
「これは前途多難だな、月島…」
「……」
東峰さんに同情される。
図星だったから言い返せなかった。
「あっ、蛍サボってんなら早く行こー」
「「どこに?!」」
「これからご飯行こうって約束なんですー」
「マジか?!決定的じゃん!!」
「何が?」
マイが余計なことを言ったからまためんどくさいループが始まった。
天然でそういうの、ホントやめてほしい。
結局、先輩たちに絡まれ続けて7時前まで拘束されることになった。
梅雨時期の今日は蒸し蒸ししていて気持ち悪い。
+++
インターハイで敗れてから3年生がどうするのか少し気になっていたけど、全員一致で残るらしい。
日向は全国優勝なんてデカすぎる目標を掲げているし、主将も再びオレンジコートだなんてデカい事を言う。
何故かみんながインターハイ前より熱を上げているけど、僕はあんまり変わらない。
部活に熱くなったって良いことがあるとも思えないし。
僕がいつでも馴染めないのは、きっとこの温度差のせい。
それより、6時を過ぎても月咲がこない。
日向に昼間誘われて、行く〜なんて言ってたくせに。当の日向は練習に夢中でマイのことなんて忘れてるみたいだけど。
「ツッキー、どうかした?ぼーっとしてるけど…」
「別に」
「あっ、マイ来たみたいだよ!」
山口が扉の方を指差す。
何故か烏養監督の横で腕組みして仁王立ちする月咲。
監督はげっそりした嫌そうな顔してるし、何があったの。
烏養監督に手招きされる。
丁度コート外に出られるタイミングだったから、僕はそっちに歩いた。
「…なんでこの時間なの」
「模試の申し込みしてた」
「あ、そう…」
それだけ言葉を交わすと、何食わぬ顔で月咲は清水先輩の方へ歩いて行った。
「な、なぁ月島」
「はい」
「あのクソ生意気なガキ…じゃなくて、口のお達者な女子誰だ…?」
「…僕のクラスの月咲マイです」
なぜか監督からマイがいつも使ってる香水の匂いが強烈なぐらいする。
ホント、何したの?まさか過度のスキンシップ?
「あっ、誤解すんなよ?!これ、その月咲が振りまくっただけだからな!」
「そうですか」
無意識に顔をしかめていると、監督が慌てて取り繕う。
きっとマイのことだから、いきなり失礼な事言って勝手に香水をぶっかけたんだろう。
大体なんでかは予想つくけど。
もう一度コートに戻る。
ちらっと清水先輩とマイの居る方を見ると、何を話しているのかマイは作りかけのドリンクホルダーを持ったまま首を横に振ってる。
またマネージャーの勧誘?
まぁ、いくら清水先輩が誘ってもマイは来ないだろうけど。こないだみたいに大王様の件もあるし。
「月島ァ!マイちゃん居るからってよそ見すんな!」
「…ハイ」
「ぷぷっ、月島怒られてる!」
「うるさい」
田中さんに注意されたのを日向にからかわれる。
こいつに笑われるのはなんか腹が立つ。
自分だっていつも怒られてる癖に。
部活が終わるまであと30分くらい。
マイとのご飯を内心楽しみにして、僕は淡々と練習をこなした。
++
「「おつかれーっしたぁーー!!」」
6時半過ぎ。練習が終わる。
片付けに入ろうとしていたところで、マイが駆け寄ってきた。
「蛍、あたしそれやる」
僕が持ってたモップを強引に奪うと、マイは全力でモップを掛けながら走っていった。
わざわざ僕のやる事取ってかなくても他にもあるでしょ。
「月島ぁ〜〜」
「なんですか」
僕がため息をついて突っ立っていると、田中先輩と西谷先輩、菅原先輩がニヤニヤしながら取り囲んできた。
「お前、マイちゃんに名前で呼ばれるほどの仲なのか?!」
「…先輩方だってマイのこと名前で呼んでるじゃないですか」
「スガさん!こいつ今マイって呼び捨てにしましたよ!」
「月島も隅に置けねぇなぁ〜」
「何もないですよ。山口だってそう呼んでるし」
「「怪しーー!」」
めんどくさいのが始まった。
マイはといえば日向と影山と一緒に体育館を走り回ってる。
ていうか、その2人について行けるんだ…
「そういえば、初めて月咲が来た時も月島一緒だったよな?」
「確かに」
主将と東峰さんの2人も加わる。
更にめんどくさい。
「絶対何もない事ないだろ!月島に女友達とは居なさそうだし!!」
「怪しいわ〜」
「えっ、付き合ってんのか?彼女か?」
「クソー!!マイちゃん性格はアレだけど結構可愛いから羨ましいぞコノヤロー!」
「イダダッ!やめて下さい、違います!」
口では否定するものの、本当は彼女って言いたい。まあ、違うんだけど。
先輩たちに揉まれまくっていると、モップが終わった3人が汗だくでこっちに向かって来た。
マイは今日も制服のまま。いい加減部活来る時ぐらいは体操服着なよ。
「あー!蛍サボってる!」
「そうだぞ月島!!月咲にやらせて自分はサボるなんて!!」
「その人が勝手にやり始めたんでしょ」
「サボる理由にはなりませ〜〜ん、ねー王様ぁ?」
「おう」
3人が仲良くしているのがなんか不快。
それが顔に出ていたのか、先輩たちは更にニヤニヤし始めた。
「嫉妬?月島くん、馬鹿二人に嫉妬ですか?」
「してません」
「またまたぁ〜」
「何?なんの話?!」
「日向、こいつお前らと月咲が仲良くしてるの見て嫉妬してんだよ」
「ええっ?!何それ!!」
「蛍もしかして…あたしみたいに日向と王様と仲良くしたいとかぁ?」
「マイちゃん、意外と鈍いのね…」
良く知るマイの鈍さに田中さんが呆れている。
ホント、そこは僕も共感できる。
「これは前途多難だな、月島…」
「……」
東峰さんに同情される。
図星だったから言い返せなかった。
「あっ、蛍サボってんなら早く行こー」
「「どこに?!」」
「これからご飯行こうって約束なんですー」
「マジか?!決定的じゃん!!」
「何が?」
マイが余計なことを言ったからまためんどくさいループが始まった。
天然でそういうの、ホントやめてほしい。
結局、先輩たちに絡まれ続けて7時前まで拘束されることになった。