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幸福論
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週明け。
月曜日の1時限目は、またもや嫌いな数学。
嫌いと言ってもテストではクラス最高点。
苦手じゃなくて、嫌いなだけ!
あたしの登校はあんまり早い時間とは言えないけど、ホームルームまでまだ少しある。
暇だし、教科書でも見とくか…
「マイ、おはよう」
「おはようございマース」
朝練が終わった山口くんと月島が声を掛けてきた。
山口くんなんかちょっと暗い?
「おはよー」
朝だし、あたしもローテンション気味に返す。
そういえば、試合ってどうなったんだろ。
あの後一人で帰ったし、岩ちゃんと徹にも連絡は取ってないから全く知らない。
確か、2日目に当たるはずだったよね?
月島の方をじっと見つめてみる。
「…ナニ」
「別に」
いくらあたしにデリカシーがないとは言え、面と向かって聞くのはなんとなく聞きづらい。もしかしたら惨敗かもしんないし。
月島が気にして話してくるのを待とう。
「…結果のこと?」
「え?うん」
月島はすぐ後ろの自分の席に腰を下ろしながら気だるげに聞いてきた。
ぱらぱらと意味もなく教科書をめくっている。
「君の大王様んトコに負けたよ」
「ふーん、そっかぁ」
「随分興味なさそうだね」
「そう?」
あたしの反応の薄さと同じぐらい悔しさが見えない月島。
この人、チームで大丈夫なのか。
「マイ」
「はいー?」
「山口に試合のこと言わないでやってくんない」
「…はぁーい」
なんだろ、なんかあったのかな。
こいつも意外と友達には優しいんだ?
山口くんに何があったのかは知らないけど。そこは頑張って察しよう。
「ねぇ、今日はなんか予定ある?」
「部活終わり?」
「うん」
「無いけど」
「じゃあ今日もご飯行こうよ」
特に月島に用事があるわけでもないけど、なんとなく。
まあ、いきなりだし断られても不思議じゃない。
「いいよ」
今日も悩むことなくこの返事。
誘ったこっちがちょっとびっくりしてしまう。
「自分で言っといて何びっくりした顔してんの」
「いや…連続で来てくれるんだって思って…」
「別に断る理由もないし」
「あ、そうだ。山口くんも誘おう」
「…山口は今日も練習行くと思うよ」
「そうなの?残念ー」
あたしがそう言うと、月島はちょっとだけむっとした。何故かはわからない。
今度行こうって山口くんには言ったんだけど、忙しいならしょうがない。
「…今日は部活来るの」
「分かんない。気分で決めるー」
月島の細い指が教科書をめくる。
めくるスピードが速いから、たぶん読んでるわけじゃないみたい。
白くて長くて綺麗な指先。
じーっと見てると、こないだ掴まれた時のことを思い出す。
真っ白で細くて長いのに、冷たくなくて、大きくてあったかい。
意外と力も強くてびっくりした。
そっか、月島も男だもん。
あたしより全然手も大きくて、見えないけど力強い。
…男か…
「何見てんの」
「えっ、手だよ」
「ハァ?」
「あんたの手見てる」
月島が訝しげな顔をする。
「もしかして手フェチなの?変な趣味…」
「別に趣味なわけじゃない」
じーっと見てたらなんか触りたくなってきて、ばっと月島の手を取る。
…でかい。
「?!チョット、何なの?!」
「ダメなの?」
「人見てるしダメでしょ!分かんないの?!」
「…分かんない」
月島は手を引っ込めるとため息をついた。
人が見てたらアウトなんだ?
別にだれもあたしのことなんか見てないと思うけど。
友達って難しい。
「それ素なんだよね?」
「は?」
「もういいよ…」
何故か月島の顔がちょっと赤い。
「蛍」
「ナンデスカ」
「熱あんの?」
「…ない。もう前向いてくんない」
「いや」
「………」
キーンコーンカーンコーン
始業のチャイムが鳴る。
バレー部、日向が昼休み誘ってきたら行こうっと。
「あ、ノート忘れた。1ページちょうだい」
「自分の他のノート千切ってくだサイ」
週明け。
月曜日の1時限目は、またもや嫌いな数学。
嫌いと言ってもテストではクラス最高点。
苦手じゃなくて、嫌いなだけ!
あたしの登校はあんまり早い時間とは言えないけど、ホームルームまでまだ少しある。
暇だし、教科書でも見とくか…
「マイ、おはよう」
「おはようございマース」
朝練が終わった山口くんと月島が声を掛けてきた。
山口くんなんかちょっと暗い?
「おはよー」
朝だし、あたしもローテンション気味に返す。
そういえば、試合ってどうなったんだろ。
あの後一人で帰ったし、岩ちゃんと徹にも連絡は取ってないから全く知らない。
確か、2日目に当たるはずだったよね?
月島の方をじっと見つめてみる。
「…ナニ」
「別に」
いくらあたしにデリカシーがないとは言え、面と向かって聞くのはなんとなく聞きづらい。もしかしたら惨敗かもしんないし。
月島が気にして話してくるのを待とう。
「…結果のこと?」
「え?うん」
月島はすぐ後ろの自分の席に腰を下ろしながら気だるげに聞いてきた。
ぱらぱらと意味もなく教科書をめくっている。
「君の大王様んトコに負けたよ」
「ふーん、そっかぁ」
「随分興味なさそうだね」
「そう?」
あたしの反応の薄さと同じぐらい悔しさが見えない月島。
この人、チームで大丈夫なのか。
「マイ」
「はいー?」
「山口に試合のこと言わないでやってくんない」
「…はぁーい」
なんだろ、なんかあったのかな。
こいつも意外と友達には優しいんだ?
山口くんに何があったのかは知らないけど。そこは頑張って察しよう。
「ねぇ、今日はなんか予定ある?」
「部活終わり?」
「うん」
「無いけど」
「じゃあ今日もご飯行こうよ」
特に月島に用事があるわけでもないけど、なんとなく。
まあ、いきなりだし断られても不思議じゃない。
「いいよ」
今日も悩むことなくこの返事。
誘ったこっちがちょっとびっくりしてしまう。
「自分で言っといて何びっくりした顔してんの」
「いや…連続で来てくれるんだって思って…」
「別に断る理由もないし」
「あ、そうだ。山口くんも誘おう」
「…山口は今日も練習行くと思うよ」
「そうなの?残念ー」
あたしがそう言うと、月島はちょっとだけむっとした。何故かはわからない。
今度行こうって山口くんには言ったんだけど、忙しいならしょうがない。
「…今日は部活来るの」
「分かんない。気分で決めるー」
月島の細い指が教科書をめくる。
めくるスピードが速いから、たぶん読んでるわけじゃないみたい。
白くて長くて綺麗な指先。
じーっと見てると、こないだ掴まれた時のことを思い出す。
真っ白で細くて長いのに、冷たくなくて、大きくてあったかい。
意外と力も強くてびっくりした。
そっか、月島も男だもん。
あたしより全然手も大きくて、見えないけど力強い。
…男か…
「何見てんの」
「えっ、手だよ」
「ハァ?」
「あんたの手見てる」
月島が訝しげな顔をする。
「もしかして手フェチなの?変な趣味…」
「別に趣味なわけじゃない」
じーっと見てたらなんか触りたくなってきて、ばっと月島の手を取る。
…でかい。
「?!チョット、何なの?!」
「ダメなの?」
「人見てるしダメでしょ!分かんないの?!」
「…分かんない」
月島は手を引っ込めるとため息をついた。
人が見てたらアウトなんだ?
別にだれもあたしのことなんか見てないと思うけど。
友達って難しい。
「それ素なんだよね?」
「は?」
「もういいよ…」
何故か月島の顔がちょっと赤い。
「蛍」
「ナンデスカ」
「熱あんの?」
「…ない。もう前向いてくんない」
「いや」
「………」
キーンコーンカーンコーン
始業のチャイムが鳴る。
バレー部、日向が昼休み誘ってきたら行こうっと。
「あ、ノート忘れた。1ページちょうだい」
「自分の他のノート千切ってくだサイ」