H×H夢/World×Wonder
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今日のあたしは最高に気分が良かった。
そうじゃなかったら、あんなこと言わへんかったんや。
「今日はホンマにお金の神様が微笑んでくれたわ~♪」
神様ありがと~と頬を綻ばせながら腰のウエストポーチをパンと叩く。独特のセルク語(現代でいう関西弁)で話す少女……モモは、武器商人である。世界でも有名な商人国出身のセルク人であるモモは、普通の武器商人とは違い闇商人も兼ねている。
さすがセルク人といったところか。
そんなモモの今日の取引先は、大手マフィア。
時間はちょうど一時間前に遡る。
肩まで伸びた爽碧の髪をたなびかせビルの前で腕を組み、仁王立ちしている少女がいた。
年は二十歳前と言ったところか、強い意志が現れた薄茶色の瞳が真っ直ぐに向けられている。
最初は誰が女から武器を…とバカにされたが、というか殺されかけたが、念を存分に見せつけてやると取引に応じ始めた。そこから後はセルク人の腕の見せどころで、生まれ落ちた瞬間から商人スキルを教え込まれている話術で相手に武器を上手く買わせる。
大事なのは信頼関係を築きつつ確実にこちらの望む筋書に乗せることだ。
結果取引は大成功。
向こうのトップがモモを気に入ったらしく、また取引に行ける大顧客となった。
「飛び入りで行かしてもろたのに、ホンマええ客やったわ。顧客も満足、あたしも満足。これぞ売る技術!」
ブツブツ言いながら往来を歩く。
ホンマに気分ええわ、今なら肩ぶつかっても怒らんかも。まぁ別に、いつもそんなことじゃ怒らんけど。
そんなことを思いながらキョロキョロしていると、前から来た男の肩があと1cmのところに来た。
その瞬間流れるような動きで避ける相手。
モモが左手の食堂を見てお腹空いたなぁと思っていた時であった。
「あ、ゴメンやで。避けてもらって」
ふいに声を掛けられ男は驚いて振り向く。
それもそのはずで完璧な絶で歩いていたので、一般人はおろか一端の念使いでは気付かないと思っていたからだ。
いや、実際はその通りだった。モモだから気付いたのだ。
気分もよかったし、気付いたので何気なく謝ってみたモモだったが、相手が絶状態だったことに気付き余計なこと言ったかなとバツが悪そうに頬を掻く。
そんなモモをキョトンとした目で見る男。
真っ黒な目に、真っ黒な髪、額に包帯が巻いてあるのが印象的だった。
正面から男を見たら、何故か見たことある顔に見え顔をしかめる。
会ったことないしなぁ…でもどこかで…。
相手が黙ってこっちを見ているのをいいことに、相手の顔を色んな角度から観察する。
「あ…」
わかってしまった、どんな人物か。何故見覚えがあったのか。
目を真ん丸くしているモモに男は微笑む。その笑顔に一瞬驚くが、ニヤリと笑い返す。
「よくわかったな」
「見た顔やからなぁ~」
気分良くなかったら絶対話しかけなかった。
予想外な人物に出会った。
マフィアの上客も取れたし、こんな男にも会った。
今日は変わった日になりそうやなぁ。
「おっちゃん~!
エビピラフとタコライスとチャーハンとサラダで頼むで~」
「水だけで」
「「……」」
同時に声が上がる。
モモは相手の男の水だけでいいというのに驚き、相手は昼はとうに過ぎているというのにモモの食べっぷりに驚き、顔を見合わせる結果となった。
「な、なんやねん……。ええやろ?あんたこそなんで水だけやねん」
「何も言ってない。オレは生憎昼飯を食べたばかりなんだ」
さすがにちょっと頼みすぎたと思ったのか、少し顔を赤くして言うモモ。
一応マフィアとの取引やねんから緊張したんやって!と無表情の男に心で言い訳をする。
男はモモの様子を見ても特に表情は変えず淡々と話す。
「……てかさ、なんであたしが天下の幻影旅団の団長様とご飯食べなあかんの」
「面白いから」
「……」
そう、相手の男は誰もが一度は名前を聞いたことがあるであろう、第一級犯罪者、盗賊幻影旅団の団長である。
そんな男と食事なんて普通の神経では考えられない。
相手の男、クロロ=ルシルフルもそれがわかっていた。だから興味深かったのであろう。
ただ何度も言うが、今日のモモは気分が良かっただけだ。いつもなら面倒は御免だと思うことも今日はあまり考えずにいる。
それだけだ。
面白かったら誰とでもご飯行くんかいっとツッコミたかったが、幻影旅団の団長相手だとわかっているので心の中に留める。幻影旅団の団長にわざわざツッコんだらややこしくなりそうだ。
そんなことを考えながら、運ばれてくる料理に手をつけようとする。
ああ、その前に。
「いただきます」
手に持ったスプーンを一旦置き、手を顔の前で合わせる。そして満足したように食事にとりかかった。
その一連の様子を不思議そうに見守るクロロ。
行動の意味がよくわからないようだ。
「今何したんだ?」
食べ物が美味くなるおまじないか?と真面目な顔で聞いてくる。それを聞いたモモは驚いた顔をする。
「食べる前にするやろ……?」
「……何を?」
「今の」
「やったことはない」
「ええ~?!マジ?!あかんて!それは全ての食べ物に失礼やっ」
バンっと拳で机を叩き、さらに握りしめながら目の前の男を真っ直ぐ見る。
「……は?」
「は?ちゃうわ!生きとし生きるモノの命をいただいて、食べ物にしてるんやで?ちゃんと有難いっていう気持ちで食べな失礼やわ!
これからは絶対言いやっ!ホンマビックリしたわぁ~あんた、世間様に反抗する前に一通り世界の生き物の生まれとか勉強した方がええんちゃう?
じゃないとお天と様に顔向けできへんで!」
ここまで一気に捲し立てたのはよかったが、相手が無表情で自分を見ているのに気付き、はっとなる。
ヤバ……!
あかんなぁ、食べ物のことになる熱なってしまうわ……。
て、ついついで済む相手ちゃうよなぁ……どうしよ……。一般人巻き込むようなことになったら、師匠に殺される……。
あ~う~と俯いて唸っているモモを見て、フッと笑う。モモはバッとクロロを見るが、目の前のクロロは笑っていた。
「はは。そんな風にきっぱり怒られたのはいつぶりだろうな。悪かった。オレが知らなかったみたいだ。」
素直に謝ってくるクロロにモモも驚く。
幻影旅団って実はええ人なんか。と思わせるほどクロロは素直に笑っていた。
そこまで捲し立てんでもええやろぐらいは言われると思ってたんやけど……チラリとクロロを見るが何故かものすごく笑顔だ。
まぁ素直なのは良いことだ、とモモは嬉しそうに微笑む。
「わかったらええねん」
その瞬間周りから拍手が聞こえてきた。
どうやらモモの熱弁は店内に響き渡っていたようだ。
恥ずかしくなったモモは顔を真っ赤にして急いでご飯を掻きこみ、クロロを引っ張って店を出たのだった。
その夜、幻影旅団のアジトにて夕食時に「いただきます」を言うクロロがいて、周りを大変驚かせたのだとか。
ーいただきますなんて人生で初めて言ったー
そうじゃなかったら、あんなこと言わへんかったんや。
「今日はホンマにお金の神様が微笑んでくれたわ~♪」
神様ありがと~と頬を綻ばせながら腰のウエストポーチをパンと叩く。独特のセルク語(現代でいう関西弁)で話す少女……モモは、武器商人である。世界でも有名な商人国出身のセルク人であるモモは、普通の武器商人とは違い闇商人も兼ねている。
さすがセルク人といったところか。
そんなモモの今日の取引先は、大手マフィア。
時間はちょうど一時間前に遡る。
肩まで伸びた爽碧の髪をたなびかせビルの前で腕を組み、仁王立ちしている少女がいた。
年は二十歳前と言ったところか、強い意志が現れた薄茶色の瞳が真っ直ぐに向けられている。
最初は誰が女から武器を…とバカにされたが、というか殺されかけたが、念を存分に見せつけてやると取引に応じ始めた。そこから後はセルク人の腕の見せどころで、生まれ落ちた瞬間から商人スキルを教え込まれている話術で相手に武器を上手く買わせる。
大事なのは信頼関係を築きつつ確実にこちらの望む筋書に乗せることだ。
結果取引は大成功。
向こうのトップがモモを気に入ったらしく、また取引に行ける大顧客となった。
「飛び入りで行かしてもろたのに、ホンマええ客やったわ。顧客も満足、あたしも満足。これぞ売る技術!」
ブツブツ言いながら往来を歩く。
ホンマに気分ええわ、今なら肩ぶつかっても怒らんかも。まぁ別に、いつもそんなことじゃ怒らんけど。
そんなことを思いながらキョロキョロしていると、前から来た男の肩があと1cmのところに来た。
その瞬間流れるような動きで避ける相手。
モモが左手の食堂を見てお腹空いたなぁと思っていた時であった。
「あ、ゴメンやで。避けてもらって」
ふいに声を掛けられ男は驚いて振り向く。
それもそのはずで完璧な絶で歩いていたので、一般人はおろか一端の念使いでは気付かないと思っていたからだ。
いや、実際はその通りだった。モモだから気付いたのだ。
気分もよかったし、気付いたので何気なく謝ってみたモモだったが、相手が絶状態だったことに気付き余計なこと言ったかなとバツが悪そうに頬を掻く。
そんなモモをキョトンとした目で見る男。
真っ黒な目に、真っ黒な髪、額に包帯が巻いてあるのが印象的だった。
正面から男を見たら、何故か見たことある顔に見え顔をしかめる。
会ったことないしなぁ…でもどこかで…。
相手が黙ってこっちを見ているのをいいことに、相手の顔を色んな角度から観察する。
「あ…」
わかってしまった、どんな人物か。何故見覚えがあったのか。
目を真ん丸くしているモモに男は微笑む。その笑顔に一瞬驚くが、ニヤリと笑い返す。
「よくわかったな」
「見た顔やからなぁ~」
気分良くなかったら絶対話しかけなかった。
予想外な人物に出会った。
マフィアの上客も取れたし、こんな男にも会った。
今日は変わった日になりそうやなぁ。
「おっちゃん~!
エビピラフとタコライスとチャーハンとサラダで頼むで~」
「水だけで」
「「……」」
同時に声が上がる。
モモは相手の男の水だけでいいというのに驚き、相手は昼はとうに過ぎているというのにモモの食べっぷりに驚き、顔を見合わせる結果となった。
「な、なんやねん……。ええやろ?あんたこそなんで水だけやねん」
「何も言ってない。オレは生憎昼飯を食べたばかりなんだ」
さすがにちょっと頼みすぎたと思ったのか、少し顔を赤くして言うモモ。
一応マフィアとの取引やねんから緊張したんやって!と無表情の男に心で言い訳をする。
男はモモの様子を見ても特に表情は変えず淡々と話す。
「……てかさ、なんであたしが天下の幻影旅団の団長様とご飯食べなあかんの」
「面白いから」
「……」
そう、相手の男は誰もが一度は名前を聞いたことがあるであろう、第一級犯罪者、盗賊幻影旅団の団長である。
そんな男と食事なんて普通の神経では考えられない。
相手の男、クロロ=ルシルフルもそれがわかっていた。だから興味深かったのであろう。
ただ何度も言うが、今日のモモは気分が良かっただけだ。いつもなら面倒は御免だと思うことも今日はあまり考えずにいる。
それだけだ。
面白かったら誰とでもご飯行くんかいっとツッコミたかったが、幻影旅団の団長相手だとわかっているので心の中に留める。幻影旅団の団長にわざわざツッコんだらややこしくなりそうだ。
そんなことを考えながら、運ばれてくる料理に手をつけようとする。
ああ、その前に。
「いただきます」
手に持ったスプーンを一旦置き、手を顔の前で合わせる。そして満足したように食事にとりかかった。
その一連の様子を不思議そうに見守るクロロ。
行動の意味がよくわからないようだ。
「今何したんだ?」
食べ物が美味くなるおまじないか?と真面目な顔で聞いてくる。それを聞いたモモは驚いた顔をする。
「食べる前にするやろ……?」
「……何を?」
「今の」
「やったことはない」
「ええ~?!マジ?!あかんて!それは全ての食べ物に失礼やっ」
バンっと拳で机を叩き、さらに握りしめながら目の前の男を真っ直ぐ見る。
「……は?」
「は?ちゃうわ!生きとし生きるモノの命をいただいて、食べ物にしてるんやで?ちゃんと有難いっていう気持ちで食べな失礼やわ!
これからは絶対言いやっ!ホンマビックリしたわぁ~あんた、世間様に反抗する前に一通り世界の生き物の生まれとか勉強した方がええんちゃう?
じゃないとお天と様に顔向けできへんで!」
ここまで一気に捲し立てたのはよかったが、相手が無表情で自分を見ているのに気付き、はっとなる。
ヤバ……!
あかんなぁ、食べ物のことになる熱なってしまうわ……。
て、ついついで済む相手ちゃうよなぁ……どうしよ……。一般人巻き込むようなことになったら、師匠に殺される……。
あ~う~と俯いて唸っているモモを見て、フッと笑う。モモはバッとクロロを見るが、目の前のクロロは笑っていた。
「はは。そんな風にきっぱり怒られたのはいつぶりだろうな。悪かった。オレが知らなかったみたいだ。」
素直に謝ってくるクロロにモモも驚く。
幻影旅団って実はええ人なんか。と思わせるほどクロロは素直に笑っていた。
そこまで捲し立てんでもええやろぐらいは言われると思ってたんやけど……チラリとクロロを見るが何故かものすごく笑顔だ。
まぁ素直なのは良いことだ、とモモは嬉しそうに微笑む。
「わかったらええねん」
その瞬間周りから拍手が聞こえてきた。
どうやらモモの熱弁は店内に響き渡っていたようだ。
恥ずかしくなったモモは顔を真っ赤にして急いでご飯を掻きこみ、クロロを引っ張って店を出たのだった。
その夜、幻影旅団のアジトにて夕食時に「いただきます」を言うクロロがいて、周りを大変驚かせたのだとか。
ーいただきますなんて人生で初めて言ったー
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