戦国時代は
名前変換
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脱力したい気分だった
本当に、自分は戦国時代に来たのだと確定したから
薄々気付いては…というか、納得はしかけていたけれど
平成から戦国に行くなんて一体どんなファンタジーなのだろうか
あぁ、もう、ここまできたら冗談でも夢だなんて思えない
それでも、まずは、自分を証明しなければならなかった
『…私は、武家の娘ではありません。…それに、
この時代の者でも、ありません』
「Un…?アンタ、何言って…」
『私は平成という未来から来ました。というか、来て、いました。
平成は戦国時代から約450年程後の世で、伊達さんの言う南蛮語は英語と呼ばれるところです。
私が着ているのは、その平成の物です。』
「…Wait.おい小十郎、解るか?」
「はっ…いえ…さすがに信じがたく…」
「…だよな……………だが
嘘じゃあ、ねぇな。」
『…………!』
「Ha!怖がることはねぇ、目を見りゃ解る。それに、じっくり考えれば合致する。
悪いがそれまで、質問攻めになってもらうぜ?……聖夜」
『っ…!』
ぞわりと身体が跳ねた
だって…なんか、最後の名前の言い方が……!
「…はぁ………政宗様……」
片倉さんため息吐いてないで私の目の前でにやにやしてる人どうにかしてぇ!!
違う恐怖植え付けられそうだよ!悪寒で!
「そうだな…聖夜、どうやって来たんだ?」
何故いきなり名前呼びなのか追及した方が良いんでしょうか
とりあえずその…なんか、言い方…なんとかしてくれないかな…
『…私自身、それがよく解らないんです。
普通に家で夕食作ってて、一瞬、視界がぐらついて…意識を失ったように。気づいたら、森に倒れてました。
それで、夢でも無さそうだし…とりあえず歩いてたら……その』
「Ah,伊達のモンだと勘違いされて、刀向けられたってワケか」
『……あ!助けてくれて、ありがとうございました!』
がばりと土下座の形で頭を下げると、ぽん、と頭に手が置かれた
「気にすんな。怪我が無くて良かったしな」
『…ありがとうございます』
もう一度軽く頭を下げて伊達さんに向き直ると、今度は片倉さんが
「平成は、皆姓があるのか?」
『はい、姓…名字のない人は…居ないですね』
「そうか、では
平成でも、戦はあるのか?」
『……平成では…戦国のような戦はありません。
鎧も着用しないし、刀は限られた人しか使ってはいけないし
刀を用いれば、捕まって牢屋に容れられちゃいますよ』
「なっ…刀持っただけでか?!」
『まあ…戦も無いので……』
「…そうか…泰平の世なんだな、平成は」
安心したように口元を緩ませた伊達さんと片倉さんを見つめながら
『………………………そうでも…ないですよ…………』
そう、小さく、口を動かすだけの動作で呟いた
「…じゃあ聖夜、間者と斥候って知ってるか?」
『…?え…と…?』
そう言った後、暫く目が合ったままだった
何故か逸らせなくて
でも怖さなんてなくて
何分か経った時、伊達さんが口角を上げた
「………OK.
良いな?小十郎。」
「はっ。この小十郎、しかとこの目で確かめ致しました」
『…へ…?』
「伊達のモンに勘違いされて、襲われたんだったな?」
『…はい…?』
…あぁ…なんか…嫌な予感…
「既成事実って、知ってるよな」
確定した
してしまった
「秋月聖夜は今から伊達の者だ。……You See?」
拒否権は、無いらしい