青い三日月
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「Un?どうかしたか?」
2人が私を見ているのはわかったけれど、震えは止まらなくて
目の前の人が、人達が、
武将だと思うと、どうしても恐かった
「…政宗様、まだ混乱していると思われます故、詳しい事は城へ戻ってからに致しましょう」
「…AH,そうだな」
『……………ませ……』
「…?何か言ったか?」
『…………すみ…ません…』
+++
すみません、と
弱々しく小さな声で一言だけそう言って、それからは黙りきりになった。
今は小十郎の体に向かい合わせで抱きついている、女
それまであまり気にしていなかった小せぇ軍だが、どうやら豊臣に唆されたらしく、伊達に戦を仕掛けてきた
結果なんて明白で、勿論、伊達の勝鬨が上がった
否、上げようと、した
山道まで逃げたこの戦の大将を追い掛け、倒し、小十郎に合図しようと山道を上がると、目に飛び込んできたのは
敵軍の兵が、黒髪の女を切り殺そうとしている瞬間だった
その女が何なのか
もしかすると他の軍の間者かもしれないのに、そんなことを全く考えることなく、体は動いていた
焦りながらも何故か、助けなければならない気がしていた
助けなければ、後悔すると、
そうも思った
間一髪で2人の間に割って入り、女を抱き抱えて兵を散らしたのを確認したと同時に、腕の中で女が呻いた
それに気付いて改めて女を見て、一瞬、息を呑んだ
黒髪が酷く綺麗で、反対に、肌は真白だった
少し幼いように見えたが、恐らく俺と同い年だろうと思った
だが一番気になったのは
女の、身なり
言葉では表せないような変な召し物を凝視したが、全くわからなかった
とりあえず武器は持っていなかった為、からかうような気持ちで南蛮語で起こして、怪我はねぇかと訊けば
『……のー…ぷろぶれむ………』
なんて、発音は微妙だったがれきとした南蛮語で返してきた
「……!!」
直後意識を失った女を見て、己の好奇心のようなものが駆り立てられた
小十郎の元へ連れて戻ると、最初こそ厳重に警戒し、いつでも刀を取り出せる状態だったのに
武器は無し、だが、身元も不明の女の寝顔が余程、己の娘のように思えたのか
いつの間にか警戒心なんて無くなってやがった
あの小十郎が、母性本能に負けた
有り得ねぇが、隣でまさに起こっている事だ
「……俺に任せて何かあったらって…お前の方が危ねぇだろうが…」
先刻俺と小十郎が名乗ると何故か混乱し、また意識を失った女は、小十郎の体に凭れ掛かっていて
その華奢な体を左腕で支えている光景に、何処か苛立った
「……………Shit」
小さく呟いたところで、米沢城が見えた