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「先の戦で、伊達のもとに1人の女子が舞い降りたと囁かれておる。
天女のような容姿と、突如空から降ってきた、とな。
そしてその天女が留まる軍は…負けることがないと。」
『…』
なんだそれは、と、ただそう思った。
けれど一方で、そう考えるしか納得の方法がなかったのだろうとも…考えた。
当たり前だ。
突然空から奇妙な服を着たものが降ってきて、それが自分たちと同じように生きてるのだから。
そう考えなければ、私という存在を理解できなかったのだろう。
ああ、でも、そんなことを、
政宗たちも思っていた、なら。
私はその道具として…扱われていただけなのでは、と。
綱元さんは知らなかったのだろうか。
でも、もうどうでもよかった。
私が天女であれ、ただの人間であれ。
結局そこは私の居場所にはならない。
泣きたくなった。信じることができなくなった彼らにも。…自分自身にも。
……馬鹿馬鹿しい。
『……申し訳ありませんが、私はそのような力は持っておりません。
ですので私のその力が目当てだったのなら…
私はここに居ることなど、できないのでしょう。
勝手ではございますが、失礼いたしました。』
深く頭を下げて、ああ、この後はどうしようか、と考えたとき。
「何を言うておる?」
『…え』
「がははは!!
いや、正直に言うと儂も興味はあったのだがな。
そなたを見てすぐにわかったわい。
心配をかけてすまなかったな。」
『え、え。え?』
「聖夜殿は、聖夜殿のままで良いのでござるよ」
「うむ!よくぞ言った幸村!!」
会話に…ついていけない。
『ど、ういう、』
「聖夜ちゃん、ごめんね。
実は、その天女の噂は確かに知ってて…で、俺様も調べてたんだ。
そしたら聖夜ちゃんが伊達を追われて出るってなったもんだから、ちょうどいいと思って…
その、説明不足だったかなー…なーんて…」
「佐助、減給でござる。」
「旦那勘弁してーっ!!」
『わ…私がただの、人でも…いいんですか?』
「なにを当たり前のことを言うておる。」
そういって、また信玄公は豪快に笑った。
「それで、大将…1つ相談が…」
「なんじゃ?」
「聖夜を、女中として武田で雇うことを、許していただけま「うむ、よいぞ」『軽い!!!!』
もっとこう、ないの?!
代わりに伊達の情報教えろとか、ないの?!
「そんなことしても聖夜ちゃん言わないでしょ?」
確かにそうだけども!!
「これからよろしく頼むでござる、聖夜殿!」
『…うう、よっ、
よろしくお願いします…』
なんだろう、私、翻弄されてばかりだ。
私に居場所をくれたのは。
(それでもそれが)
(少し心地よかったりした)
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