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「ほらほらー、どうするー?」
『わぁうざい…じゃあ妥協して猿飛さんで』
「妥協って言っちゃうんだ…
てか猿飛じゃダメ」
『………………さすけ』
「もう少し感情込めて?!」
『これ以上は受け付けない』
「うーん、まぁいいや…」
注文多いな
『甲斐までどのくらいで着くの?』
「んー、この分だと…あと1日かなー」
『…………』
1日…!!!
え、甲斐遠っ!
「眠くなったら寝ていいよ、寝顔見たいし」
『うぅ…最後に対してつっこみたいけど…』
ちょっと眠気が限界だったりする
「…聖夜ちゃん」
『ん…?』
「…おやすみ、良い夢見てね」
『……?う、ん…ごめんね、ちょっと…』
ゆらゆらと遠くなる意識に逆らえないまま、佐助の腕に包まれて眠りに堕ちた
最後の、佐助の表情が気掛かりだったけど。
「――…さて…急ぎますか」
両腕の力を強くして、更に跳んだ
「ほんと…怖いもの知らずだなぁ。こんな忍の前で気持ちよさそうに寝ちゃってさぁ」
何するかわかんないんだよ、
忍ってのは。
何考えてるかわかんないんだよ、
忍ってのは。
忍ってのは、
俺様ってのは、
薄情で冷たい、
ただの人殺しの道具なんだよ
「………わかってないなぁ」
あの人も、この子も。
腕のなかで心地よさそうに眠る聖夜を見て、佐助は苦笑のような笑みを浮かべながら、甲斐へとまた跳んだ
――――――……
「、な………」
なんだ、この部屋は
なんだ、この有様は
なんで、いないんだ
なんで、なんで
「なんで、何もない…!!」
…――本当は気付いている
ああ、あの子は
あの独りきりの女の子は
本当に、
居なくなったのだと。
俺の言葉に従ったのだと。
従わせて、しまったのだと。
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