手をとって
名前変換
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とんっ、とんっ、とんっ
規則的に木を跳んで移動する真田忍隊隊長さん。…こんな方法なのに酔わないところが凄いと思う
「ね、ほんとに知らないの?俺様結構お偉いさんなんだけどなー」
『…まあ…隊長っていうくらいなんだから、凄いんだろうなぁとは思いますけど』
「そ、そんな投げやり…」
『(甲斐ってそんなに近いのかな…)』
即答で返事しちゃったけど、これ遠かったらやっぱ野宿とか…?
まあ、それも考えてたわけだから別に今更気にはしないけど、この人と一緒っていうのがなあ…
ていうか…私どうなるんだろ
「そんなに考えなくていいよ」
『……』
じとりと睨むと、張り付けた笑顔で返された
「ま、野宿はすることになっちゃうけどね。安心して?俺様強引に女の子襲ったりしないしー♪
あっ、でも夜は我慢できないかも『……』…ジョウダンデス」
苦手だなぁ、と小さく思ったけれど、また読まれたくなかったからすぐにやめた
『…目的は何ですか』
「…目的?」
『誤魔化さないでください、調べてたんでしょ、私のこと』
「…」
『突然奥州の…政宗、様のところに上がり込んだ人間をずっと見張って、調べてた』
「……」
『丁度よく私が奥州を出る事にしたから、甲斐で働けば良いって…都合良すぎます』
「…怖いもの知らずだね、
2人きりの時に真に迫って、俺様に切り捨てられるとは考えなかった?」
『行き先も知らずに応えた私が悪いけど、変なところに連れられて伊達家のことを吐けだなんて言われるよりはマシです』
「命に変えても…守るって?」
『そんな大層なことじゃないけど
…傷つけるくらいなら、その方が良いから』
「…ふうん」
『教えてくれないんですか?』
「…教えるよ、悪いようにしないって言ったのは本当。
俺様、真田忍隊隊長って言ったでしょ?向かってるのは甲斐の躑躅ヶ崎館ってとこ。
そこに、俺様が仕えてる真田幸村って方と武田信玄公が居てね、その2人に会ってもらう予定」
『…働き口っていうのは?』
「うーん、ま、それも2人に決めてもらう予定なんだけど…」
『要するにほぼ無計画、と』
「い、いや…まあ確かに勢いで連れてきちゃったんだけど…」
『……知ってるんですか?』
「あはは……知らない…、って言ったら…?」
『とりあえず罵倒とかどうですか』「すみません言ってません」
『…これ私結構ピンチだと思うんですけどどう思いますか真田忍隊隊長さん』
「まあ雇ってくれなかったら俺様の奥さんに永久就職とか『永久に眠ってください』」
「連れないなぁ…」
あ、結構沈んでるっぽい
「ていうかそろそろ名前で呼んでよ、聖夜ちゃん」
『嫌です』
「即答?!」
目線を合わせないようにしていると、上で唸っていた真田忍隊隊長さん(確かに長いとは思う)が
あ、と呟いた
「じゃあ名前で呼んでくれなきゃ2人に会わせないよ?」
…良い笑顔でなんてこと言うんだこの人
「ふふん、どうする?聖夜ちゃん」
『……っ』
「…どんだけ俺様の名前呼びたくないの…
あ、あと敬語やめないと落とすよ」
『もうただの脅しでしかない!』
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