変換なしの場合【北斗七星(ホクトナナセ)】になります。
08
---Dream---
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最初は普通の出会いだった。
中学生として、ごく、普通の。
けれどそれは徐々に歪曲していき、歪に違えていく。
否、彼にとっては至極正常だったのだろうか。
俺の知らないうちに、じくり、じくり、と。それは増幅されて。
愚鈍な俺が漸くその異変に気がついた時には
もう、遅かった。
第8Q
序の口だ
「七星くん、僕のこと、好きですか?」
『あはは。テツヤって本当、さらっと照れること言うよね』
「さらっとじゃ、ありません」
『…テツ、ヤ…?』
彼の纏う雰囲気はこんなものだったろうか、
もっとバニラのような、柔らかな清いものではなかったか
胸が早鐘を打つ、自分がおかしいのだろうか。
「僕は、愛してますよ、七星くん。
本当に本当に、好きなんです。だから」
他のものは見ないでくださいね?
『……!!!!』
体が震えるのと同時に、冗談だろう、と思った。そしてすぐに、もうそんな場合ではないのだと自分で制する
『て……っ』
ひゅう、と嫌な音がした。
喉が空気を取り込めない
…何かが、軋む音が聴こえた
『…テツヤが、過剰な程俺を心配することになった原因はわかってるんだ。でも、それだけじゃなくて。
心配してるとかそういうのじゃなくて…』
「……執着、だろう。
元々キセキの世代のなかで七星と黒子は仲が良かったのだよ。
それが、奴は次第に七星は自分が守らなくては。七星には自分が最適だ。他の人間は近づけてはならない。等と言うようになった。
他の奴らも似たような考えは持っていたが、黒子の執着、依存は比べ物にならない。
赤司や俺が諭そうとしたところで、アイツはもう聞く耳など持ち合わせていなかった。
試合や七星の事を抜いた日常生活では奴は見た通り、ただの影が薄い存在だったからそれ以上の対処も出来ずにいたのだよ…」
「うっわぁ…」
『元はと言えば俺が悪いんだ。最初にテツヤの優しさに甘えたから』
「なあ、その…。
その原因ってなんなんだよ?」
『…ごめん、それは、今は…まだ…』
火神くんはそれきり何も聞いてこなかった
真太郎が「送っていく」と荷物を持ち先に外へ出る。
『ごめんね。』
「いいって。たださ、なんか困ったらすぐ連絡しろよ?俺も真ちゃんも飛んでくし」
「安心しろ。学校じゃ俺もいる。また何かあったらそん時は1発ぶん殴って目ェ醒させてやるよ」
「さすがアメリカ仕込み」
『…ありがとう』
2人に再度礼を言って、待たせている真太郎のもとへ急ぐ。
「行くぞ」
『うん』
身長差による歩幅を意識してくれる真太郎は本当に優しい
車道側を歩いてくれたり自転車や歩きタバコから庇ってくれたり
『俺、やっぱり迷惑じゃないかな』
「バスケを続けていればお前のチームは必ず他のキセキの世代がいるチームと出会う。いいのか?このままお前のチームが負けても」
『…だめ』
「弱気になるな。黒子など序の口だ。
青峰や紫原、…それに赤司。奴等だって…。
…いや、すまない。」
『…大丈夫。
だってほら、俺には真太郎がいるしね!』
「お前もラッキーアイテムを持ち歩くべきなのだよ」
『やだよぉ、ラッキーアイテムのチョイスが独特なんだもん』
「?!」
『えッ、まさか自覚なかったの…?』
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