03
御名前変換
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買い出しに街へ出てみれば、女子高生が女子高生に絡まれていた。
「(なんつー…)」
いかにも、というような光景。
眼鏡をかけた女生徒が座り込んでいて
取り巻きを引き連れた3人組が上から睨み付けている。
別に自分は良い人間ではない。
ヒーローに憧れたこともないし煙草をポイ捨てする人にわざわざ注意することもない。
ニュースで殺人事件だとか大規模な事故を聞いても「(あぁ、大変だったんだろうな)」くらいだ。
無理なことはしない主義だし関わろうとも思わない。
ただし、
ただしそれが、
本当に自分の手には負えないことならば。の話だが。
「華の女子高生がそんなことしてたら、勿体無いぞ」
03:静かに育つ
「はぁ?なんだよてめぇ」
「大丈夫か、ほら」
「あ、ありがとう、ございます」
右手で引っ張ってやると、申し訳なさそうに女子高生は立ち上がった
「(さて、これからどうしようか、)」
まさか女に力で対抗するわけにはいかないし
「無視してんじゃねーよ!」
鞄を振り上げられて、咄嗟に防ぐ
何が入っているのだろうか、やたら重たいそれに殴られた左手は、皮が剥けて赤い筋ができている
「あー、…イジメは、カッコ悪いぞ」
「ヒーロー気取りかよ、さっむ」
「……抉ってくるな」
27のおっさんに、女子高生の暴言というのは結構刺さるものだった。
店の客達がいかに優しいか心に染みる。…早く店に帰ろう。
「もしかしてアンタも、このギョウ虫の援交相手?」
「ギョウ虫……」
…あまりにも酷い悪口だな
後ろを向くと、女の子はただ俯いていた
…援交なんて、する子じゃないだろうに
「俺はただの通りすがりだし、ヒーロー気取りでもない。
俺はヒーローに憧れたことも…」
ヒーローに、なれたことも、ない。
「早く帰った方がいい」
「え…そんな」
「邪魔すんなよ!」
再度鞄を振り上げられる。
最近の女子高生の武器って鞄なのか
「……岬さん?」