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御名前変換
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「俺のこと…?」
不思議そうに俺を見る岬さんを見て、我に返る
「あ、あの、誕生日とか、趣味とか、」
「…っふは」
「!!」
岬さんが、笑った
それも、いつものように微笑むだけじゃない
「岬ちゃんが笑ってる…!?」
「珍しいなぁ」
「ちょっと写真!写真!」
口々にざわめきたつ客達に気づいた岬さんは、見世物じゃねーぞ、と顔を背ける
「(岬さん、顔赤……)」
顔の火照りを冷ましたのか、岬さんが向き直る
「っ…じゃあ平和島、お前のことも教えろ」
「…俺ですか?」
「俺だけ話すのはフェアじゃないだろ?
だから、教え合い。」
岬さんはカウンターを挟んで、俺と目を合わせる
幼い子供が新しい遊びを思い付いたかのように、俺と岬さんは顔を見合わせて笑った
多分、新羅とかセルティとかトムさんが見たら驚くだろう
自分のことを気にせずに安らげる空間があることに、心底幸福と言うものを覚えていた
いつも来るのは長く時間が空く昼だったり、夜、仕事が終わって直行という形だった。
飯を済ませたら長く居座らずに帰っていたが、明日は休日ということもあり、かぼちゃプリンを食べながらだらだらと居座っている
時間が経つに連れて客も帰っていき、店内には俺と岬さんの二人だけになる
「……そういや、ここ、バーもやってるんですね」
メニュー表には
9:00~22:00(cafe)
22:00~24:00(bar)と記載されている
ビールが飲めないから今まで気にしてなかったが、確かに、自分が以前働いていた店に似たものがいくつかあった
「さすがに夜は眠くてな。
でも他にすることもねーし、だったら店で酒だけでも…、」
そい言いながら、ひとつ小さな欠伸をする岬さん
「でも、そしたら岬さん…何時間働いてるんすか」
計算しただけで15時間。
それに、一人だけで全ての業務をしなければならない。決して暇じゃないのに、それが毎日なんて岬さんの細い身体ではかなりしんどいんじゃないだろうか
「十分な睡眠はとってるし、混むわけじゃないから平気だ。あと基本はここに座ってるしな」
「なんかあったら、俺、いつでも手伝います」
「ああ、助かる。」
俺の頭に手を置いて、緩やかに撫でてくれる岬さん。
兄貴がいたらこんな感じなんだろうか
照れ臭いような、誇らしいような気がした