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「お、ここだ、ここ。」
着いた建物を見渡すと、自分の予想とは大きく違っていたことに少し驚いた
カフェというものだからてっきり可愛らしいような、女性客が多いような気がしていたのだが、どうやら見当違いだったらしい
白い外観に浮き上がる木製のアンティーク調な扉。
そしてその隣の木製の看板には黒い文字で
【Stella Kalanchoe】と書いてあった
「ス、テラ……?」
「【ステラ カランコエ】。
さーて何食うかなぁ…お?」
トムが何かに気づき、店の右側にまわる。
釣られて自分も右側にまわった。
「よ、久しぶりだな岬!」
「?…ああ、トムか、」
鈴のように、綺麗な声だった
「静雄、こいつがここの店長。」
そこでようやく、その人物を直視する
自分の胸ぐらいの背の、ほっそりとした体。鈴のように透き通る声が印象的で
黒いパンツに白いロングTシャツ、それに黒いエプロンという格好が、カフェというには少しアンバランスな気がした
左側に赤色のメッシュが入れられた黒髪は後ろで小さく一つに纏められていて、そこから覗いた耳には幾つかのピアスがある
「えっと…」
こういう時、どうしたらいいのか戸惑ってしまう。自分は友人はおろか、知り合いも少ないほうだから。
「いらっしゃい。何か食いたいもんあったら何でも作るぞ。」
「え、あ」
「俺はハンバーグにすっかなー、つーか、
なんだ?このダンボールの山」
「仕入先のミスでやたら届いた。
消費期限的には問題ねーけどな、
対応と置く場所に困ってる。
悪いけど、これ運び終わるまで中で待っててくれ」
「あ、だったら俺が手伝います」
山程あるその荷物を一人でやるつもりなのかと考えると、自然と口走っていた。
空腹というのもあったが、何より、この人にこの大荷物を任せるのは心配な気がした
積み上げられたダンボールを全て一度に持ち上げる
「これ、どこに運べば良いっスかね」
振り向いて、しまった、と思った