やぎりウルフ
18時13分。
この薄暗の中学習塾まで行くのに最初は躊躇ったが、朝霧をそのままに明日に持ち越す事もできないので、朝霧の承諾を得てペダルを漕ぐ
【弐ツ返事処カ】
【壱ツ返事デ承諾シタノニハ】
【吃驚ダッタ】
「――忍野、メメ」
「ああ。変人だけど―…
一応、僕の恩人なんだ。」
「女性ですか」
「いや…、メメなんて可愛い名前してるけど自称専門家の三十路のおっさんだよ。年中アロハシャツのな」
「…失礼な事言いますけど大丈夫なんですかね」
「まあ僕はあいつのおかげで吸血鬼から人間に戻れたからな。腕は保障済みだ。
朝霧のその怪異がどんなものなのかは、まだわからないけれど」
「……怪異」
呟いて、朝霧は隠してある自分の獣耳に触れた
その後心底厭そうに、手を払っていたけれど
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