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やぎりウルフ



「でもこれ、全部読むつもりじゃないだろ?1週間はかかる量じゃないか」

「あぁ、…大丈夫ですよ」

「読んだのか、もう。全部。」

「本は読むものでしょう?」

「朝霧、いつから居るんだ?」

「学校に来た時から」

「…一応聞くぞ、授業は?」

「受けてません」

「おいおい良いのか?生徒会長が授業ボイコットして」

「学校サボりがちで留年危うい貴方に言われたくないですねぇ」

「うっ」


  【痛イトコロヲ突カレタ】


「まあ良いです
さて、阿良々木くん、もう帰った方が良いですよ」


そこで、ぱたんと本を閉じた朝霞

外を見ると、確かに薄暗くなり始めていた
…そんなに長く居たのか?


「なぁ朝霧、家、近いのか?」

「歩いて1分です」

「お隣さんかよ!」

即答のボケに即答で突っ込めば、朝霧はやれやれと言った風に肩を竦めた


「心配なさらなくとも、大丈夫ですよ」

「いや、まあ…でも、こんな時間まで話つきあわせちゃっただろ?
これでお前に何かあったら、余計学校来れなくなりそうだし。途中まででも、送るよ。」

「…阿良々木くん、貴方頑固ですね」

「紳士と言え、紳士と。」

「ハッ。どの口が」

「いきなり辛辣になったな!?」

「そんなに嬉しがらないでくださいよ気色悪い」

「僕がいつ嬉しがったんだ?!」

「そうですね、是非もなしの辺りから」

「確かにちょっと嬉しかったけど!」

「でしょう?通報されないうちに帰ったほうが良いですよ。
大丈夫です、いつでも発信ボタン押せますから」

「何が大丈夫なんだ!?!ていうか待て!!
うまく話をずらしたようだが僕から逃げられると思うなよ朝霧!!」

「何なんですか、そんなに私の家知りたいんですか。」

「生徒会長の家は紳士の一般常識だからな」

「あなたは人間の一般常識から学んだほうが良いですね…」

「さあどうする朝霧?!僕を倒していくか僕に倒されるか!!!」

「問答無用で倒します」


  【ペーパーカッターヲ】
    【投ゲラレタ】


「なっ?!」


ぎりぎりで躱すと、朝霧は息を吐いた


「…途中まで、ですからね」

「!お、おう。任せろ!」

「不安ですねぇ」

「舐めるなよ朝霧。これでも僕は数々の女子を家に送った。」

「ああ、脳内で。」

「馬鹿な!あれはただの妄想だったのか?!」

こうして僕は朝霧を途中まで送っていく事に

したの、だが。

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