やぎりウルフ
「―――朝霧。」
「はい。」
「――その、いきなりで信じられないかもしれないんだが。」
「はい。」
「――僕も、朝霧のことが好きだ。」
「はい。」
「僕、と―…つきあってください。」
「はい。」
朝霧は、口元だけではなく――初めて、表情全体で笑うと、
「喜んで。」
そう言って僕の頬に
【接吻】
【キス】
【ヲシタ】
「此処には、阿良々木くんからしてくださいね。」
自分の唇に人差し指を当てて妖艶に笑う朝霧は、
【ヤハリ普通ノ女子高生ダッタ】
そして僕の、
――――自慢の、恋人である。
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