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結局、一度見つかってしまったら八雲から逃げられるわけもなく。
僕と八雲はルシアンの車で。八雲と一緒に空港に来ていた女性は後藤さんの車で、世田町署に向かっていた。
「「…………」」
八雲に掴まれている右手が、痛い
そしてこの車内の空気も…苦しい
僕らは終始無言で、目的地に辿り着くのを待つだけだった。
+++
「あの、後藤さん…」
「悪いな晴香ちゃん…ただ今は聞かないでくれ。」
「え…」
「こればっかりは、当人たちの言葉無しじゃ…話せねぇんだ」
後藤の言葉に、晴香は八雲の過去を思い出す
今まで決して、誰の口からも出なかった人物の名。
それは八雲にとってどんな存在なのだろうか
そして何故、感動の再会というには程遠い…
こんなにも、哀しくて、切ない再会なのか。
晴香はただ、後悔した。
自分は一番、来るべきではなかったと。
「(出雲…、さん。)」
自分と同じくらいの身長で、細身の。 一言で表すならば可愛らしい男の子、という第一印象だった。
それでいて、八雲をあんなにも突き動かす存在。
+++
世田町署に着いたところで、後藤さんは「俺はここで待ってる」と言い出した
「?なんでですか…?」
「懲戒免職くらってな」
「ちょうかい!?!?」
そんな!あっけらかんと言うことですか!?
展開についていけてないで居ると、署内から誰かがこちらに向かってきた
「はっ、はじめまして斉藤警視正!!」
「へ、」
「「?!」」
驚いたのは八雲、晴香である
出雲に敬礼し、話しかけてきたのは石井だった
「じ、自分はっ、!石井雄太郎警部補といいます!
斉藤警視正殿のことは以前からっ
お慕いしておりました!!!!」」
……石井を除く、その場に居た全員が硬直した
「石井さん、それはいったい…どういう意味ですか?」
最初に口を開いたのは八雲だが、その声色は冷たく怒気を含んでいる
「えっ!あっ、言葉を間違えたかな…その、僕はファンでして…!」
「You're a strange boy, right?
(君は可笑しな少年だね?)」
「ルシアンてば、」
「出雲、警視正とはどういうことだ」
「ひいっ」
八雲との帰国して初めてのまともな話がその件についてとは。
後藤のこともあって、出雲の頭はショート寸前だった
「と、とりあえず!あの!ご挨拶行ってくるので…っ!石井さんご案内よろしくおねがいします!」
どうしていいかわからなくなった出雲は、逃げるようにルシアンと石井の腕を引っ張って署内に駆け込んだ