洞窟のなか
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「終わったか」
「うん。さ、早く話して。エレン達はどうなったの」
「エレンは無事だよ。奪還は成功した。ミカサにも怪我はないよ。」
「そう…、そう。…よかった」
すう、とようやく緊張の糸が解けたのがわかった。
すると人間というのは単純で、次第に頭がぼうっとしてくる。
「ただちょっと困ったことになってね。
今回の件で、エレンと調査兵団幹部が王都に招集されることになった。」
「!それで?」
微睡みかけていた意識が一気に引き戻され、反射的にハンジの肩を掴む。右腕が、若干軋んだ気がした。
「ちょっと落ち着いてってば!」
「…普段巨人に興奮してる君に言われるのは心外だよ」
「ジスは今、絶対安静の身だろ!?」
「問題ないよ」
「おいジス、大人しくしないなら今ここで3日眠らせてやる。
その間に全て終わらせることになるがそれでもいいか」
「ぐっ……わかったよリヴァイ…」
手を貸してもらいながらまたベッドに横になり、布団を掛けてもらう
ああ、先程の眠気がまた襲ってきた
「アルミンが女型の巨人と思わしき人物を特定した。いや…まだ推測といった方がいいかな。
彼女はエレン達と同じ104期訓練兵団。現在はストヘス区中で憲兵団所属。名前はアニ・レオンハート。」
「104期訓練兵団…アニ…ああ、上位10名の中にいた子だね」
女性は顔見知りのミカサを除いて3名のみだったので覚えている。
確かエレンが「アイツの格闘術が凄い」と話していた
「……格闘術…。…!」
はっとした。あの時、巨人化したエレンと格闘戦をしていた女型。
でも、それなら、当のエレンが何故真っ先に気づかない?
「心当たりがあるのか?」
「前にエレンが言っていたよ、その子の格闘術が凄いと。」
「ジスは見たことがあるの?」
「エレン達の様子を見に行った時に一瞬だけ…
ああ、なんでもっと早く気付かなかったのかな」
「仕方ないよ。そもそもその頃は人間が巨人になれることさえ知らなかったんだ。
…それでだ。ジス。落ち着いて聞いてくれよ?」
ハンジが恐る恐る、こちらの様子を窺いつつ言う
…大方作戦の事だろう。
「わかった。大人しく聞くよ。
どちらにせよこの身体じゃ勝手な事をしたところで、治りが遅れて自分の首を絞めるだけだ」
本当はその女型捕獲作戦にも参加したかったけれど。さすがにこれ以上リスクは犯せない。
「…生きなければ、ならないからね」
言うと、ハンジとリヴァイが珍しく同じ表情をした。
心外だなぁ。