洞窟のなか
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医者を呼んでくると言って、リヴァイが部屋を出た後に、先ず部屋の中を見渡した
「…参ったな」
左手を額に翳す。窓から差す光が、少しだけ鬱陶しい。
右腕、左腕、右足、左足…うん、なんとか動くな。
右上半身から地面に叩き付けられたのか。肋骨と右腕が痛むがこの感覚なら治るものだろう。
左側の身体を軸に、ゆっくりベッドから足を下ろす
少し眩暈がしたので机にあった水を飲んで、慎重に立ち上がる
「!そうだ女型…「ジス!!!
って、何起き上がってるんだよ!!!!!」わあ、早かったね…」
部屋に飛び込んできたハンジに開口一番怒られた。その後ろではリヴァイが鬼の形相。
「また生死を彷徨いたいのか死に急ぎ野郎…!!」
「ごめん、ごめんって…」
「頭部強打!右腕と右肋骨の骨折!擦り傷多数!要経過観察絶対安静!!!
君は本当に危ないところだったんだよ?!?!」
「欠損したわけでもないのに大袈裟な……っいや、今のは僕が悪かった。
だからリヴァイその水瓶を置いて?」
「チッ」
「リヴァイは勿論、私だってエルヴィンだってミカサだって本当に心配して…!!」
「待って、エレンは?ミカサは無事かい?女型はどうなった?」
「落ち着けジス、とりあえずテメェは診察だ」
怒気を帯びたリヴァイの後ろから、気まずそうに医師が顔を見せた
「…わかったよ。
じゃあ2人は廊下に出ていて。」
「あ?何故だ」
「自分でもわかるくらいボロボロな体を、恋人と友人に見られたいと思う?僕にはこの上ない恥だね」
「ええ~私は見てみたいなぁジスがどんな肉体で巨人をメッタメタにしてきたのか!!ねえいいでしょリヴァイ?!「終わったら呼べ」リヴァイ~~~~!!!!」
ハンジを引きずってリヴァイが退出したのを見届け、医師に向き直る
「ごめんね、騒がしくて」
「い、いえ……先程も仰られてましたが、空中から叩き付けられて意識を取り戻せたのは奇跡と言っても良い。」
「そうだね。僕は幸運だ、…本当に。
で、完治はいつになるかな?」
「なッ、まさかまだ戦いに出るつもりで?!」
「勿論。それが僕の生きる為の術だからね」
「無茶にも程がある!貴方が一番わかってるでしょう?!死にに行くようなものだ!!」
「…元々、調査兵団というものは死を覚悟して入るものだよ。何もしなくたって、今この瞬間巨人が攻めてきたら死ぬかもしれない命だ。
なら、最期まで。心臓を捧げるよ。」
「ッ…!ハァ…どうかしてるよアンタ…」
「はは、よく言われるよ。で?この身体、いつになれば動かせる?」
「…最低でも1ヵ月は。」
「やっぱりそれくらい掛かってしまうか」
「っけど、骨折が治ったところで…!「しぃ。」ッ!」
人差し指を、医師の口元に掲げる。
「これは、貴方と僕だけの秘密。」
そう微笑うと、医師はぞっとしたような顔をして言った
「アンタやっぱり、どうかしてる…」