洞窟のなか
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「私と共に来てくれないか」
「…悪趣味ですね。口説いてるんですか?僕が周りになんと呼ばれているかご存知でしょうに…
エルヴィンさん。」
「知っている。知った上で、君を誘っている。」
「僕は世界なんか微塵も興味ありません。英雄だとか人のためだとか、そんな事どうでもいいんです。
言うなれば貴方の掲げる調査兵団の在るべき姿とはかけ離れているかもしれない。」
「そうだな。君の目的はもっと…別のものだ。」
「…本当によくご存知で?」
「それでいい。ジス。君のその確固たる信念と激情は無くてはならないものだ。」
「僕はただ巨人を殺す為の兵器です。
貴方達が好きな政だのなんだのに関わるつもりはありません。」
「ああ。理解している。」
「とんだ物好きですね、僕みたいなじゃじゃ馬引き連れたら後で後悔しますよ。」
「心配してくれるのか?優しいな」
「…前言撤回です。後悔させてやりますよエルヴィンさん。」
「そうか、君の活躍が楽しみだ」
…これはエルヴィンに調査兵団に誘われた時か
この頃の僕、本当に態度悪いなぁ
それでもエルヴィンは僕を必要としてくれて
僕を気にかけてくれて。僕に期待をしていた。
僕の技量を使って巨人を駆逐するエルヴィン。
エルヴィンの頭脳を使って巨人を駆逐する僕。
互いに利用し、必要とし。
ああ、でもそんな関係が好きだった。
…好きだった、なあ
グンタ、エルド、オルオ、ペトラ、エルヴィン、ミケ、ハンジ、アルミン、ミカサ、エレン
リヴァイ
そっか、これ、走馬灯か
死んだのか、僕は
まだ生きたかった
まだ戦いたかった
まだ愛したかった
まだ愛されたかった
まだ、まだ。まだ、だ。
(まだ死ねない)
(でもお前の体はもう限界じゃないのか)
(いいやまだ動く)
(もう疲れただろう)
(仲間の仇がある)
(そんなものは他の奴に任せてしまえば良い)
(せめて見届けねばならない)
(果てた先で仲間が待っているさ)
(果てない先にも仲間がいるんだ)
(往生際の悪い)
(なんとでも言ってくれ)
(生きていても辛く、哀しいだろう)
(楽しく、嬉しいこともある)
(お前の愛しい者も死んでいるかもしれない)
(その分、這いつくばってでも生きる)
(過去の栄光の中で生きれるか)
(後にも先にも栄光なんてものは要らない)
(では何故そうまでして生きたい)
(生きたい理由は、生きねばならない、理由は)
「なあジス。」
「うん?なんだい、リヴァイ。」
「初めて会った時の事を覚えているか」
「ああ。勿論。僕の目が気に入らないと言われたね」
「根に持ってるのか」
「いや、今は理解しているさ」
「……あの時、」
「うん?」
「あの時、俺はジスの眼に惹かれていたんだろうよ。
憤怒や憎悪、覚悟の熱を帯びたその眼を見て…守りたいと、お前を独りにはさせないと、勝手に決めた。」
「…そう。ではやはりあの時から君の監視は始まったわけだね?」
「は、全然捕まってくれないがな。」
「そんなことはないよ。
大切な子達がいて、君がいてくれる…僕に新しい感情をくれる。
この世界も悪いことばかりではないと、未来を見たくなる。
君が愛してくれるからだよ、リヴァイ。
だから……ーー」